水痘と帯状疱疹の違いは?

結論ですが、
「水痘」と「帯状疱疹」はいずれも同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因で起こります。

この記事は「水痘と帯状疱疹の違い」に疑問に思っている人に向けて書いています。
「水痘」「帯状疱疹」に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「水痘と帯状疱疹の違い」についてわかります。

水痘って難しい名前だな!
水痘って確か子供の病気だよな!?
水痘と帯状疱疹ってなぜか一緒に扱われているような…

このような疑問にお答えいます。

子供のころに「水痘」(水ぼうそう)にかかる人は多いかと思います。
そして、保育園や幼稚園で「水ぼうそう」が流行っているなど耳にすることがあるかと思います。
その「水痘」と「帯状疱疹」は名前が違いますが、実は同じウイルスが原因で起こるのです。

今回は、「水痘と帯状疱疹の違い」について説明したいと思います。

この記事のまとめ

  • 水痘も帯状疱疹も同じウイルスが原因です。
  • 妊娠中の水痘感染に注意しましょう。
  • 水痘も帯状疱疹のいずれも、抗ウイルス薬と対症療法による治療が行われます。
  • 高齢者では、任意接種ですが帯状疱疹の予防接種をおすすめします。

水痘と帯状疱疹

「水痘」(みずぼうそう)と「帯状疱疹」は、同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因で起こります。

はじめて「水痘・帯状疱疹ウイルス」に感染すると「水痘」(みずぼうそう)として発症します。
そして、「水痘」がなおった後も、「水痘・帯状疱疹ウイルス」は体内の神経節に潜んで感染している状態になります。その後、加齢やストレス・過労などで免疫力が低下したときに「帯状疱疹」が発症するのです。

水痘とは

「水痘」(みずぼうそう)は、全身にかゆみをともなう発疹(発赤・みずぶくれ・かさぶた)ができる病気です。

はじめて「水痘・帯状疱疹ウイルス」に感染すると「水痘」を発症しますが、幼少期にかかる場合が多いです
感染経路は、空気感染です。小さなウイルスの粒子が空気中に漂う状態であり、同じ空間にいると感染する可能性があります。すべての発疹が「かさぶた」になれば他の人にうつらなくなります。

帯状疱疹とは

「帯状疱疹」は、体の左右どちらかにぴりぴりとした痛みと、赤い斑点・小さな水ぶくれができる病気です。

神経の走行に沿って帯状に発疹ができるため「帯状疱疹」(たいじょうほうしん)という名前が付けられています。過去に感染し、潜んでいた「水痘・帯状疱疹ウイルス」によって起こります。
また、「帯状疱疹」が治ったあとも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」という症状が出ることがあります。
感染経路は、基本的には接触感染であり、発疹部分に直接触れることでうつります。
すべての発疹が「かさぶた」になれば他の人にうつらなくなります。

妊娠中の水痘感染

妊娠中(妊娠20週以前)に「水痘」にかかると、まれに「先天性水痘症候群」となる可能性があり、「四肢低形成」「脈絡網膜炎」「小頭症」などの症状を来します。
さらに、妊娠中の水痘は重症化しやすいです。とくに、出産5日前から出産後2日までに感染すると、母体からの抗体が間に合わず、赤ちゃんも水痘が重症化しやすくなります。

水痘・帯状疱疹の治療

「水痘」も「帯状疱疹」のいずれも、抗ウイルス薬による治療が行われます。
また、発疹部に感染が合併した場合は抗生剤治療が、発熱や発疹部の痛み・かゆみなどには対症療法が行われます。

水痘・帯状疱疹の予防

予防の方法として、「水痘ワクチン」があります。

現在は、1歳以上3歳未満での2回が定期接種となっています。
また、任意接種ですが50歳以上の人が「帯状疱疹」の予防を目的として接種することも可能です。
なお、50歳以上の人が対象の「帯状疱疹」の予防接種が最近日本で発売されました。
高齢者の「帯状疱疹」の発症や、「帯状疱疹後神経痛」を予防するため、帯状疱疹の予防接種を受けることをすすめます。

まとめ

  • 水痘も帯状疱疹も同じウイルスが原因です。
  • 妊娠中の水痘感染に注意しましょう。
  • 水痘も帯状疱疹のいずれも、抗ウイルス薬と対症療法による治療が行われます。
  • 高齢者では、任意接種ですが帯状疱疹の予防接種をおすすめします。

今回は「水痘と帯状疱疹の違い」について説明しました。

小児において、「水痘」の予防接種は定期接種となっており対策できています。
しかも、他の子供から水痘をうつされて、自然に免疫がつくということもあり、何か対策が必要になることは少ないかと思います。

その一方、加齢などで免疫力が低下し「帯状疱疹」が発症した場合、帯状疱疹が治った後も「帯状疱疹後神経痛」に悩まされることがあります。
任意接種ではあるものの、水痘帯状疱疹ウイルスに対する免疫が低下してくる50歳以上になったら「帯状疱疹」の予防接種を受けることをオススメします。
高齢になってからの「帯状疱疹」の発症や、「帯状疱疹後神経痛」によって生活の質が低下することを予防しましょう。

この記事によって、「水痘と帯状疱疹の違い」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。