結論ですが
「エストロゲンの低下」によって「更年期症状」だけでなく「さまざまな体への影響」が出てきます。
この記事は「健康に関心のある40代から50代の」女性向けに書いています。
この記事を読むことで「更年期のからだの変化」がわかります。
40代から50代にかけての女性で、
「わたし更年期障害なのかも…」
「これって更年期障害なの!?」
とおもって悩んでいる人も多いかと思います。
ちなみに、日本人の「閉経」の年齢は、平均で50歳前後です。
その前後約5年間を「更年期」とよばれています。
女性ホルモンである「エストロゲン」が低下していくことで「閉経」になっていきます。
その「エストロゲンの低下」によって、40代から50代にかけての「更年期の時期」にさまざまな症状や体への影響をきたすことになります。
今回は「エストロゲン低下による体への影響」について説明していきたいと思います。
この記事のまとめ
- エストロゲン低下によって「更年期症状」をきたします。
- エストロゲン低下によって「骨」への影響をきたします。
- エストロゲン低下によって「血管」への影響をきたします。
エストロゲン低下による更年期症状
閉経前後の約5年間の「更年期」において、エストロゲンは低下していきます。
エストロゲンの低下によってさまざまな症状を呈し「更年期症状」とよばれます。
自律神経症状
エストロゲン低下によってさまざまな「自律神経症状」を呈します。
自律神経には体温調整する役割があります。
それが障害されることによって「Hot flush」とよばれる「のぼせ」「ほてり」「発汗」などの症状がきたします。
とくに「のぼせ」は特徴的な症状であり、40-85%程度の女性が経験すると言われています。
ほか、体温調整がうまくいかず「手足の冷え」や「暑く」感じたりします。
自律神経には心拍数を調整する役割もあります。
それが障害されることによって、心拍数が上昇し「動悸」などの症状をきたします。
精神神経症状
エストロゲン低下によって「精神神経症状」を呈します。
感情のコントロールがつかず「怒りやすい」「ゆううつな感じ」「焦ってしまう感じ」などおこります。また、「夜ねむれない」「途中でおきてしまう」などの睡眠障害をきたすこともあります。
運動器症状
エストロゲン低下によって「運動器症状」を呈します。
エストロゲンにはコラーゲンをつくるはたらきがあります。
エストロゲンが低下することによって、コラーゲンを含む「骨軟骨」が障害され「腰痛」「関節痛」「肩こり」などの症状をきたします。
消化器症状
エストロゲン低下によって「消化器症状」を呈します。
「吐き気」「食欲不振」などの症状をきたします。
その他
エストロゲン低下によって他にもさまざまな症状を呈します。
「疲労しやすい」「おしっこのときの症状」「外陰部の違和感」「性交のときに痛む」などの症状をきたします。
エストロゲン低下による「骨」への影響
エストロゲンは「骨」の健康にも影響しています。
エストロゲンの低下によって「骨量」が低下し「骨粗しょう症」となってしまいます。
骨粗しょう症になってしまうと、骨折しやすくなります。
健康な人であれば大丈夫なダメージでも、骨粗しょう症では骨折してしまうことがおこります。
とくに、骨粗しょう症の人が転んでしまうと、ふとももの付け根の骨「大腿骨頸部骨折」や背骨「圧迫骨折」がおこることが多いです。
そうなると、「体を動かせない」→「筋力が低下する」→「さらに体を動かせなくなる」→筋力が低下する」→…の負のループに陥ることになります。
最悪、「寝たきり」の状態となってしまうこともあります。
転んでしまうだけで「寝たきり」状態になるなんてこわいですね。
エストロゲンは骨の健康にも影響しているのです。
エストロゲン低下による「血管」への影響
エストロゲンは「血管」の健康にも影響しています。
エストロゲンはコラーゲンをつくるはたらきがあります。
血管の壁にはコラーゲンがふくまれており、血管の弾力性が保たれています。
エストロゲンの低下によって、血管の弾力性は低下し血管の動脈硬化が進みやすくなります。
するとどうなるかというと、血管がもろくなってしまい瘤を作って破れてしまったり、血管内が狭くなったり、詰まってしまうことがあります。
それが脳の血管で起これば、「脳動脈瘤」「脳出血」「脳梗塞」などになります。
心臓を栄養している血管(冠動脈といいます)であれば、「狭心症」や「心筋梗塞」を引き起こすことになります。
また、エストロゲンの低下によってコレステロールが上がりやすくなり、「脂質代謝異常症」をきたします。
すると、いわゆるドロドロ血液となり、血管内が狭くなったり、詰まってしまうことがあります。
まとめ
エストロゲンの低下によって、自律神経症状・精神神経症状・運動器症状・消化器症状などさまざまの症状を呈す「更年期症状」をきたします。
エストロゲンの低下によって「骨」への影響をきたします。「骨粗しょう症」になると、軽いダメージでも骨折しやすくなってしまいます。
エストロゲンの低下によって「血管」への影響をきたします。動脈硬化が進みやすくなり、脂質異常症になったりします。そして、血管がもろくなってしまい瘤を作って破れてしまったり、血管内が狭くなったり、詰まってしまうことがあります。
「エストロゲンの低下」によって、自覚症状としてわかる「更年期症状」だけでなく、水面下で「骨」や「血管」などさまざまな体の健康への影響が出てきます。
更年期になったら、症状をコントロールすることにくわえて、「骨」や「血管」の健康状態を検査することも大切になってきます。
いつまでも健康で過ごすひとが一人でも増えることを願っています。
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