性感染症【無症状でも要注意!】

結論ですが、
「性感染症」の中には、無症状でも感染している場合があり、疑わしい場合には婦人科を受診して相談しましょう。

この記事は「性感染症」について女性に向けて書いています。
性感染症に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「性感染症」についてわかります。

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このような症状があるときに、自分が「性感染症」なのか心配になり、婦人科を受診しようか悩むことがあるかと思います。
じつは、「性感染症」には、このように症状が出やすいものもあれば、症状が現れにくいものもあります。
無症状であっても、実は「性感染症」(正確には症状がないので「性感染」)であることがわかる場合があります。

今回は、無症状でも気を付けるべき「性感染症」(性感染)について、説明したいと思います。

この記事のまとめ

  • 「性感染症」の中には、「無症状」の場合があり、疑わしい場合には婦人科を受診して相談しましょう。
  • 「性感染症」には、「潜伏期が長い」「無症候性感染」「症状に気付きにくい」などが原因で、無症状の場合があります。
  • とくに「クラミジア」「淋菌」「梅毒」「B型肝炎」「C型肝炎」「HIV」「HPV」などに注意しましょう。

性感染症

おもに性行為によって感染する病気のことを「性感染症」(STI/STD)とよばれます。
厳密には、単に感染するものを「STI」(Sexually Transmitted Infection)、感染して症状を発症することを「STD」(Sexually Transmitted Disease)とよばれます。

性感染症:無症状の原因

「性感染症」(性感染)には、「潜伏期が長い」「無症候性感染」「症状に気付きにくい」などの原因で、症状を自覚しない場合があります。
つまり、無症状で過ごしているけれど、じつは「性感染症」(性感染)にかかっている場合があります。
その原因について順にみていきましょう。

潜伏期が長い

病原体が感染してから発症までの期間を「潜伏期」とよばれます。

「潜伏期」は基本的に無症状であります。そこで病原体が増殖して、われわれの体内に侵入してきて発症するのです。
潜伏期が長い性感染症で有名なのが「HIV」(潜伏期約10年)です。
他にも、「B型肝炎」(潜伏期約3ヶ月)、「C型肝炎」(潜伏期約2週間~6ヶ月)、「梅毒」(潜伏期約3週間)などがあります。

無症候性感染

病原体が感染していても、発症しないでいることを「無症候性感染」とよばれます。

さきほど説明した「潜伏期」も、「無症候性感染」に入ります。
「無症候性感染」には、それ以外にも、一度発症して、症状が落ち着いた後も、実は病原体が感染して潜んでいる場合もあります。
有名なものに「ヘルペスウイルス」があります。「ヘルペスウイルス」は、一度感染すると症状が落ち着いた後も体内の神経節に潜みます。そして、免疫力が低下したときに再度症状が起こるという特徴があるのです。

症状に気づきにくい

「性感染症」にかかっていて症状があっても、気づきにくい場合があります。

たとえば、「軽い腹痛」「帯下異常」などの症状では、症状が軽く、生活に支障を来たすことがないため症状に気づかないことがあります。仮に症状に気づいたとしても、放置されるケースも多いです。
また、「不妊症」では、実際に子ども作りをしてみないとわからないため、症状に気づかないで過ごすケースが多いです。
有名なものに「クラミジア」や「淋菌」があります。いずれも、「子宮頸管炎」から感染が広がり「発熱」「腹痛」などの症状を来たし、「不妊症」につながることもあります。
女性の場合、症状が軽度の場合も多く、症状に気づかないことがあります。

性感染症:無症状でも注意すべきもの

繰り返しですが、無症状で過ごしているけれど、じつは「性感染症」(性感染)にかかっている場合があります。
では、具体的にはどのような「性感染症」があるのか疑問に思うことでしょう。
ここでは、無症状でも注意すべき「性感染症」を順にみていきましょう。

性感染症1:クラミジア

「クラミジア」にはいくつか種類がありますが、「クラミジア・トラコマティス」というタイプがあります。主に「性行為」によって感染をおこし「性器クラミジア感染症」となります。
無症状のことが多いですが、「子宮頸管炎」から感染が広がり「発熱」「腹痛」などの症状を来たします。また、「不妊症」につながることもあります。

さらに、オーラルセックスによって口の中に感染すると「咽頭痛」「扁桃炎」など感冒症状を呈します。
「クラミジア」は、「おりもの」や「のど」をぬぐう検査をしたり、「血液検査」で抗体を調べます。

性感染症2:淋菌

「淋菌」は「ナイセリア・ゴノレア」という細菌が原因の感染症であり、主に「性行為」によって感染します。
男性では「尿道炎」から「排尿痛」や「膿尿」などの症状が起こります。

