結論ですが
抗がん剤の副作用がひどい場合には「症状をおさえる」「治療自体を見直す」方法があります。
この記事は「抗がん剤治療を受けている」人に向けて書いています。
がん治療に対するさまざまな疑問、不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「抗がん剤の副作用への対処」についてわかります。
自分が「がん」だと宣告をうけて、抗がん剤による治療を受けるようになったが、その副作用に悩まされている人は多いです。
抗がん剤は、がん細胞に効果を発揮しますが正常な細胞にも影響をあたえるため、大なり小なり副作用が出てきます。そして、その副作用の出具合が個人差がとてもあります。
実際に抗がん剤治療を受けて、こんなに副作用がきついのかと感じる人もいます。そんなきつい副作用が少しでも改善し、うまく付き合っていけるよう解説します。
では、今回「抗がん剤の副作用への対処」について説明していきたいと思います。
この記事のまとめ
- 抗がん剤の副作用がひどい場合には「症状をおさえる」「治療自体を見直す」方法があります。
- 抗がん剤の副作用には「吐き気」「しびれ」「口内炎」「味覚障害」「疲労感」「発熱」などがあり、薬などで症状をおさえたり、生活環境を整えて症状を和らげることが大切です。
- 抗がん剤の副作用がひどい場合には「抗がん剤の量を減らす」「抗がん剤の種類を変える」「抗がん剤を中止する」など治療自体を見直す必要があります。
抗がん剤の副作用
抗がん剤には、がん細胞をやっつける作用があり、それを期待して治療がおこなわれます。
がん細胞に効果を発揮しますが、同時に自分の正常な細胞にも影響をあたえてしまいます。そのため、抗がん剤による治療にともなって副作用もおこります。
抗がん剤の副作用の出現には個人差があって、全く副作用がなく大丈夫な人もいれば、副作用がひどく出る人もいます。また、抗がん剤の種類によって、副作用の出具合や種類が変わってきます。
抗がん剤の副作用がひどい場合には「症状をおさえる」「治療自体を見直す」などの方法があります。順番にみていきましょう。
症状をおさえる
吐き気
抗がん剤の副作用で「吐き気」が起こることが多いです。
吐き気の頻度が多い抗がん剤を使う場合には、抗がん剤を投与する前に「吐き気を予防する薬」を使います。
それでも吐き気がでる場合には「吐き気止め」「ステロイド」などの薬を使います。また、食べやすい食べ物をとるなど「食事を工夫」したり、できるだけリラックスできるよう「環境に配慮」することで吐き気が和らぎます。
しびれ
抗がん剤によって神経細胞にダメージをうけると、手足の先の「しびれ」や「感覚が鈍い」などの症状が起こります。
神経障害をうけると、歩いたり作業をするときにいつもの感覚と違うため転倒することがあるので注意が必要です。
また、感覚が鈍くなると、熱さに鈍くなってやけどしたり、爪を深く切りすぎてしまったり、ちょっとしたキズを作りやすくなります。作業するときは注意をするとともに、自分の体に気づかないうちにキズがないか観察するようにしましょう。
口内炎
抗がん剤によって、口の中の粘膜がダメージをうけることによって口内炎が起こります。
「口の中の環境」が口内炎の出具合に影響をあたえます。虫歯や歯周病があるようであれば治療前に歯科を受診しましょう。また、普段から歯磨き習慣を大事にして、口の中を衛生的に保つようにしましょう。また、口内炎に対して、口の中に塗るくすりを使うことができます。
味覚障害
口内炎に加えて神経障害や栄養素の不足など合わさると食事の味が変わる「味覚障害」が起こります。
「口の中の環境」が味覚障害に影響をあたえるので、歯磨き習慣を大事にして口の中を衛生的に保つようにしましょう。また、「口の中の乾燥を防ぐ」ために、ガム・あめを口に含んだり、すっぱいものを口にして唾液の分泌を促すようにしましょう。
さらに、「亜鉛・ビタミンB12・鉄など」の不足が味覚障害につながるため、それらを含む食品を摂取するようにしましょう。また、「味付けや食べ方を工夫」して味覚障害でも食事をとりやすいようにしていきましょう。
疲労感
抗がん剤による治療は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響をあたえます。からだに負担がかかる治療であるため、「疲労感」「全身倦怠感」などの症状もおこります。また、抗がん剤の骨髄抑制による「貧血」が原因となっている場合があるので血液検査で確認します。
適度に休息をすること、栄養状態を改善すること、リラックスできるような環境を整えることが大切です。「漢方」の薬を使ったり、場合によっては「ステロイド」の薬を使うこともあります。
発熱
抗がん剤治療によって「骨髄抑制」がおこると「赤血球」や「白血球」「血小板」が低下します。とくに白血球のうち「好中球」が低下すると「感染しやすい」状態になります。
発熱があった場合には、血液検査で骨髄抑制による好中球が低下していないか確認します。発熱があって好中球が低下して場合は「発熱性好中球減少症」とよばれ、重症化する場合があるので適切な治療を受ける必要があります。抗生剤による治療や、好中球を改善する薬などで治療が行われます。
治療自体をみなおす
抗がん剤の副作用がひどい場合には「治療自体を見直す」必要があります。もちろん「がんへの治療効果」を期待して抗がん剤治療を行いますが、あまりに副作用がひどく「生活の質」が落ちてしまったり、重篤で命にもかかわるような症状が出る場合には担当医と相談して治療自体を見直しましょう。
抗がん剤の量を減らす
抗がん剤の量は、その本人の身長や体重から体表面積を求めて計算したり、腎臓の機能を評価して計算されます。治療効果が一番良くなる量を使いますが、抗がん剤の副作用がひどい場合には、抗がん剤の量を減らすことを考えます。
とくに好中球の低下などの骨髄抑制が強い場合には、量を減らすことで副作用が抑えられることがあります。
抗がん剤の種類を変える
もちろん最初は一番治療効果が高いであろう抗がん剤を使って治療します。しかし、抗がん剤の副作用がひどい場合には種類を変えることを考えます。
抗がん剤の種類によって、出やすい副作用など違ってくるので、効果が期待できるような違う種類の抗がん剤に変更することを考えます。
抗がん剤を中止する
抗がん剤の副作用がひどい場合には「抗がん剤の治療自体を中止」するかどうか考えます。
「抗がん剤による治療効果」と「抗がん剤による副作用」を天秤にかけたうえで、判断します。抗がん剤の治療効果がいまいちであったり、抗がん剤による副作用で生活の質がいちじるしく低下する場合には、抗がん剤による治療を注意することを考えます。
まとめ
抗がん剤の副作用がひどい場合には「症状をおさえる」「治療自体を見直す」方法があります。
抗がん剤の副作用には「吐き気」「しびれ」「口内炎」「味覚障害」「疲労感」「発熱」などがあり、薬などで症状をおさえたり、生活環境を整えて症状を和らげることが大切です。
抗がん剤の副作用がひどい場合には「抗がん剤の量を減らす」「抗がん剤の種類を変える」「抗がん剤を中止する」など治療自体を見直す必要があります。
抗がん剤による副作用がどう出るかは個人差がとてもあります。
一人ひとり違うため、抗がん剤の副作用への対応は個別に対応されるべきです。
担当医と相談して、うまく副作用をコントロールして治療をすすめていくことが大切です。そして時には、「抗がん剤の量を減らす」「抗がん剤の種類を変える」「抗がん剤を中止する」など治療自体を見直すことも相談しましょう。
この記事によって「抗がん剤の副作用への対処」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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