結論ですが、
カルテ記載のコツとして「SOAP形式に沿って」「今回やったこと、次回やること」「細かな注意点」を書くことなどがあります。
この記事は「医療」に関して興味のある人に向けて書いています。
健康・医療に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「カルテ記載のコツ」についてわかります。
医師ですが、日々診療をしていますが、カルテを記載するコツはありますか?
このような疑問にお答えします。
自分は産婦人科医師として、札幌市内で開業医として働いています。
外来メインの業務ですが、毎日多くの患者様に受診して頂いております。
毎日、様々な患者さんを診察しているのですが、患者さんの医学的情報をまとめる「カルテ」は、とても重要だと感じます。
必要十分な情報をカルテに記載することで、病状を正確に把握することができますし、スムーズな診察にもつながります。
では、カルテ記載のコツについて教えてください!?
ということで、今回は「カルテ記載のコツ」について説明します。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
この記事のまとめ
1.SOAP形式に沿って
カルテ記載のコツとして「SOAP形式に沿って」書くことがあります。
個人的には、SOAP形式に沿って基本に忠実にカルテ記載することが重要だと考えております。
S(Subjective)…主観的情報、患者さんの訴え
O(Objective)…客観的情報、診察や検査結果など
A(Assesment)…評価、どのような病状が考えられるか
P(Plan)…計画、どのような検査や治療でいくのか
医師であれば「SOAP形式」のカルテは常識であり、医師間では共通認識ができています。「SOAP形式」に沿ってカルテを記載することで、他の医師がみても病状を把握しやすいのです。
また、先輩医師の方々が長年の歴史の中で作られた「SOAP形式」が生き残っているだけあって、とても使いやすいです。
一目みれば、欲しい情報がどこにあるのか分かりやすいですし、ルールに慣れるまでにそれほど時間はかかりません。
個人的には、「A(Assesment:評価)」が医師の技量を決めると思います。
どのような病気が疑われるか、正確に、簡潔に、シンプルに、医師の頭の中が反映されるように表現するように心がけています。
カルテ記載のコツとして「SOAP形式に沿って」書くことがあるのです。
2.今回やったこと、次回やること
カルテ記載のコツとして「今回やったこと、次回やること」を書くことがあります。
医師といえど、人間です。
残念ながら人間は忘れる生き物です。
その場では、絶対に忘れないだろうと思っていても、忘れてしまいます。
しかも、次回患者さんが来るまでに忘れないようにするために、頭の中の記憶容量を使ってしまうのは勿体ないと思います。
覚えていなければならないことが多くなればなるほど、記憶の容量が必要になってしまい、結局忘れてしまうことにつながります。
頭の中に記憶するということは辞めて、カルテに記載してメモしてしまいましょう。
とくに、、
「今回の診察でおこなったこと」
「次回もしくは今後おこなうこと」
をしっかりとモレなく書いておくようにしましょう。
これによって、次回患者さんが受診したときに、何をするのか考える時間が少なくすみますし、何をすれば良いのかモレなくできるようになります。
さらに、患者さんが特に不安に思っていること、治療方針を迷っていることなども記載しておけば、次回受診したときに、その確認をすることができます。
患者さんが言ったことをキチンと覚えていれば、信頼関係につながります。
カルテ記載のコツとして「今回やったこと、次回やること」を書くことがあるのです。
3.細かな注意点
カルテ記載のコツとして「細かな注意点」を書くことがあります。
医療では、安全が第一になります。
その患者さんにとって、注意が必要なことはカルテに目立つように記載しておくようにしましょう。
たとえば、
薬や食べ物でアレルギーがある
性行為経験がなく内診で配慮が必要である
特に不安に思っていることがある
内診が苦手である
こだわっていることがある
この曜日しか診察に来ることができない
などなど。
医療行為は、時に取り返しのつかない重大な事故につながる場合があります。
個々の患者さんの状態にあわせて、そして患者さんの意向にあった医療を提供することが重要だと思います。
細かな注意点にも留意できるように、カルテに目立つように記載しておくようにしましょう。
カルテ記載のコツとして「細かな注意点」を書くことがあるのです。
まとめ
今回は「カルテ記載のコツ」について説明しました。
産婦人科医師として、日々診療にあたっていますが、勉強の毎日です。
限られた時間で、いかに正確な診療を提供し、同時に患者さんの満足度を高められるか?
この課題と向き合っています。
「カルテ」は診療をおこなう上で、基本であり、武器となります。
カルテ記載を日々ブラッシュアップして、正確で安全な診療につながると思います。
基本をおろそかにしないで、誠実に一人一人の患者さんと向き合って、これからも診療を楽しんで行っていきたいと思います。
この記事によって「カルテ記載のコツ」について理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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