内膜症の気があるといわれました【子宮内膜症】

婦人科の病気

結論ですが

生理痛がひどい場合、診察で子宮が後ろに傾いていたり、子宮のまわりの癒着が予想される場合は「子宮内膜症の気がある」と言われます。

 

この記事は「病気を指摘された」女性に向けて書いています。
女性特有の病気に関して理解を深めるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「子宮内膜症」についてわかります。

生理痛がとてもひどく、婦人科を受診した場合に「子宮内膜症の気がある」と言われることがあります。
これは何かというと、「子宮内膜症」の可能性が高いという意味です。

子宮内膜症をしっかりと診断するためには、実際にお腹の中をのぞいてくる必要があります。しかし、お腹の中をのぞくためにはお腹に穴をあけて細長いカメラを入れて観察する「腹腔鏡検査」などが必要であります。

腹腔鏡検査は体に負担のかかる検査なので、まずは負担の少ない「内診」や「エコー」「MRI」などの画像検査が行われます。
そのときに「子宮内膜症」が疑われるような場合「子宮内膜症の気がある」と言われます。

今回はそんな「子宮内膜症」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • 子宮内膜症は、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜の成分が、子宮の内側以外の場所に発生する病気のことです。「痛み」「不妊」などの症状がおこったり、子宮内膜症の病変が「癌化」することがあります。
  • 子宮内膜症の検査は「内診・直腸診」、エコーなどの「画像検査」などがあり、最終的には「腹腔鏡検査」などでお腹の中をのぞく腹腔内観察をおこない病変を確認します。
  • 子宮内膜症の治療は「重症度」「病変の部位」「症状の程度」「年齢」「こどもの希望」などを総合的に考えて、「痛み止め」「ホルモン剤」「手術」などの治療方針を決めます。

子宮内膜症ってなんですか?

子宮内膜症とは、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜の成分が、子宮の内側以外の場所に発生する病気のことです。
子宮と直腸の間のスペースや卵巣・子宮の外側・腹膜などの場所に発生します。
20代から40代の女性に多く、生理が起こるたびに病状は悪化していきます。

子宮内膜症はどのような症状がおこりますか?

痛み

子宮内膜症は生理が起こるたびに悪化し「生理痛」がおこります。また、子宮のまわりや、直腸まわりの癒着がおこると、性交渉するときに痛む「性交痛」や便をするときに痛む「排便痛」などがおこります。病状が悪化し癒着がひどくなると、慢性的に下腹部が痛くなる「慢性骨盤痛」となります。

不妊

子宮内膜症によって、子宮や卵巣・卵管周りの癒着がおこります。とくに精子・卵・受精卵の通り道である「卵管の癒着」によって、不妊につながることがあります。

がん化

子宮内膜症の病変から、癌が発生することがあります。とくに卵巣の子宮内膜症のう胞(チョコレートのう胞) から癌が発生して「卵巣がん」となることが知られています。

子宮内膜症はどのような検査がされますか?

内診・直腸診

腟口から指を入れて、またお腹から抑えて、子宮を挟みこむようにして「内診」(双手診)をおこないます。子宮まわりの癒着の状態や、卵巣などが腫れていないか確認します。
また、肛門から指を入れて「直腸診」をおこない、直腸まわりの癒着の状態を確認します。

画像検査

エコー・MRI・CTなどの画像検査で、子宮が後ろに傾いているか(子宮後屈)、子宮内膜症で卵巣が腫れていないか(チョコレートのう胞)、子宮のまわりの癒着がないか、お腹の中に子宮内膜症の病変がないかなど確認します。

腹腔内観察

子宮内膜症の診断は最終的には、お腹の中をのぞくこと(腹腔内観察)で確認します。おもに腹腔鏡でおこなわれます。これはお腹に穴をあけて入れて細長いカメラを入れてお腹の中を観察します。子宮内膜症で卵巣などに病変をつくっている場合には、観察だけでなく、病変を摘出したり、焼灼する手術もあわせて行われることが多いです。

子宮内膜症はどのような治療がされますか?

子宮内膜症は「重症度」「病変の部位」「症状の程度」や「年齢」「こどもの希望」などを総合的に考えて治療の方針を決めていきます。

痛み止め

子宮内膜症の「生理痛」「骨盤痛」などに対してNSAIDsなどの「痛み止め」が使われます。また、生理痛を抑えるため「漢方」が使われることもあります。

ホルモン剤

避妊するために使われる経口避妊薬である「低用量ピル」は、じつは「生理痛」などの生理に関係する症状を和らげる効果も知られています。子宮内膜症にともなう「生理痛」や子宮内膜症の悪化をおさえる効果もあります。
また、「ジェノゲスト」という黄体ホルモンの薬や、「GnRH製剤」を使って閉経と同じようなホルモン環境にする治療などが行われます。

手術

子宮内膜症の病変があったり、癒着が想定される場合、チョコレートのう胞があって子供を希望する場合などには手術による治療がおこなわれます。
お腹に穴をあけて入れて細長いカメラを入れてお腹の中を観察しながら手術操作をおこなう「腹腔鏡手術」がおもに行われます。
子宮内膜症の病変を摘出したり、焼灼したり、癒着を剥がす操作などがおこなわれます。また、根本治療をする場合には、子宮と両方の卵巣を摘出する手術がおこなわれます。

まとめ

子宮内膜症は、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜の成分が、子宮の内側以外の場所に発生する病気のことです。「痛み」「不妊」などの症状がおこったり、子宮内膜症の病変が「癌化」することがあります。

子宮内膜症の検査は「内診・直腸診」、エコーなどの「画像検査」などがあり、最終的には「腹腔鏡検査」などでお腹の中をのぞく腹腔内観察をおこない病変を確認します。

子宮内膜症の治療は「重症度」「病変の部位」「症状の程度」「年齢」「こどもの希望」などを総合的に考えて、「痛み止め」「ホルモン剤」「手術」などの治療方針を決めます。

婦人科を受診すると、知らない「病気の名前」を耳にすることが多いかと思います。聞いたことのある病気であっても、実際にどのような病気であり、何をすればいいのかわからない場合が多いかと思います。

今回説明した「子宮内膜症」は、じつは根本治療が難しい病気でもあります。
子宮と両方の卵巣を摘出することが「根本治療」となりますが、こどもが欲しい人には行えない手術です。
今現時点でこどもが欲しい場合には「ホルモン剤による治療」が適当でない場合があります。

子宮内膜症は、20代から40代というちょうど子供を産むことを考えている世代に多く、こどもの希望、家族計画などのライフプランも考えたうえで治療方針を検討しなければなりません。
子宮内膜症という敵を知って、症状をコントロールしたり、妊娠することを優先させたりと、うまくつきあっていくことが大切です。

この記事によって「子宮内膜症」の理解が深まり、一人でも多くの人の役に立つことを願っています。