結論ですが、
出産後初期は、なるべく母乳を与えましょう。妊娠出産の異常があれば将来の疾病に注意しましょう。
この記事は「健康について関心のある」ヒトに向けて書いています。
自身の健康への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「健康寿命を伸ばすための具体的な行動」がわかります。
突然ですが「健康」とはなんでしょうか?
普段当たり前に使っている「健康」という言葉ですが、
改めて「健康ってなにか」と考えると、その意味は意外と難しいです。
健康は良いこと
年を重ねてもいつまでも健康でいたい
病気にならないで健康でいたい
毎日が健康でいきいきとしていたい
あの人は健康的でいいね
など「健康」にはポジティブな印象があるかとおもいます。
これからは人生100年時代です。
長い人生をよりよく過ごすために「健康」について知ることが大切です。
そして「健康寿命」を伸ばすことがポイントになってきます。
2021年2月19日に、国立高度専門医療研究センター6機関の連携による「健康寿命延伸のための提言」が公開されました。
そこには、エビデンスに基づく「健康に過ごすための具体的な予防行動」が10項目に分けて提言されています。
みなさんが健康に過ごすために役立つ内容であり、順に説明していきたいと思います。
今回は「成育歴・育児歴と健康」について説明していきます。
この記事のまとめ
(健康のための具体的行動)
1.出産後初期は、なるべく母乳を与えましょう。
2.妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群・巨大児出産の経験がある人は、将来の疾病に注意しましょう。
3.早産や低出生体重で生まれた人は、将来の疾病に注意しましょう。
健康寿命延伸の提言とは
健康寿命延伸の提言とは
2021年2月19日に、国立高度専門医療研究センター6機関(※)の連携によって「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」が公開されました。
これは、日本人の健康寿命を伸ばすために必要な「予防行動」について提言されています。
健康寿命を伸ばすためには、「小児」「妊婦」「成人」「高齢者」など年齢や状態に応じて、さまざまな疾患を横断的に予防することが必要です。
しかし、予防について疾患横断的にまとめられたガイドラインや指針は今までなかったため、このような提言がされるに至りました。
健康寿命とは
「健康寿命」とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。
出産して産まれてきてから、死亡するまでの期間を「寿命」と言います。
それに対して、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを「健康寿命」と言います。
単に「寿命」を伸ばすだけでなく、「健康寿命」を伸ばすことが、人生をよりよく過ごすために重要になります。
健康寿命延伸のための10項目
健康寿命を伸ばすための具体的な予防行動などが10項目について提言されています。
いずれも国内外の様々な疫学研究やエビデンスに基づいたものになっております。
疾患横断的に健康を左右する「生活習慣」「生理学的要因」「社会的・物理的環境」について以下の10項目について提言されています。
いずれも、みなさんが日常生活の中で取り組める内容であり、健康に過ごすために是非とも実践して欲しいです。
今回は「健診」「検診」「口腔ケア」について説明していきたいと思います。
健康のための行動1.出産後初期は、なるべく母乳を与えましょう。
母乳による効果
母乳を与えることで、母体の様々な疾病リスクを低下し、子どもの「感染症」「白血病」のリスクを低下し、子どもの「2型糖尿病」のリスクを下げる可能性があります。
母乳の赤ちゃんへのメリット
母乳を与えることで、赤ちゃんに様々なメリットがあります。
第1に、母乳中には「糖分」「タンパク質」「脂質」など様々な栄養成分が含まれており、赤ちゃんに必要な栄養が補給されます。
第2に、母乳中には「タンパク質」「免疫物質」が含まれており、赤ちゃんの免疫獲得をサポートします。
最後に、母乳を与えるという行為そのものによって、赤ちゃんは母親に対して安心感を抱き、母と子のスキンシップとなります。
母乳の母体へのメリット
母乳を与えることで、母親にも様々なメリットがあります。
第1に、母乳を与えるときの乳頭への刺激によって、「子宮復古」が促されます。
乳頭刺激によって脳から「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。すると、妊娠出産で大きくなった子宮を収縮して元の大きさに戻ること(子宮復古)を促してくれます。
第2に、母乳を与えることによって、ミルク代がかからないです。
最後に、母乳を与えるという行為そのものによって、母親になったことを自覚し、赤ちゃんへの愛情を抱くようになり、母性を育むことになります。
母乳栄養の注意点
母乳栄養には様々なメリットがありますが、注意すべき点もあります。
具体的にいう「一部栄養が不足」「母乳性黄疸」「乳房トラブル」「母子感染症」「くすりの母乳移行」などあります。
