コンジローマといわれましたがどうすればいいですか?【性感染】

結論ですが

尖圭コンジローマといわれたら、担当医の指示を守って治療をすることが重要です。

この記事は「病気を指摘された」女性に向けて書いています。
病気に関して理解を深めるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「尖圭コンジローマ」についてわかります。

今回は「尖圭コンジローマ」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)とよばれるウイルスによる感染症で、おもに性行為によって感染し、外陰部・会陰・肛門周囲などに「先のとがったイボ(疣贅)」がみられます。
  • 尖圭コンジローマの治療法はおもに「塗り薬」と「焼灼」「切除」の3つの方法があります。
  • ヒトパピローマウイルスにはさまざまな型があり、「尖圭コンジローマ」以外にも「尋常性疣贅」「青年性扁平疣贅」「子宮頸がん」などの原因となります。

尖圭コンジローマはどんな病気ですか?

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)とよばれるウイルスによる感染症です。
ヒトパピローマウイルスにはさまざまな型がありますが「6型」「11型」のものに感染すると「尖圭コンジローマ」となります。
おもに性行為によって感染し、外陰部・会陰・肛門周囲などに感染をおこし病変をきたします。

尖圭コンジローマはどんな症状があらわれますか?

ヒトパピローマウイルス「6型」「11型」のものに感染すると、外陰部・会陰・肛門周囲などに「先のとがったイボ(疣贅)」がみられます。痛みをともなわないですが、かゆみを来すことがあります。
なお、女性の場合は性行為をした3週間から8ヶ月あたり(平均3ヶ月程度)で発症します。ヒトパピローマウイルスの潜伏期間は長いため、現在症状がみられなくて後からパートナーに発症することがあるため注意しましょう。

尖圭コンジローマはどんな治療をおこないますか?

尖圭コンジローマの治療法はおもに「塗り薬」と「焼灼」「切除」の3つの方法があります。
病変の大きさ・数・形状、そして患者さんの希望によって治療方針が決まります。

塗り薬

「イミキモドクリーム」が第一選択薬となっています。
ただし、腟内や子宮頚部(子宮の入り口の部分)は粘膜障害がおこることがあり使えません。
使い方は、1日1回、週に3回、就寝前にイボの部分に塗布して、翌朝起きたら石鹸で薬剤を洗い流します。皮膚がただれる可能性があるため忘れずに薬剤を洗い流すようにしましょう。

焼灼

レーザーや液体窒素などによって病変を焼灼します。
病変が徐々に小さくなっていきますが何回か焼灼する必要となることがあったり、やけどの状態となるため痛みを伴います。

外科的切除

局所麻酔によってコンジローマの病変を浮かびあがらせて、メスや電気メスなどで切除します。コンジローマ病変が大きい場合や早く治療したい人に有効です。
なお、妊娠中の人は「イミキモドクリーム」の安全性が保証されていないため、外科的に切除することが第一選択の治療法になります。

ヒトパピローマウイルス(HPV)について

今回説明した「尖圭コンジローマ」の原因となるヒトパピローマウイルスにはさまざまな型があります。
「6型」「11型」による「尖圭コンジローマ」以外にも、「2型」「4型」などによる「尋常性疣贅」(じんじょうせいゆうぜい)、「3型」「10型」などによる「青年性扁平疣贅」などが起こります。
また、ヒトパピローマウイルス「16型」「18型」などに感染すると「子宮頚部異形成」という前がん病変を経て「子宮頸がん」に進展することがあります。
つまり、ヒトパピローマウイルス感染は「子宮頸がん」の原因になります。
じつは、子宮頸がんの予防接種のうち”4価ワクチン”では、ヒトパピローマウイルス「16型」「18型」の他「6型」「11型」もカバーされているため、「子宮頸がん」に加えて「尖圭コンジローマ」の予防効果があります。

まとめ

尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)とよばれるウイルスによる感染症で、おもに性行為によって感染し、外陰部・会陰・肛門周囲などに「先のとがったイボ(疣贅)」がみられます。

尖圭コンジローマの治療法はおもに「塗り薬」と「焼灼」「切除」の3つの方法があります。

ヒトパピローマウイルスにはさまざまな型があり、「尖圭コンジローマ」以外にも「尋常性疣贅」「青年性扁平疣贅」「子宮頸がん」などの原因となります。

陰部にできものが出来たら、何かわからないため不安になるかと思います。
尖圭コンジローマは特徴的な病変のため見た目で診断することが可能です。
診察を受けて尖圭コンジローマと診断されたら、担当医の指示を守って治療をすることが重要です。

すこし話は脱線します。
尖圭コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルスというウイルスはイボをつくるありふれたウイルスでもあります。
ただし、ヒトパピローマウイルスのハイリスクのタイプが子宮の入り口に持続感染すると、「子宮頸がん」につながります。

ウイルス感染が実はがんの原因になるのです。

そして、ヒトパピローマウイルス感染を予防するワクチン、つまり子宮頸がんの予防接種があります。世界的には子宮頸がん予防接種は普及しており、徐々に子宮頸がんの数は少なくなってきています。
人類とこのウイルスとの戦いの末、子宮頸がんを稀少がんや撲滅することが可能な段階まで来ています。
ただし、ここ日本では副反応問題などから、普及が遅れています。子宮頸がんの予防接種に対して正しい理解が求められます。

この記事によって「尖圭コンジローマ」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。