子宮内膜ポリープってなんですか?

結論ですが

子宮内膜ポリープとは、子宮内膜の細胞が異常増殖して出来る「腫瘍」(できもの)のことです。

この記事は「病気を指摘された」女性に向けて書いています。
女性特有の病気に関して理解を深めるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「子宮内膜ポリープ」についてわかります。

婦人科を受診して、検査をおこなって「子宮内膜ポリープ」と言われる場合があります。

そもそも子宮内膜ポリープってなんだろう?
ポリープって「できもの」のこと?
とくに症状はないのに…

など疑問や不安が出てくるかと思います。

子宮内膜ポリープは頻度が多いです。子宮内膜ポリープはとくに症状がなくても、たまたま見つかるケースが多いのです。

ポリープっていうと、胃や大腸などの消化器にできるイメージが多いかと思います。実は粘膜のある部分であれば、ポリープは出来るのです。
子宮の内側にも粘膜があり、子宮内膜に出来るポリープのことを「子宮内膜ポリープ」とよばれます。

今回は「子宮内膜ポリープ」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 子宮内膜ポリープとは、子宮内膜の細胞が異常増殖して出来る「腫瘍」(できもの)のことです。
  • 子宮内膜ポリープのほとんどが「無症状」ですが、「不正性器出血」「月経異常」「不妊症」などの症状を認める場合があります。
  • 子宮内膜ポリープでは、「エコー」「細胞診」「子宮鏡」などの検査が行われます。
  • 子宮内膜ポリープの治療は、基本的に「子宮内膜ポリープ切除術」が行われます。

子宮内膜ポリープってなんですか?

子宮内膜ポリープとは

子宮内膜ポリープとは、子宮内膜の細胞が異常増殖して出来る「腫瘍」(できもの)のことです。
大きさは数mm程度のものから、3-4cm程度のものまでさまざまあります。ポリープは1つだけできることが多いですが、中には2つ以上のポリープが出来ることもあります。

子宮内膜ポリープの原因

子宮内膜ポリープの原因として、「子宮内膜の慢性炎症」「子宮内膜の感染」「女性ホルモンの影響」などが挙げられます。
しかし、子宮内膜ポリープが形成されるはっきりとした原因がわからない場合が多いです。

子宮内膜ポリープはどのような症状ですか?

ほとんどが無症状

子宮内膜頸管ポリープのほとんどが無症状です。
症状がないため、全く他の症状で婦人科をした時や「婦人科の検診」の時などに、子宮内膜ポリープがたまたま見つかる場合が多いです。

不正性器出血

子宮内膜ポリープでは、月経以外に出血が起こる「不正性器出血」をみとめることがあります。子宮内膜ポリープの部分からの出血によるものです。月経以外のときにもポリープから出血して「不正性器出血」としてみられます。

月経異常

子宮内膜ポリープでは、月経量が多くなる「過多月経」、月経期間が長くなる「過長月経」などの月経異常をみとめることがあります。
月経は厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて起こります。子宮内膜ポリープがあると、月経量が多くなったり、月経が長引いたりします。月経による出血量が多くなり、貧血となってしまう場合もあります。

不妊症

子宮内膜ポリープでは、着床障害から不妊症につながる場合があります。
受精卵は子宮の中に着床して妊娠が成立します。子宮内膜ポリープがあると、着床を妨げられて、妊娠が成立せず、不妊症につながります。

子宮内膜ポリープはどのような検査を行いますか?

エコー

エコー検査によって、子宮内膜ポリープがあるか確認します。
子宮内膜ポリープの形状・大きさ・血流の有無などを確認します。ただし、子宮内膜が厚い時期や、ポリープが小さい場合には子宮内膜ポリープわからない場合があります。

細胞診

子宮内膜の細胞診をおこなうことで、良性のポリープなのか判断します。
子宮の入り口の部分から細長い器械を挿入して、子宮内膜の細胞を擦って採取します。そして、顕微鏡でのぞいて、細胞に異常がないか確認します。
「子宮内膜ポリープ」は良性の腫瘍ですが、まれに「子宮体がん」だと判明する可能性もあります。子宮体がんの可能性を考慮して、「細胞診」の検査が行われます。

子宮鏡

子宮の中に細長いカメラである「子宮鏡」を挿入して、子宮内を観察して子宮内膜ポリープの有無を確認します。
子宮内膜ポリープの形状・大きさ・部位などを確認します。正確に子宮内膜ポリープと診断するために、子宮内膜ポリ-プを切除して、顕微鏡でのぞいて、細胞・組織レベルで確認する必要があります。

子宮内膜ポリープの治療は?

子宮内膜ポリープ切除術

基本的には手術によって「子宮内膜ポリープ切除術」をおこないます。
子宮鏡という細長いカメラ「子宮鏡」を子宮内に挿入して、子宮内膜ポリープを確認して電気メスで切除による治療をおこないます。あわせて、子宮内膜ポリープの組織が問題ないかの組織の検査(組織診)も行います。

定期的なフォロー

子宮内膜ポリープによる症状がなく、明らかな良性腫瘍だと診断される場合には、治療は行わないで定期的なフォローをする場合があります。
ただし、経過をみていく過程で、ポリープが大きくなってきたり、症状が出てくる場合、悪性が否定できない場合などでは、子宮内膜ポリープの治療を考慮します。

再発の可能性

「子宮内膜ポリープ切除術」による治療をした後に、子宮内膜ポリープが再発する場合があります。定期的な診察を受けるとともに、「不正性器出血」や「月経異常」などの症状がある場合には早めに受診することをオススメします。

まとめ

  • 子宮内膜ポリープとは、子宮内膜の細胞が異常増殖して出来る「腫瘍」(できもの)のことです。
  • 子宮内膜ポリープのほとんどが「無症状」ですが、「不正性器出血」「月経異常」「不妊症」などの症状を認める場合があります。
  • 子宮内膜ポリープでは、「エコー」「細胞診」「子宮鏡」などの検査が行われます。
  • 子宮内膜ポリープの治療は、基本的に「子宮内膜ポリープ切除術」が行われます。

「子宮内膜ポリープ」と言われた場合、とくに症状はないのに大丈夫なのだろうかと心配になるかと思います。

子宮内膜ポリープは基本的には良性の腫瘍であり、症状もない場合が多く、日常生活で支障がないことがほとんどです。ただし、まれに「子宮体がん」が隠れている場合もあります。

「定期的な婦人科の検診」を受けるとともに、不正性器出血や月経異常など何か気になる症状があれば早めに受診するようにしましょう。

とくに、なかなか妊娠しない時に、子宮内膜ポリープがわかる場合があります。妊娠したい場合には、早めに産婦人科で相談することをすすめます。

この記事によって「子宮内膜ポリープ」の理解が深まり、一人でも多くの人の役に立つことを願っています。