予期せぬ妊娠の男性側への影響【研究報告】

結論ですが

予期せぬ妊娠により父親となった男性は、予定された妊娠により父親となった男性と比べて、メンタルヘルスの問題が発生するリスクが高くなるという研究結果があります。

この記事は「健康に関することに関心のあるヒト」に向けて書いています。
健康に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「予期せぬ妊娠の男性側への影響」についてわかります。

予期せぬ妊娠をしましたが、男性側へのメンタルの影響はどのようですか？

このような疑問にお答えします。

ということで、今回は「予期せぬ妊娠の男性側への影響」について説明していきます。

この記事のまとめ

1.研究内容

これは、オーストラリアのディーキン大学らの研究グループが実施したものです。
予期せぬ妊娠により父親となった男性と、予定された妊娠により父親となった男性の

メンタルヘルスを比較しています。

研究グループは、生後36カ月までの子を持つ父親のメンタルヘルスを評価した研究23件8085例のシステマチックレビューとメタ解析を実施しました。
メンタルヘルスの問題として、うつ病・不安・ストレス・PTSD (心的外傷後ストレス障害)・アルコール乱用・育児ストレス・うつ病と不安の複合などが含まれています。
これらのメンタルヘルスの問題が発生するリスクは、予定された妊娠により父親となった男性と比べて、予期せぬ妊娠により父親となった男性においてオッズ比が「2.28」と有意に高くなりました。
また、うつ病に限定した解析でも、予期せぬ妊娠によって父親になった男性はオッズ比が「2.36」と有意なリスク上昇が認められたということです。

研究グループは、別の論文での調査で

予期せぬ妊娠により母親になった女性が、予定された妊娠により母親になった女性と比べ

てうつ病リスクのオッズ比が「1.53」になったことを挙げ、この論文のオッズ比と比べると、

母親よりも父親の方が予期せぬ妊娠によるうつ病リスクが高くなると示唆しています。
研究グループは「父親のメンタルヘルスは母親のメンタルヘルスやパートナーとの関係、親

子の絆、子の発達にも影響を及ぼすにもかかわらず、大部分の国では男性を対象にしたル

ーチンの周産期うつ病スクリーニングは行われていない」と指摘し、「出産前後のメンタ

ルヘルスのスクリーニングは両親ともに必要」と提言しています。