結論ですが、
婦人科において超音波検査の算定条件は厳しく決まっており、確認して算定することが必要です。
この記事は「医療事務の業務内容」について知りたいヒトに向けて書いています。
医療に関して疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています
この記事を読むことで「レセプト業務のポイント」についてわかります。
レセプト業務をおこなっていますが、なにかポイントってありますか?
このような疑問にお答えします。
医療機関は、医療サービスを提供する対価として「診療報酬」を受け取ります。
診療報酬のうち3割は患者が窓口負担します。
のこりの7割は、保険者に対して請求することになります。
そして、診療報酬を適切に請求するためにレセプトを作成して、提出するレセプト業務というものが必要となります。
婦人科診療において、よく行われる検査として「超音波検査」があります。
この超音波検査では算定できる要件がいくつか決まっており、確認する必要があります。
では、「超音波検査」の算定できる要件はどのような感じですか?
ということで、今回は「超音波検査の算定要件」について説明します。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
この記事のまとめ
1.初診時
超音波検査は、「初診時」に疑われる疾患があり診断するときに行われた場合に算定できます。
婦人科において、超音波検査は、子宮や卵巣に形状の異常がないか確認するために超音波検査が行われます。
たとえば、「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「卵巣腫瘍」「子宮内膜ポリープ」などの疾患が超音波検査の適応となります。
婦人科において、腹痛・腹部膨満感・月経痛・過多月経などの症状で受診した場合、超音波検査で子宮や卵巣に異常がないか確認します。
病気を確認したら、「子宮筋腫」などと診断して病名をつけます。
病気を確認できなかったら、「子宮筋腫うたがい」「卵巣腫瘍うたがい」などと病名をつけて保険請求する流れとなります。
病気がなく、はずしてしまった場合にも、症状から病気を疑って行った場合には、超音波検査を算定することは可能です。
ただし、あまりにも頻繁に超音波検査を行った場合には、査定の対象になるため注意が必要です。
目安として、3ヵ月以内に超音波検査を行った場合には基本的に査定の対象となります。
また、3ヵ月以上経っても、不必要に超音波検査を行ったとみなされる場合には、査定される場合がありますので注意が必要です。
2.病状のフォロー
超音波検査は、「病状のフォロー」をする必要がある場合に行われた場合に算定できます。
婦人科疾患では、たとえば「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「卵巣腫瘍」など大きさが悪化していないか確認するために超音波検査が行われます。
これらの疾患の場合には「おおよそ3ヵ月に1回」が算定の目安となります。
実際には3ヵ月後のフォローで大きさが変わらなければ、半年から1年毎に大きさを確認することが多いです。大きさが悪化している場合には、3ヵ月ごとの慎重なフォローアップか、MRIなどの精査や手術などによる治療にうつる場合が多いです。
また、子宮内膜症であれば、治療効果の確認のため「4週間に1回程度」の算定が可能です。
子宮全摘出術後であれば、「腟断端血腫」の診断で算定が可能です。
3.妊娠関連
超音波検査は、妊娠関連では「切迫流産」「子宮内胎児死亡」「多胎妊娠」「異所性妊娠」などで算定できます。
正常の妊娠で、胎児正常発育している場合には、保険適応されませんので、自費診療となります。母子手帳を発行された後には、クーポンを使用して健診を受ける流れとなります。
なお、妊娠5週以降の切迫流産では、「1週間に1回程度」の算定が可能です。
また、「子宮内胎児死亡」(妊娠5週以降)の場合に、算定が可能です。
さらに、「多胎妊娠」の場合には、妊娠5週以降で、「1-2回程度」の算定が可能です。
「異所性妊娠」の場合には、妊娠5週以降で、「1週間に1回程度」「1-2回程度」の算定が可能です。
4.不妊治療関連
超音波検査は、不妊治療関連では「排卵障害」「排卵誘発剤の使用時」などで算定できます。
「排卵障害」では、「月1回」の算定が可能です。
また、「排卵誘発剤の使用時」には、「月3回」までの算定が可能です。
ただし、排卵誘発剤を目的としてhCGを単独に使用した場合には「月2回」までになります。
ただし、前回排卵誘発剤を使用されている場合には、その旨を注記して合計1ヵ月に3回までの算定が可能です。
5.その他
超音波検査は、「ミレーナ」を使用する場合などに算定できます。
「薬剤放出子宮内システム処置(ミレーナ52mg)」を使用する場合、その位置を確認するために「装着時」「装着後3ヵ月以内」「1年毎」に算定することが可能です。
ただし、その旨を記載する必要があります。
まとめ
今回は「超音波検査の算定要件」について説明しました。
医療機関は、医療サービスを提供する対価として「診療報酬」を受け取ります。
その診療報酬を適切に請求するためにレセプトを作成して、提出するレセプト業務というものが必要となります。
過不足なく請求することによって、医療システムがうまく働き、みなさんが病気やケガで困ったときに適切な医療を提供することにつながります。
また、婦人科では、頻繫に超音波検査が行われます。
算定できるものは、しっかりと確認して保険請求することが大切です。
この記事によって「超音波検査の算定要件」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。
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