妊娠初期の性器出血【よくある症状】

結論ですが

妊娠初期には、「性器出血」が起こることがあり、その「原因」「検査」「治療」について説明します。

この記事は「妊娠中」の女性に向けて書いています。
妊娠中の症状に関して理解を深めるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「妊娠初期の性器出血」についてわかります。

妊娠中ですが出血しました!大丈夫ですか?

このような悩みにお答えします。

妊娠して出血すると不安になることでしょう。

とくにはじめての妊娠の場合は、より心配になるかと思います。

妊娠すると、自分の体だけでなく、お腹の中の赤ちゃんのことも心配になるかと思います。
自分だけでなく、新たな命のことも考えると、心配は一段と増えるでしょう。

では、妊娠中に出血があるときどうすればいいですか?

今回は、「妊娠初期の性器出血」について説明します。

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この記事のまとめ

1.出血の原因

妊娠初期の性器出血の原因として、「異所性妊娠」「切迫流産」(流産)「絨毛膜下血腫」「子宮頸管ポリープ」などが挙げられます。

異所性妊娠

妊娠初期に見逃してはいけない病気として「異所性妊娠」があります。これは、妊娠成分が破裂してしまうと、お腹の中で多量出血します。命を落とす可能性があるため見逃してはいけないです。

切迫流産・流産

「切迫流産」(流産)による出血は意外と頻度が多いです。自然流産率は「約15%」と言われており、皆さんが考えているよりも「流産」となる可能性は高いのです。

絨毛膜下血腫

赤ちゃんの袋のまわりに「血のかたまり」(血腫)ができる病気です。
赤ちゃんが育つには十分な血流が必要であり、妊娠中は出血しやすいです。赤ちゃんのまわりから子宮の入り口に出血が流れてくると「性器出血」として現れます。

子宮頸管ポリープ

子宮頸管ポリープは、子宮の入り口のポリープのことです。
ポリープは妊娠中はとくに出血しやすい状態となり、擦れると出血したりします。

その他

妊娠中は、血流が増えるため、出血しやすい状態となります。

とくに子宮の入り口の部分は、動きすぎたりすると、擦れて出血しやすいです。

2.出血の検査

妊娠初期の出血の検査として、「視診」「腟鏡診」「エコー」「血液検査」などが挙げられます。

視診

「視診」では、出血している部分はどこなのか、どのくらいの量が出ているのか、なにか病変がないかなど見て確認します。

腟鏡診

「腟鏡診」では、「腟鏡」(クスコ)という器械をつかって、腟内や子宮の入り口あたりを観察します。出血している部分はどこなのか、どのくらいの量が出ているのか、なにか病変がないかなど見て確認します。

エコー

エコー検査では、「赤ちゃんの状態」や「赤ちゃんの袋」「子宮の入り口の長さ」などを確認します。

とくに、赤ちゃんが元気なのか、赤ちゃんの袋のまわりに血のかたまりがないか、子宮の入り口の長さなどを評価します。

血液検査

血液検査で「Hb」(ヘモグロビン)という貧血の値をみたり、診断のために「hCG」というホルモンの値を評価します。

出血の量が多いと、「鉄欠乏性貧血」をきたす場合があります。「Hb」(ヘモグロビン)という値を評価します。

また、「異所性妊娠」なのか「流産」なのか判断がつきにくい場合があります。その場合には「hCG」という妊娠性ホルモンの値を評価します。

3.出血の治療

妊娠初期の出血の原因に応じて治療が行われます。

異所性妊娠

「異所性妊娠」では、基本的に手術で治療されますが、条件が合えば「MTX」という抗がん剤を使って治療を行うこともあります。

切迫流産・流産

「切迫流産」では、「ハリ止め」や「止血剤」などのくすりを使ったり、「安静」に過ごしてもらいます。また、「流産」とくに赤ちゃんが亡くなってお腹の中に残っている場合には「子宮内容除去術」という手術が行われます。

絨毛膜下血腫

「絨毛膜下血腫」では、血のかたまりが広がらないように、「ハリ止め」や「止血剤」などのくすりを使ったり、「安静」に過ごしてもらいます。

子宮頸管ポリープ

「子宮頸管ポリープ」では、出血がひどい場合には、擦れて出血しないように「安静」に過ごしてもらいます。
また、摘出しやすいポリープでは、子宮頸管ポリープを摘出する手術が行われます。

まとめ

今回は「妊娠初期の性器出血」について説明しました。

妊娠初期に出血した場合には、かかりつけを受診して担当の医師に相談するようにしましょう。

とくに「異所性妊娠」は命をおとす可能性があり見逃せない病気です。
受診をして確認してもらいましょう。
気になる症状があるときには、ためらわずに受診して相談するようにしましょう。

この記事によって「妊娠初期の性器出血」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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