結論ですが、
腟トリコモナス症は、トリコモナス原虫による感染症のことです。
この記事は「腟トリコモナス症」について心配している人に向けて書いています。
「腟トリコモナス症」に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「腟トリコモナス症」についてわかります。
おりものがいつもと違う!?
陰部がかゆい…
おりものの臭いがきつい!!
このような症状で、婦人科の受診を悩まれることがあるかと思います。
とくに性交渉をした後に、このような症状がおこった場合、
性感染症である「腟トリコモナス症」の可能性があります。
今回は、性感染症である「腟トリコモナス症」について説明したいと思います。
この記事のまとめ
- 腟トリコモナス症は、「トリコモナス原虫」によって引き起こされる感染症のことです。
- 腟トリコモナス症は、「陰部のかゆみ・痛み」「帯下異常」「排尿時痛」などの症状が起こります。
- 腟トリコモナス症は、「腟鏡診」「視診」「おりもの検査」などで診断されます。
- 腟トリコモナス症は、「経口抗生剤」や「腟錠抗生剤」などで治療されます。
- 腟トリコモナス症は、「コンドームの着用」「衣類の共有を控える」「パートナーの治療」などで予防します。
腟トリコモナス症とは
腟トリコモナス症とは
腟トリコモナス症は、「トリコモナス原虫」(Trichomonas vaginalis)によって引き起こされる感染症のことです。
トリコモナス原虫は、洋ナシのような形状をしており、大きさは10-40um程度です。4本の「べん毛」と「波動膜」を使って活発に動き回ります。
感染経路
トリコモナス原虫は、体液や粘膜を介して感染します。
主に「性行為」によって感染しますが、タオル・下着などの「衣類」や、「便器」「浴場」「内診」「検診台」からも感染する可能性があります。
潜伏期
トリコモナスの潜伏期は、女性の場合は「5日から1ヶ月程度」と言われています。
つまり、性行為で「トリコモナス原虫」が感染すると、その「5日から1ヶ月後」に症状が現れてきます。
腟トリコモナス症の症状
陰部のかゆみ・痛み
「トリコモナス原虫」が腟内に感染すると、腟や外陰部に炎症がおこります。
すると、炎症によって腟や外陰部が赤くなったり、腫れたりして、かゆみ・痛みなどの症状が起こります。
帯下異常
「トリコモナス原虫」が腟内に感染すると、帯下異常(おりものの異常)が起こります。
おりものは、「黄色」や「淡い灰色」となり、泡沫状になります。また、悪臭をともなう場合があります。
排尿時痛
「トリコモナス原虫」が膀胱や尿道に感染すると、おしっこの通り道に炎症がおこります。
すると、おしっこをするときに痛みをともなう排尿時痛などの症状が起こります。
腟トリコモナス症の検査
腟鏡診・視診
外陰部や腟内を観察して、炎症の有無やおりものを見て確認します。
まずは、外陰部や腟内を見て「腟トリコモナス症」が疑わしいか判断します。
なお、腟内は「腟鏡」(クスコ)と呼ばれる器械を使って観察します。
おりもの検査
おりものを採取し、顕微鏡で見て、「トリコモナス原虫」がいるか確認します。
「腟トリコモナス症」以外にも、おりものの異常がある時には、おりものを顕微鏡で見る検査が基本的には行われます。
腟トリコモナス症の治療
経口抗生剤
基本的には「メトロニダゾール」や「チニダゾール」という種類の抗生剤の飲み薬で治療を行います。
トリコモナス原虫は、腟内だけでなく、尿路や直腸内にも生息している可能性があります。
なので、原則として全身に効果が発揮する抗生剤の飲み薬が使われます。
腟錠抗生剤
妊娠中などでは、「メトロニダゾール」や「チニダゾール」という種類の抗生剤の腟錠で治療を行います。
妊娠中では、くすりの成分が胎盤を通じてお腹の中の赤ちゃんに影響を与えます。とくに妊娠12週未満の妊婦さんでは、赤ちゃんへの安全性が確認できていないです。
ですので、妊娠中では、全身投与の経口抗生剤ではなく、局所投与の腟錠抗生剤が治療で用いられます。
治療中の飲酒は厳禁です!
治療中は、アルコールによる「おう吐」「紅潮」「腹痛」「頭痛」「動悸」などの症状が助長されます。抗生剤治療中や、治療後3日間程度は、アルコールを摂取しないようにしましょう。
腟トリコモナス症の予防
コンドームの着用
「トリコモナス原虫」は性行為によって感染します。
性感染を予防するために、コンドームを着用するとともに、不特定多数との接触を避けるようにしましょう。
衣類の共有を控える
「トリコモナス原虫」は、まれにタオルの共有や、お風呂に一緒に入ることで感染する場合があります。
とくに感染がわかっている場合には、性交渉を控えることはもちろん、タオルや下着などの「衣類」の共有や一緒にお風呂に入ることは控えましょう。
パートナーの治療
「トリコモナス原虫」は性行為によって感染します。
ご自身が「腟トリコモナス症」だとわかった場合には、パートナーも検査を受けて、治療をするようにしましょう。検査でトリコモナスが確認されない場合にも、疑わしい場合には治療が行われる場合もあります。
まとめ
- 腟トリコモナス症は、「トリコモナス原虫」によって引き起こされる感染症のことです。
- 腟トリコモナス症は、「陰部のかゆみ・痛み」「帯下異常」「排尿時痛」などの症状が起こります。
- 腟トリコモナス症は、「腟鏡診」「視診」「おりもの検査」などで診断されます。
- 腟トリコモナス症は、「経口抗生剤」や「腟錠抗生剤」などで治療されます。
- 腟トリコモナス症は、「コンドームの着用」「衣類の共有を控える」「パートナーの治療」などで予防します。
今回は「腟トリコモナス症」について説明しました。
性行為をしてから「おりもの」がいつもと違う…
秘境の温泉でうつされたかも…
陰部のかゆみ・痛みがつらい!
など「腟トリコモナス症」の感染が心配な場合に、婦人科を受診するかどうか迷ってしまう場合があるかと思います。
勇気を出して婦人科を受診して相談するようにしましょう。
きっとあなたの悩みが解決できます。
この記事によって、「腟トリコモナス症」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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