結論ですが
「胎動が少ない」「胎動をまったく感じない」場合には、かかりつけに連絡して受診の相談をしましょう。
この記事は妊婦さん向けに書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。
この記事を読むことで「胎動」についてわかります。
今回は「胎動」について説明していきたいと思います。
この記事のまとめ
- 「胎動」とはおなかの中の赤ちゃんの動きのことで、赤ちゃんの元気さを反映します。
- 胎動が少ない場合には、エコーやモニター検査で赤ちゃんが元気かどうか確認します。
- 「胎動カウントを用いることで死産率が低下する」という報告があります。
そもそも胎動って何ですか?
おなかの中の赤ちゃんの動きを「胎動」(たいどう)といいます。
胎動は赤ちゃんの元気さを反映します。
赤ちゃんは、母親のおなかの中でいろいろな動きをします。
たとえば…
- 手足をむずむず動かしたり
- キックやパンチをしたり
- からだをよじったり
- ぐるっと回転したり
- しゃっくりをしたり
などのさまざまな動きをします。
これらの赤ちゃんの動きを「胎動」というかたちで感じることになります。胎動がしっかりとあるということは、赤ちゃんが元気である証拠でもあります。
胎動が少ない場合には
胎動が少ない場合は、赤ちゃんが元気に動いておらず赤ちゃんの具合が悪いサインであることがあります。いつもとくらべて胎動が少ない場合には、かかりつけに連絡して受診を相談するようにしましょう。そして、診察を受けて赤ちゃんが元気かどうか確認していただきましょう。
胎動が少ないときの検査
胎動が少ない場合は、赤ちゃんの元気さ具合を評価します。
具体的には、「エコー検査」をおこなったり、「モニター」をおなかにつける検査などおこないます。
エコー検査
おなかにエコーを当てて、「赤ちゃん」やそのまわりの「羊水」「へその緒」「胎盤」などを検査します。
「赤ちゃんの動き」「赤ちゃんの血流」「羊水量」などを検査して、赤ちゃんの元気さ具合を評価します。また、「胎盤」が剥がれているサインがないかも確認します。
モニター(胎児心拍陣痛図)
おなかに「赤ちゃんの心拍」と「おなかのハリ(陣痛)」を計測するモニターをつけます。時間を追って赤ちゃんの心拍の変化をみることで、赤ちゃんの元気さ具合を評価します。
また、おなかが張っているか、張っていればハリと赤ちゃん心拍の関係性がどうか、陣痛はきているかなどもあわせて評価します。
胎動が自然に少なくなることもあります
赤ちゃんの睡眠
赤ちゃんはおなかの中で、起きたり寝たりを繰り返しています。
おおよそ20-30分という短い周期で、起きたり寝たりを繰り返していると言われています。もちろん寝ている時間は胎動が減ります。
胎動を感じはじめる時期
お腹の中で赤ちゃんが大きくなっていくと、胎動を感じはじめるようになってきます。胎動を感じはじめる時期は個人差がありますが、だいたい妊娠20週くらいが目安になります。
赤ちゃんの体勢によっては「胎動」を感じやすかったり、逆に感じにくくなったりします。胎動を感じはじめる時期では、胎動が少なくなった場合、赤ちゃんの体勢がかわって胎動が感じにくくなっただけということが多いです。
分娩が近い場合
本格的な分娩になるときに、赤ちゃんの頭が母親の骨盤にはまります。
赤ちゃんの頭がはまると胎動は自然と減ります。ただし、この場合は赤ちゃんの動きがなくなるといわけではなく、あくまで赤ちゃんの動きはあるが胎動として感じにくくなるためです。胎動が減るように感じますが、まったく感じないということはありません。
胎動減少と赤ちゃんの異常
胎動が少なくなった場合、赤ちゃんの具合が悪くなっている「胎児機能不全」の可能性があります。その場合は、帝王切開などによって早めに赤ちゃんを出す必要があります。
とくに「常位胎盤早期剥離」というおそろしい疾患があるのですが、「胎動減少」はそのサインの一つとして現れることがあります。
また、「胎動減少」は、赤ちゃんの「腹痛をともなう疾患」(絞扼性イレウス・腸重積・腸管破裂・胎便性腹膜炎など)「胎児神経筋疾患」「胎児貧血」との関連性が報告されています。
胎動カウントをおこなってみましょう
妊婦さんがご自身で胎動を評価できる方法として「胎動カウント」というものがあります。これは、胎動を感じたら、妊婦さんご自身で記録に残して胎動を評価するというものです。
具体的な方法はおもに以下の2つがあります。
時間内カウント法
ある一定時間の内に胎動を感じた回数を記録する方法です。
カウントする胎動が少ないほど、胎動は少ないと判断されます。
10回胎動カウント法(count to ten)
胎動を10回感じるまでに要した時間を記録する方法です。
時間がかかるほど、胎動は少ないと判断されます。10回の胎動をカウントするまでの平均時間は、妊娠末期で20-40分程度です。
簡便な方法のため、この「10回胎動カウント法」を用いることがおおいです。
胎動カウントの効果
「胎動カウントを用いることで死産率が低下する」という報告があります。理由に関していうと賛否両論あります。
理論的には、「胎動が少なくなったときに受診していただき、赤ちゃんが具合が悪い状態が早期に発見できて、早期治療につながる」ということが考えられます。
しかし、実際にしらべてみると、そのような結果にはならなかったのです。
そして未だに、「胎動カウントを用いることで死産率が低下する」原因がはっきりとわかっていません。
ただ、胎動カウントをおこなうことによって…
- 妊婦さんが自分自身と赤ちゃんの健康に対して注意深くなる
- 妊婦さんと赤ちゃんとのきずなが強まる
- 妊婦さんと医師ふくめ医療スタッフとのコミュニケーションが円滑になる
などの効果があります。
いろいろと議論がつきない「胎動カウント」ですが、
「胎動カウントを用いることで死産率が低下する」という事実はあるので、ぜひとも試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
赤ちゃんはおなかの中でさまざまな動きをします。
「胎動」とはおなかの中の赤ちゃんの動きのことで、赤ちゃんの元気さを反映します。
胎動が少ない場合には赤ちゃんの具合が悪い可能性があり、エコーやモニター検査で赤ちゃんが元気かどうか確認します。
「胎動カウントを用いることで死産率が低下する」という報告があります。
そして一番重要な点ですが
「胎動が少ない」「胎動をまったく感じない」場合には、かかりつけに連絡して受診の相談をしましょう。
お腹の中の赤ちゃんが動くことは、元気さ証拠であります。
赤ちゃんが元気に動いているのを確認すると産婦人科医の立場からすると安心します。
ただ、妊婦さんの立場からすると、赤ちゃんが大きくなって胎動が激し過ぎると、「お腹が痛かったり」「圧迫されて具合悪くなったり」「夜眠れなかったり」としんどい思いをすることも多々あります。
「赤ちゃんが元気過ぎてしんどい」という何ともいえない状態になります。
また、胎動を感じるはじめると、妊娠している実感が湧いてくることが多いです。胎動によって、お腹の中の赤ちゃんとコミュニケーションをとるという楽しみも増えます。
この記事によって「胎動」への理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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