女性では無症状のことが多いですが、「子宮頸管炎」から感染が広がり「発熱」「腹痛」などの症状を来たします。また、「不妊症」につながることもあります。

さらに、オーラルセックスによって口の中に感染すると「咽頭痛」「扁桃炎」など感冒症状を呈します。
「淋菌」は、「おりもの」や「のど」をぬぐう検査をします。

性感染症3:梅毒

「梅毒」は、「梅毒トレポネーマ」という病原体が原因の感染症です。
おもに性行為(セックス・オーラルセックス・アナルセックスなど)の際に、血液・精液・腟分泌液などの体液を介して感染します。

梅毒の症状は、「性器」や「全身の皮膚」にできものが出来るのが特徴であり、感染してからの時期によって現れる症状の特徴があり「1期」から「4期」まであります。

「梅毒」は「血液検査」や「視診」(皮膚のできものを見る)で調べます。

性感染症4:B型肝炎ウイルス

「B型肝炎ウイルス」は、その名の通り肝炎を引き起こすウイルスです。

血液を介して感染し、「性行為」や「輸血」「いれずみ」「分娩時」などが主な感染経路になります。
「B型肝炎」の潜伏期は「約3ヶ月」であり、基本的には無症状ですが「慢性肝炎」から「肝硬変」「肝がん」につながる可能性があります。

「B型肝炎ウイルス」は「血液検査」で調べます。

性感染症5:C型肝炎ウイルス

「C型肝炎ウイルス」は、B型肝炎と同じように肝炎を引き起こすウイルスです。

血液を介して感染し、「性行為」や「輸血」「いれずみ」「分娩時」などが主な感染経路になります。
「C型肝炎」の潜伏期は「約2週間~6ヶ月」であり、基本的には無症状ですが、「慢性肝炎」から「肝硬変」「肝がん」につながる可能性があります。

「C型肝炎ウイルス」は「血液検査」で調べます。

性感染症6:HIV

「HIV」とは、「Human Immunodeficiency Virus」(ヒト免疫不全ウイルス)のことで、免疫細胞に感染するウイルスです。
血液や体液を介して感染し、「性行為」や分娩・授乳の時の「母子感染」などが主な感染経路になります。
感染して間もない時期には「発熱」「リンパ節の腫れ」「のどの痛み」「皮疹」「筋肉痛」「下痢」などの症状が見られます。その後、症状がない「無症候期」を経て、「エイズ発症期」となり、免疫不全状態からさまざまな感染症にかかるようになります。
「HIV」は「血液検査」で調べます。自治体で無料で行っている所もあります。

性感染症7:HPV

「HPV」とは、「Human Palilloma Virus」(ヒトパピローマウイルス)のことで、イボをつくるウイルスのことです。おもに性行為によって感染します。
「HPV」にはさまざまな種類があり、形成される病変に名前が付いています。

たとえば、「HPV16・18・31・52・58型」などのハイリスク型のHPVによって「子宮頸がん」、「HPV6・11」では「尖圭コンジローマ」、「HPV2・4」では「尋常性疣贅」(じんじょうせいゆうぜい)、「HPV3・10」では「青年性扁平疣贅」などが挙げられます。さらに、ハイリスク型のHPVによって「外陰がん」「肛門がん」「直腸がん」「咽頭がん」など引き起こります。

「子宮頸がん」のほとんどは「HPV」による感染が原因であり、初期には症状が現れにくいという特徴があります。
「HPVワクチン」と「定期的ながん検診」で子宮頸がんを予防することが出来るので、是非とも受けるようにしましょう。

まとめ

  • 「性感染症」の中には、「無症状」の場合があり、疑わしい場合には婦人科を受診して相談しましょう。
  • 「性感染症」には、「潜伏期が長い」「無症候性感染」「症状に気付きにくい」などが原因で、無症状の場合があります。
  • とくに「クラミジア」「淋菌」「梅毒」「B型肝炎」「C型肝炎」「HIV」「HPV」などに注意しましょう。

今回は「性感染症」について説明しました。
もし、症状がなくても…

パートナーが「性感染症」だとわかった場合
性行為を仕事で行っている人
なんとなく性感染が心配な場合

など性感染症が心配な場合には、婦人科を受診して相談するようにしましょう。

婦人科を受診するかどうか迷ってしまう場合があるかと思いますが、
勇気を出して婦人科を受診して相談するようにしましょう。

きっとあなたの悩みが解決できます。
婦人科はあなたの味方です。

性感染症の種類によっては、放っておくと不妊症につながる場合もあります。
心配であれば、早めに受診するようにしましょう。

この記事によって、「性感染症」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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