結論ですが
ミレーナとは、黄体ホルモンを長期間にわたって放出する子宮内に留置する製剤のことです。
この記事は「生理による症状で悩まされている」女性に向けて書いています。
女性特有の悩み・不安・疑問などが解決できるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「ミレーナ」についてわかります。
月経の量が多かったり、月経の痛みがひどい場合に、婦人科を受診するかと思います。
色々とくすりを飲んだけど、なかなか効果がないということもあります。
そんなときに、今回紹介する「ミレーナ」という製剤が選択肢としてあります。
このミレーナは、子宮の中に挿入することで、効果が発揮されます。
子宮の中に入れるなんてコワイ…
効果は期待できるかしら…
自分にも使えるかしら…
など不安や疑問に思うでしょう。
今回は「ミレーナ」について説明していきます。
この記事のまとめ
- ミレーナとは、黄体ホルモンを長期間にわたって放出する子宮内に留置する製剤のことです。
- ミレーナには、「過多月経」「月経困難症」を改善する効果や、「避妊効果」があります。
- ミレーナを使うときには「挿入する時期」に留意したり、「挿入する前の検査」が必要です。
- ミレーナ挿入後は、「合併症」「症状の改善」「ミレーナの位置」などを確認するようにします。
ミレーナってなんですか?
ミレーナとは、黄体ホルモンを長期間にわたって放出する子宮内に留置する製剤のことです。
黄体ホルモンが子宮内膜に持続的に作用することによって、「月経の量を抑える」「月経の痛みをやわらげる」「避妊」などの効果があります。
ミレーナの効果
過多月経
ミレーナには、月経の量をおさえる作用があり「過多月経」に効果があります。
ミレーナから放出される黄体ホルモンの作用によって子宮内膜が薄くなるため、月経量もおさえられます。すると、過多月経も改善します。
月経困難症
ミレーナには、月経痛などをおさえる作用があり「月経困難症」に効果があります。
ミレーナから放出される黄体ホルモンの作用によって、子宮内膜が薄くなったり、炎症反応を抑えたりする作用があり、月経の痛みをおさえられます。すると、「月経困難症」が改善します。
避妊効果
ミレーナによって避妊効果を得られます。
ミレーナから放出される黄体ホルモンの作用によって子宮内膜が薄くなって受精卵の着床を妨げるからです。また、子宮の入り口の粘膜を変化させて、精子が子宮内に侵入するのを防ぐ効果もあります。
それらの効果によって、妊娠の成立を妨げ、避妊効果を得られるのです。
ミレーナは実際にどのように使いますか?
挿入する時期は?
ミレーナは「月経初日から月経7日目まで」に挿入します。
ただし、月経の量が多いときにミレーナを挿入すると、月経とともにミレーナが出てきてしまう場合もあります。なので、個人的には月経量が少なくなる「月経4日目から月経7日目まで」を目安に挿入するようにしています。
挿入する前の検査は?
ミレーナ挿入前に、「子宮粘液の感染症」「妊娠反応」などの検査をおこないます。
腟内や子宮の入り口に感染症がある場合、ミレーナによって感染を広げてしまう可能性があります。必要があれば、子宮粘液に「クラミジア」「淋菌」「細菌」が感染していないか粘液検査をおこないます。また、妊娠の可能性がある場合には、妊娠検査を必ず行います。
また、「子宮頸がん検診」や「子宮体がん検診」もおこなう場合もあります。
費用は?
ミレーナは、「過多月経」や「月経困難症」に対して使用する場合には保険適応されます。また、「避妊」を目的に使用する場合には自費診療になります。
ミレーナを挿入するときの費用は、保険適応で「おおよそ1-2万円」、自費で「おおよそ4万円」程度かかります。
どのように挿入するのですか?
エコーで子宮の状態を確認してから、クスコ(腟鏡)をかけて子宮の入り口を確認し、ミレーナを子宮の中に挿入します。
まずは、エコーで子宮の中を妨げる病変がないか確認して、ミレーナを挿入できるか確認します。そして、子宮の向きや子宮の長さなどを確認してから、クスコ(腟鏡)をかけて子宮の入り口を確認し、ミレーナを子宮の中に挿入します。
ミレーナ挿入後は?
合併症の確認
ミレーナ挿入によって合併症(よくないこと)が起こっていないか確認します。ミレーナ挿入によって「感染症」「子宮損傷」「異所性妊娠」などの合併症がおこる場合があり、とくに注意が必要です。
ただし、ミレーナ挿入によって一時的に「性器出血」「下腹部痛」「おりもの増える」などの症状がおこることが多いです。これらの症状がずっと持続する場合には、受診をして相談するようにしましょう。
また、月経が遅れる、吐き気・食欲低下などの妊娠を疑う症状がある場合も、受診をして相談するようにしましょう。
症状の改善を確認
ミレーナ挿入によって症状が改善するか確認します。
とくに「過多月経」の場合は、出血量が改善したか、貧血の状態を血液検査などで確認します。また、「月経困難症」の場合には、月経痛が改善したか、痛み止めの使う頻度などを確認します。
ミレーナの位置を確認
ミレーナを挿入した後は、ミレーナの位置がずれたり、自然に抜けてしまうことがあります。
ミレーナを挿入したら、定期的にエコーでミレーナの位置を確認します。エコーで確認しにくい場合は、腹部レントゲン検査でミレーナの位置を確認するようにします。
その他
ミレーナによって合併症が起こった場合には、ミレーナを抜去するようにします。
また、ミレーナの使用期限は「5年間」です。ミレーナを挿入して5年間経ったら、入れ替えるもしくは抜去するようにします。
まとめ
- ミレーナとは、黄体ホルモンを長期間にわたって放出する子宮内に留置する製剤のことです。
- ミレーナには、「過多月経」「月経困難症」を改善する効果や、「避妊効果」があります。
- ミレーナを使うときには「挿入する時期」に留意したり、「挿入する前の検査」が必要です。
- ミレーナ挿入後は、「合併症」「症状の改善」「ミレーナの位置」などを確認するようにします。
月経による症状の悩みは大変です。
月経の量が多かったり、月経の痛みがひどいなど月経の症状で悩んでいる場合には婦人科を受診するようにしましょう。
色々とくすりを飲んだけど、なかなか効果がないということもあります。
そんなときに「ミレーナ」という選択肢があります。
とくに、妊娠出産も終わって、閉経する時期の前に月経による症状がひどくなったときに、ミレーナを留置する場合が多いです。
また、しばらく妊娠・出産を考えていない場合に、避妊目的も期待して使用する場合もあります。
婦人科を受診すれば、月経の症状を改善するため、さまざまな方法を相談することができます。あなたの毎日がより快適になるようにお手伝い出来れば幸いです。
この記事によって「ミレーナ」の理解が深まり、一人でも多くの人の役に立つことを願っています。
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