母乳栄養で注意すべきこと、不安なことがあれば、かかりつけの医師・助産師などの相談するようにしましょう。
健康のための行動2.妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群・巨大児出産の経験がある人は、将来の疾病に注意しましょう。
妊娠糖尿病
「妊娠糖尿病」と診断された場合には、今後「糖尿病」や「循環器疾患」のリスクが増加します。
「妊娠糖尿病」は、妊娠中に発見された糖尿病、もしくは妊娠してから発症した血糖異常をみとめる病気のことです。妊娠すると、胎盤から分泌されるホルモンのはたらきによって、血糖が上がりやすい状態となります。血糖が一定の基準を超えると「妊娠糖尿病」と診断されます。
「妊娠糖尿病」と診断された場合には、「糖尿病」や「循環器疾患」のリスクが増加するので、定期的な健康診断などをオススメします。
妊娠高血圧症候群
「妊娠高血圧症候群」と診断された場合には、今後「糖尿病」や「循環器疾患」のリスクが増加します。
「妊娠高血圧症候群」は、妊娠20週から出産後12週までの間に、血圧が上がった状態となる病気のことです。妊娠すると、体の血液の量が増加したり、胎盤を通じてお腹の中の赤ちゃんに酸素や栄養を運ぶために、血圧が変化しやすい状態となります。血圧が一定の基準を超えると「妊娠高血圧症候群」と診断されます。
「妊娠高血圧症候群」と診断された場合には、「糖尿病」や「循環器疾患」のリスクが増加するので、定期的な健康診断などをオススメします。
巨大児出産の経験
「巨大児」の出産経験があると、今後の「糖尿病」のリスクが増加します。
「巨大児」とは、出生体重が4000g以上の子どものことです。巨大児の出産は、さきほど説明した「妊娠糖尿病」と関わっている場合が多いです。
とくに「インスリン」という血糖を下げるホルモンが効きにくい状態となると、血糖が上がりやすく「糖尿病」や「妊娠糖尿病」につながります。さらに「インスリン」の量が増えると、お腹の中の赤ちゃんは大きく育ってしまい、「巨大児」につながります。つまり、「糖尿病」や「妊娠糖尿病」と「巨大児」は関係しているのです。
「巨大児」の出産経験がある場合には、「糖尿病」のリスクが増加するので、定期的な健康診断などをオススメします。
健康のための行動3.早産や低出生体重で生まれた人は、将来の疾病に注意しましょう。
早産
「早産」で生まれた人は、成人期の「循環器疾患」「糖尿病」「慢性腎臓病」「統合失調症」のリスクが増加します。
「早産」とは、「妊娠22週から妊娠37週未満」に生まれることをいいます。なお、「妊娠37週から41週まで」に生まれることを「正期産」とよばれます。
早産で生まれた子どもは体の臓器が未熟な場合があり、出産後に合併症が起こりやすいです。さらに、大人に育った後にも、健康への影響がおよぶことが最近の研究で知られるようになってきました。
「早産」で生まれた人は、成人期の「循環器疾患」「糖尿病」「慢性腎臓病」「統合失調症」のリスクが増加するため注意するようにしましょう。
低出生体重
「低出生体重」で生まれた人は、成人期の「循環器疾患」「糖尿病」「慢性腎臓病」「統合失調症」のリスクが増加します。
「低出生体重」とは、「出生体重が2500g未満」のことをいいます。「低出生体重」は先ほど説明した「早産」で生まれた赤ちゃんがほとんどですが、「正期産」にも関わらず「低出生体重」の赤ちゃんもいます。
妊娠中の栄養状態によって、「低出生体重」につながり、さらに大人に育った後にも、健康への影響がおよぶことが以前から知られていました。
「低出生体重」で生まれた人は、成人期の「循環器疾患」「糖尿病」「慢性腎臓病」「統合失調症」のリスクが増加するため注意するようにしましょう。
まとめ
(健康のための具体的行動)
1.出産後初期は、なるべく母乳を与えましょう。
2.妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群・巨大児出産の経験がある人は、将来の疾病に注意しましょう。
3.早産や低出生体重で生まれた人は、将来の疾病に注意しましょう。
みなさんにとって「健康」というものがとても大切です。
しかし、普段の忙しい日常の中で、「自分のからだ」や「健康」について意識する機会はそう多くはないかと思います。
病気をしたときに、はじめて今まで「健康」で過ごせたことがありがたいを感じるようになる人が多いです。そして、病気をしたときには手遅れになっていることもあります。
「健康」である今、健康について考えておくことが必要なのです。
「健康」であることが、「仕事」「家事」「育児」「介護」「遊び」などすべての活動をおこなう上で前提となります。
「健康」であることが、何よりも大切なのです。
人生100年時代です!
長い人生をよりよく生きるために、「健康」について改めて考えてみてはいかがでしょう。
この記事によって、「成育歴・育児歴と健康」についての理解が深まり、一人でも多くの人が健康的に日々の生活を送ることを願っています。
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