中絶手術後の注意点

結論ですが、

中絶手術後の注意点として、「症状」「合併症」「生活の注意点」などがあります。

この記事は「中絶手術を受ける」女性に向けて書いています。
医療・健康に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「中絶手術後の注意点」についてわかります。

中絶手術の後は、どのようなことに注意すればいいですか?

このような疑問にお答えします。

望まない妊娠をして中絶手術を受けました。

術後、お腹が痛いですが大丈夫ですか?
手術の危険性はどのようなものがありますか?
入浴や性行為はいつから可能ですか?

中絶手術を受けた後の生活は色々と分からないことが多いかと思います。
ということで、今回は「中絶手術後の注意点」について説明したいと思います。

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この記事のまとめ

中絶手術後の注意点1:症状

性器出血

中絶手術後の症状として、「性器出血」があります。

術後に子宮の中にたまった血液やはがれた子宮内膜などが出てくるため、子宮の収縮の痛みとともに出血があります。

少量の出血が1週間程度出る程度であれば問題ありません。
ただし、月経2・3日目くらいの多め出血が3日以上続く場合は、出血の量が多いため貧血に注意が必要です。
また、強い腹痛をともなう場合は、手術による合併症(子宮損傷・子宮穿孔・子宮収縮不全・血管損傷など)の可能性もあるため、受診して診察を受けるようにしましょう。

腹痛

中絶手術後の症状として、「腹痛」があります。

中絶手術によって、子宮の内容物が除去されると、妊娠で大きくなった子宮がもとの大きさに戻るために「腹痛」が生じます。

そのときに、子宮が収縮するため月経のような痛みを伴いますが、これは自然なもので特に問題ないです。
ただし、強い腹痛が持続する場合や、多量の性器出血・発熱などをともなう場合には、手術による合併症(子宮損傷・子宮穿孔・子宮内感染症など)の可能性もあるため、受診して診察を受けるようにしましょう。

精神状態の不安定

中絶手術後の症状として、「精神状態の不安定」があります。

中絶手術は、肉体的だけでなく、精神的にもダメージが与えられます。
中絶手術には、さまざまな苦悩や葛藤がともない、手術そのものだけでなく、中絶手術に至った経緯、パートナーや家族など周りとの関係性、自分の子供に対する思いなど、さまざまないきさつが精神的に影響を及ぼします。

中絶手術後に精神状態が不安定となり、「過剰反応」「侵害行為」「抑圧」「不信感」「無感情」などがみられる場合があります。
精神状態が不安定となった場合は、担当医に相談し、心療内科などの受診も検討しましょう。

中絶手術後の注意点2:合併症

子宮内感染症

中絶手術の合併症として「子宮内感染症」があります。

中絶手術によって、子宮の内容物が除去されるときに、子宮の中に感染する可能性があります。子宮の中に感染すると、下腹部痛・発熱・帯下異常などの症状が起こります。

膿がたまっていれば除去するとともに、腟洗浄や抗生剤による治療が行われます。

子宮損傷

中絶手術の合併症として「子宮損傷」があります。

中絶手術では、細長い器具を使用して、子宮の内容物が除去されます。
このときに、細長い器具によって「子宮損傷」してしまう場合がまれにあります。

下腹部痛や出血、感染すると発熱・帯下異常などの症状が起こります。
子宮修復術や、場合によって子宮全摘出術が必要になる場合もあります。

子宮内癒着

中絶手術の合併症として「子宮内癒着」があります。

中絶手術によって、子宮の内容物が除去された後、子宮の中が癒着してくっついてしまう場合があります。以前、主流であった「子宮内膜そうは術」において、比較的多い合併症です。

「子宮内癒着」によって、月経痛や、月経の量が極端に少ない、月経が来ない、不妊症などの症状が起こります。
子宮内癒着剥離術などの治療が必要になる場合もあります。

中絶手術後の注意点3:生活の注意点

安静

手術当日は、できるだけ安静にしてください。

車の運転、激しい運動、飲酒などは控えてください。

手術後1週間程度は自宅安静を指示しておりますが、翌日から普通の生活をして頂き、体に負担がなければ仕事をしている人もいます。

基本的には術後は安静を基本として、少しずつ体を動かして術後の静養に務めていただいております。

内服薬

中絶手術後は、必要に応じて痛み止め、また定期的に抗生剤と子宮収縮薬のくすりを飲んでいただきます。

中絶手術にともなう感染症を予防するために、「抗生剤」のくすりを飲んでいただきます。

また、子宮が元の状態に戻るのを促すため「子宮収縮薬」のくすりを飲んでいただきます。「痛み止め」は術後痛い時に使用してください。反対に痛くないときに使用する必要はありません。

入浴

中絶手術当日は入浴はしないでください。

術後、おおよそ1-2週間程度出血が持続しますが、出血がおさまるまでは感染防止のため浴槽にはつからず、シャワーのみとしてください。

また、術後約1週間後に診察がありますが、そこで問題なければ入浴の許可を出しています。

性行為

中絶手術後の性行為は、術後の診察で問題なく、「次の月経」が来たら可能としています。

中絶手術後、子宮が回復していないうちに性行為をすると、細菌などが子宮の中に入り感染症を起こす場合があります。

当院では、中絶手術を受けた「1-2週間後」に診察を行っており、問題なければ、「性行為」自体は可能な状態と判断されます。
しかし、中絶手術後の月経が来る前に排卵する場合がありますので、望まない妊娠を繰り返さないためにも「避妊」という観点も重要となります。

そのため、中絶手術後は、「次の月経」が来るまでは性行為を控えて頂くようにしております。

まとめ

今回は「中絶手術後の注意点」について説明しました。

中絶手術は、体だけでなく心にもかなりの負担がかかります。
術後しっかりと静養するとともに、自分の体調の変化の異常を気にするようにしましょう。

中絶手術後の性行為・入浴などの許可に関しては、担当医によって分かれるところでもあります。
術後の性行為など生活上のことで、わからないことがあれば気軽に担当医に相談するようしましょう。

この記事によって、「中絶手術後の注意点」について知ることができ、一人でも多くの人の役に立つことを願っています。

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