がんと言われましたが「性器出血」がひどいです!【性器出血】

がんの症状

結論ですが

がんに伴い「性器出血」がひどい場合は原因をみつけ症状が和らぐように対応します。

この記事は「がんに伴う性器出血で困っている」人に向けて書いています。
がんに伴う症状の悩みが解決できればと思っています
この記事を読むことで「がんに伴う性器出血」についてわかります。

あるとき、下着に出血がついていると、かなり驚いてしまい不安になるかと思います。
とくに出血が大量で、全然止まらない場合は出血によって死んでしまうのでないかとおそろしく感じるものです。

がんの病変からの出血の場合は、がんは血流が豊富であり止血するのが困難です。完全に止血できない場合には、出血にともなう貧血症状などを和らげることが目標になってきます。

今回「がんに伴う性器出血」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 腟口からの出血のことを「性器出血」とよばれ、「腟」「子宮」のがん病変や「腟断端部」の再発部位からの出血が多いです。
  • 性器出血が悪化すると貧血をきたし、「息切れ」「疲労感」「体力低下」「眠りがち」「食欲低下」「性欲低下」「気分の落ち込み」などの症状がおこります。
  • 性器出血には、止血するため「放射線照射」「止血剤」「くすりの見直し」など、貧血改善のため「輸血」「エリスロポエチン」などの対応が行われます。

そもそも「性器出血」とは?

腟口からの出血のことを「性器出血」とよばれます。性器出血は、「腟」や「子宮」から出血があった場合におこります。なお、下着に血液が付着していた場合、他にも「血尿」「血便」の可能性があります。
「子宮頸がん」や「子宮体がん」「卵巣がん」で手術による治療をした場合は、子宮を摘出して縫合した「腟断端部」という部位があります。その部位にがんが再発してしまい、そこから出血することが多いです。

出血が悪化するとどうなりますか?

性器出血が悪化すると、「貧血」となります。とくに、出血によって「鉄欠乏性貧血」というタイプの貧血になります。
また、がんの進行によって「慢性炎症による貧血」、「溶血性貧血」「骨髄浸潤による貧血」「腎不全による貧血」などもあわせて起こる場合があります。また、がんの進行によって「血小板低下」や「凝固因子低下」すると出血が助長されてしまいます。

貧血になるとどんな症状がおこりますか?

貧血になると、からだが活動するのに十分な酸素が供給されない状態になります。すると、からだを動かすとすぐに「息切れ」してしまったり、「疲労感」があったり、「体力が低下」してしまい「眠りがち」になってしまうこともあります。
また、からだをうまく動かせないことから、さまざまな「欲」も低下します。たとえば、「食欲」や「性欲」などが低下します。
活動性が下がることから「気分の落ち込み」につながります。

性器出血への対応は?

性器出血への対応は、「出血を止めること」「失った血液を改善すること」という2つの視点で考えます。
ただし、がんからの出血を止めることは難しいです。がんは増殖するために血管が発達しているので、一度出血すると完全に止血させることはほぼ不可能です。
また、がんの進行が著しく終末期の状態では、なにも対応しないでそのまま自然に見ていくということも選択肢になってきます。

放射線照射

性器出血の原因となっている「がんの病変からの出血をおさえる」ことを考えていきます。
がんの病変に対して「放射線照射」する方法があります。根本的治療ではなく、あくまで出血をおさえるための方法です。一時的な止血効果は得られますが、がん病変が悪化すると再度出血を繰り返してしまうことがあります。また、同じ部位への放射線照射は基本できないため、最初の治療で放射線治療をおこなっていた場合は、今回放射線照射はできないことがあります。

止血剤

止血効果のある薬を使うことがあります。よく使われるのが「トラネキサム酸」という薬で内服や静注で使われます。
また、止血効果のある成分を含むものを「出血しているがんの病変」に使う方法もあります。ガーゼに薄めた「アドレナリン」を浸して出血部位に圧迫させて浸透させる方法や、「止血シート」を敷き詰める方法などがあります。

くすりの見直し

「血液をサラサラにする薬」を使っている場合には、状態によっては休薬することを考えます。また、よく使われる痛み止めで「NSAIDs」という種類のものがありますが、止血の役割を担う血小板の機能を低下させてしまうものがあるので見直してみましょう。

輸血

貧血を改善するために「輸血」がおこなわれます。ただし、社会全体として輸血などの「血液製剤」不足しており貴重でなので、目的意識をもって適応をしっかりと考える必要があります。がんからの出血を止めることは難しいので、果てしなく輸血を行うということは避けなければなりません。
基本的には、倦怠感などの貧血による症状がひどく、輸血によって改善する可能性がある場合に「輸血」がおこなわれます。がんの進行が著しく終末期の状態では、何も対応しないでそのまま自然に見ていくということも選択肢になってきます。

エリスロポエチン

血液中の赤血球をつくる作用のある「エリスロポエチン」という成分があり、腎臓から作られます。エリスロポエチンは、「骨髄」(骨の中にある血液をつくる組織)に作用して、赤血球をつくるように指示を出します。
輸血を避けるために「エリスロポエチン」は有効ですが、がんの進行を助長してしまう可能性も指摘されています。使用するには担当医と相談するようにしましょう。

まとめ

腟口からの出血のことを「性器出血」とよばれ、「腟」「子宮」のがん病変や「腟断端部」の再発部位からの出血が多いです。

性器出血が悪化すると貧血をきたし、「息切れ」「疲労感」「体力低下」「眠りがち」「食欲低下」「性欲低下」「気分の落ち込み」などの症状がおこります。

性器出血には、止血するため「放射線照射」「止血剤」「くすりの見直し」など、貧血改善のため「輸血」「エリスロポエチン」などの対応が行われます。

がんの進行にともなう性器出血の場合、「輸血をおこなうかどうか」ということが争点になります。まわりの家族からは、なにか医療行為をおこなって欲しいという気持ちがあって、ただ貧血があるというだけで「輸血」をおこなうケースが実際には多いです。

輸血なども「血液製剤」は貴重なので、社会全体として有効活用したいという気持ちはありますが、目の前の患者さんや家族のことを考えると「輸血」をしたいという気持ちもあって、現場での判断は本当に難しいです。

がんの進行が著しく終末期の状態では、何も対応しないでそのまま自然に見ていくということも選択肢になってきますが、それが受け入れられないという状況も多々あるのです。
人間を相手にする実臨床の難しい面であります。

この記事によって「がんに伴う性器出血」に対する理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。