結論ですが
がんに伴い「不眠」がある場合は原因をみつけ症状が和らぐように対応します。
この記事は「がんに伴う不眠で困っている」人に向けて書いています。
がんに伴う症状の悩みが解決できればと思っています
この記事を読むことで「がんに伴う不眠」についてわかります。
健康的に過ごすために「食事」「運動」「睡眠」「規則正しい生活」などが大切です。現代人の多くが悩みを抱えている「睡眠問題」ですが、がん患者にも睡眠で悩んでいるひとは多いです。
睡眠が十分にとることができないと、疲労がとれずに身体的だけでなく精神的な不調の原因にもなります。体がだるくて日中の活動がうまくいかなかったり、頭がぼーっとしてしまい集中できないことにつながります。
さらに不眠による身体的・精神的な不調によって、さらに不眠が悪化してしまうという悪循環に陥る可能性があります。
今回「がんに伴う不眠」について説明していきます。
この記事のまとめ
- 不眠とは「精神的なストレスや身体的な苦痛などによって十分に眠れない状態のこと」をいいます。
- 不眠の原因には「症状」「くすり」「精神状態」「昼間のうたた寝」「加齢の影響」「生活環境(音・照明)」などがあります。
- 不眠には「原因を除去する」「生活環境を整える」「くすり」などで対応します。
そもそも不眠は問題なのか?
不眠とは「精神的なストレスや身体的な苦痛などによって十分に眠れない状態のこと」をいいます。
通常、ひとは日中は起きて活動をおこなって、夜は眠って体を休ませることが多いです。日中うたた寝が多く夜に眠ることができないひともいます。この場合、夜に眠れないことが本当に問題になるのか、治療の必要があるのか考える必要があります。
なぜ不眠が起こりますか?
症状
なにかしらの症状があると不眠につながります。
たとえば、「痛み」や「かゆみ」があるとその症状が気になって眠れなくなります。また、おしっこの回数が多い「頻尿」になると、トイレに行くために途中で起きてしまったり、起きた後に眠れなくなってしまったり、おしっこを気にするあまり寝付きが悪くなってしまうこともあります。
くすり
「アルコール」を摂取してから眠る人もいます。一見、アルコールによって寝付きが良くなったと思います。しかし、アルコールによって睡眠の質は下がってしまい、途中で起きてしまったり、朝早くに起きてしまうなど起こります。その後眠れなくなってしまい、「不眠」につながります。また、アルコールには「利尿作用」もあり、夜トイレで起きてしまうことにもつながります。
つぎに「カフェイン」には興奮作用があるため、夜寝付きが悪くなります。
「ステロイド」は食欲や体力が落ちている場合や腹水・胸水などたまっている場合に使われますが、ステロイドは不眠の原因となります。
精神状態
病気や自分の体などへの「不安」な状態や、それにともなって「よくうつ」な状態となった場合、「不眠」につながります。また、がんの進行している状態だと「死への恐怖」を感じる場合があり、強い恐怖となって寝付きが悪くなってしまいます。
その他
「昼間のうたた寝」や「長い昼寝」をとってしまうと、夜に眠気を感じにくくなってしまいます。
また、人は年齢が上がると必要な睡眠時間は短くなります。「加齢の影響」で自分が求める睡眠を満たすことができないため「不眠」と感じてしまいます。
さらに、騒音がひどかったり、照明が明るすぎるなど「生活環境」によって寝付きが悪くなります。
不眠にはどう対応すればいいですか?
原因を除去する
睡眠を妨げている「痛み」「かゆみ」「頻尿」などの症状をくすりなどを使ってしっかりとコントロールすることが重要です。
また、くすりによって不眠となっている場合は、くすりを変更したり、不眠の原因となることがわかっている薬は朝に投与するなど工夫します。
さらに、病気や自分の体などへの「不安」「よくうつ」「死への恐怖」など精神苦痛に対するサポートも重要です。
生活環境を整える
厚生労働省から2014年に発表された「健康づくりのための睡眠指針2014」というものがあります。「睡眠12箇条」というものがあり、それを参考に睡眠に良い生活環境を整えるようにしましょう。
~睡眠12箇条~
- 良い睡眠でからだもこころも健康に
- 適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを
- 良い睡眠は生活習慣病予防につながります
- 睡眠による休養感は、こころの健康に重要です
- 年齢や季節に応じて昼間の眠気で困らない程度の睡眠を
- 良い睡眠のためには環境づくりも重要です
- 若年世代は夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つ
- 勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を
- 熟年世代は朝晩メリハリ、昼間に適度な運動で良い睡眠
- 眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない
- いつもと違う睡眠には要注意
- 眠れない、その苦しみをかかえずに専門家に相談を
くすり
くすり以外の方法でも、不眠が改善しない場合には「睡眠薬」を使います。
睡眠薬以外にも、「よくうつ」があれば「抗うつ薬」、不安が強い場合には「抗不安薬」なども使われます。
まとめ
不眠とは「精神的なストレスや身体的な苦痛などによって十分に眠れない状態のこと」をいいます。
不眠の原因には「症状」「くすり」「精神状態」「昼間のうたた寝」「加齢の影響」「生活環境(音・照明)」などがあります。
不眠には「原因を除去する」「生活環境を整える」「くすり」などで対応します。
がん患者で睡眠に関して悩んでいるひとは多いです。
昼間のうたたねが多く夜眠れないとうケースもあり、本当に解決しなければならない問題なのかは考えなければならない場合があります。しかし、睡眠への満足度が上がることによって、より充実した生活を送ることができ、「生活の質」(QOL)向上につながります。
「不眠」で悩まされている場合には、我慢せずに担当医と相談するようにしましょう。
この記事によって「がんに伴う不眠」に対する理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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