結論ですが
多のう胞性卵巣症候群は、症状に応じて治療をおこないます。
この記事は「婦人科を受診して診断されたけど、いまいち病気が理解できない」女性向けに書いています。
この記事を読むことで「多のう胞性卵巣症候群」についてわかります。
- 生理がなかなか来ない
- しかし妊娠反応は陰性
- 普段から生理がバラバラ
- こどもがなかなか出来ない
などの症状で産婦人科を受診したときに「多のう胞性卵巣症候群」(PCOS)だとわかることが多いです。
卵巣に小さなふくろが多くみとめる疾患です。
症状によってとくに困ることがないこともあり、知らないで過ごしていることも多いです。
今回、「多のう胞性卵巣症候群」について説明します。
この記事のまとめ
- 多のう胞性卵巣をみとめ、月経異常・不妊などの症状、ホルモン検査異常をみとめる場合、「多のう胞性卵巣症候群」(PCOS)と診断されます。
- 治療は、子供希望ある場合は「排卵誘発剤」「手術(卵巣多孔術)」など、子供希望ない場合は「低用量ピル」「ホルモン薬」などが使われます。
- 肥満の場合は「減量」、インスリン抵抗性上昇の場合は「糖尿病薬」など使われます。
多のう胞性卵巣って何ですか?
多のう胞性卵巣とは、小のう胞が多くみられる卵巣のことをいいます。
まず、生理1周期につき、1つの卵胞(主席卵胞)が発育して排卵されます。生理周期や個人差はありますが、およそ生理14日目あたりに排卵されます。
「排卵」がうまくいかなかったり卵胞がうまく発育されないと、卵巣に小さい袋(小のう胞)になって残ります。この小のう胞が多くみられる卵巣のことを「多のう胞性卵巣」(たのうほうせいらんそう)と呼ばれます。
多のう胞性卵巣症候群とは
エコーなどで「多のう胞性卵巣」をみとめ、月経異常(月経不順・遅発月経など)や不妊などの症状をみとめ、LH高値・アンドロゲン高値などのホルモン検査異常をみとめる場合、「多のう胞性卵巣症候群」(PCOS)とよばれます。
どんな検査がおこなわれますか?
多のう胞性卵巣症候群(PCOS)の診断基準に応じて検査をおこないます。
エコーなどの画像検査で「多のう胞性卵巣」を確認します。
血液検査では、ホルモン(LH・FSH・アンドロゲンなど)の値を検査します。
また、問診によって、月経異常(月経不順・遅発月経など)や不妊などの症状がないか確認します。
どんな治療がおこなわれますか?
症状に応じて治療がおこなわれます。つまり、多のう胞性卵巣症候群では「月経異常」と「不妊」という2つの症状がおこるので、それらに対して治療がおこなわれます。
まずはじめに、現時点で子供を希望するかどうかによって治療は決まってきます。
子供を希望する場合、多のう胞性卵巣症候群では、うまく排卵されないため排卵を促す必要があります。
排卵誘発するため飲み薬・注射などが使われます。また、手術で卵巣の小さな袋に穴をあける「卵巣多孔術」が行われます。
子供を希望しない場合には、「月経異常」に対して治療をおこないます。低用量ピルやホルモン薬(ホルムストルム療法)が使われます。
また、多のう胞性卵巣症候群は肥満と関係があるとされており、BMIが25以上の場合には減量することが治療につながります。
また、糖尿病(インスリン抵抗性上昇)とも関係がり、糖尿病のくすりも使われることがあります。
まとめ
多のう胞性卵巣をみとめ、月経異常・不妊などの症状、ホルモン検査異常をみとめる場合、「多のう胞性卵巣症候群」(PCOS)と診断されます。
治療は、子供希望ある場合は「排卵誘発剤」「手術(卵巣多孔術)」など、子供希望ない場合は「低用量ピル」「ホルモン薬」などが使われます。
肥満の場合は「減量」、インスリン抵抗性上昇の場合は「糖尿病薬」など使われます。
「多のう胞性卵巣症候群」は理解するのがなかなか難しい疾患だとおもいます。
「多嚢胞性卵巣」という状態が心配になるひとが多いですが、あくまで症状に対して治療することになります。
「多のう胞性卵巣症候群」は生活習慣病のひとつとも呼ばれています。
なにか根本治療があればいいですが、肥満があったときに減量して改善してくるのを待つことくらいです。
1回の医師からの説明だけでは理解するのが難しいかと思います。
この記事がすこしでも役立つことを願っています。
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