結論ですが
尿失禁とは、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことです。
この記事は「症状で悩んでいる」女性に向けて書いています。
女性特有の症状の悩みが解決できればと思っています
この記事を読むことで「尿失禁」についてわかります。
- おしっこが近いです!
- トイレまで我慢できないです!!
- おしっこが終わったあとにチョロっと!?
このような症状で悩んでいるときには「尿失禁」である可能性があります。
おしっこの悩みは、なかなか人に相談できないかと思います。
ひとりで抱え込んでしまっている場合も多いです。
「尿失禁」と診断された場合は、どうすればいいの?
この疑問にお答えします。
今回は「尿失禁」について説明していきたいと思います。
この記事のまとめ
- 尿失禁とは、「自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうこと」をいいます。
- 尿失禁には、「腹圧性尿失禁」「切迫性尿失禁」「溢流性尿失禁」「機能性尿失禁」などの種類があります。
- 尿失禁では「排尿日誌」「尿検査」「内診」「膀胱・尿道内圧測定」「残尿測定」「チェーン膀胱造影検査」「Padテスト」などの検査をします。
- 尿失禁は「骨盤底筋体操」「くすり」「行動療法」「手術」などの治療がおこなわれます。
尿失禁ってなんですか?
「尿もれ」のことを、医学的に「尿失禁」とよばれます。
尿失禁とは、「自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうこと」をいいます。40歳以上の女性の10人に4人以上が、尿失禁に悩んでいると言われております。
「尿もれ」「尿の回数が多い」「おしっこがすっきり出ない」などおしっこの症状で困っている場合には、信頼できる専門医を受診して相談するようにしましょう。
なかなか、おしっこの症状は恥ずかしいかもしれませんが、勇気を出して受診するようにしましょう。
尿失禁はどんな種類がありますか?
腹圧性尿失禁
お腹に力が入ったときに尿がもれてしまうことを「腹圧性尿失禁」とよばれます。
たとえば、「重い荷物を持ち上げたとき」「せき・くしゃみをしたとき」「走ったり、跳んだりしたとき」など、お腹に力が入ったときに尿がもれてしまいます。これは、おもに「骨盤底筋」という筋肉の筋力が低下してしまったことが原因となります。
切迫性尿失禁
急におしっこがしたくなって、我慢できずに尿がもれてしまうことを「切迫性尿失禁」とよばれます。
おしっこは、膀胱が広がり、膀胱の中にたまっていきます。そして、膀胱が縮むことでおしっこが外に出て排出されます。
「おしっこをためたり出すこと」は脳からの指令ではコントロールされています。しかし、脳の血管障害や原因不明だけど、そのコントロールがうまくいかなくなる場合があります。また、女性では「膀胱瘤」「子宮脱」などの骨盤臓器脱、男性では「前立腺肥大症」なども切迫性尿失禁の原因となります。
溢流性尿失禁
自分でおしっこを出したいのに少しずつおしっこが漏れてしまうことを「溢流性(いつりゅうせい)尿失禁」とよばれます。
おしっこが出にくくなる「排尿障害」が必ずあります。女性であれば、子宮や直腸のがんの手術によって「おしっこを司る神経」にダメージが加わった場合によくみとめられます。男性であれば「前立腺肥大症」があります。
機能性尿失禁
おしっこの機能は正常にもかかわらず、身体運動機能の低下や認知機能障害などが原因でおこる尿もれのことを「機能性尿失禁」といいます。
たとえば、
足・腰などが悪くうまく歩くことができないためにトイレに間に合わない!
認知機能障害のためにトイレでおしっこすることが出来ない!?
などのケースがあります。
尿失禁の検査は?
排尿日誌
ご自身で、数日間のおしっこの状態を記録してもらいます。
「1日の排尿回数」「1回の排尿量」「尿意切迫感」などを記録します。
排尿障害の原因を推定することや、おしっこの症状でどの程度生活に支障が来しているのか重症度が判断できます。
尿検査
おしっこの成分を検査して、感染症の可能性がないか調べます。
内診
骨盤臓器脱がないか、咳などをして腹圧をかけて尿漏れがないかどうか、尿道の動きなどを診察します。
膀胱・尿道内圧測定
尿道から膀胱に「カテーテル」(細長い管)を挿入し、その管から水を少しずつ入れて、おしっこをためる時やおしっこする時の膀胱や尿道の圧力を測定します。
残尿測定
おしっこした後に、膀胱の中におしっこがどの程度残っているのか検査します。
チェーン膀胱造影検査
膀胱にチェーンのついた「カテーテル」(細長い管)を挿入し、造影剤を注入します。膀胱の出口付近の広がり具合や、膀胱と尿道の角度などを検査します。
Padテスト
水分をとった後に、60分間決められた動作や運動をおこないます。
検査前後のパッドの重さを測定して、尿失禁の重症度を評価します。
尿失禁の治療は?
骨盤底筋体操
骨盤底筋体操では、尿道のまわりの「外尿道括約筋」や「骨盤底筋群」を鍛えます。
「軽い腹圧性尿失禁」は骨盤底筋体操によって改善効果が期待できます。
肥満の方や、最近急に太った方には減量が有効なことがあります。
くすり
「抗コリン薬」「β3(ベータスリー)作動薬」などのくすりを使用します。
とくに「切迫性尿失禁」に対して改善効果が期待できます。
行動療法
日常生活を工夫することで尿失禁が改善することがあります。
たとえば、「飲水コントロール」(摂取する水分をコントロ-ルする)、「膀胱訓練」(尿意があっても少しガマンする)、「骨盤底筋体操」をするなどおこないます。
手術
メッシュテープを尿道の下を通して尿道を支えるようにする「TVT(Trans Vaginal Tape)手術」や「TOT(Trans Obturator Tape)手術」などがおこなわれます。
「骨盤底筋体操」や「くすり」などの保存的な治療では改善しない場合に、手術が行われる流れとなります。
まとめ
- 尿失禁とは、「自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうこと」をいいます。
- 尿失禁には、「腹圧性尿失禁」「切迫性尿失禁」「溢流性尿失禁」「機能性尿失禁」などの種類があります。
- 尿失禁では「排尿日誌」「尿検査」「内診」「膀胱・尿道内圧測定」「残尿測定」「チェーン膀胱造影検査」「Padテスト」などの検査をします。
- 尿失禁は「骨盤底筋体操」「くすり」「行動療法」「手術」などの治療がおこなわれます。
尿漏れで困っている場合、どうすればいいのかわからないかと思います。
とくに日常生活に支障が出てくる場合や、症状がひどくて困っている場合には、専門医を受診するようにしましょう。
女性であれば、婦人科や泌尿器で、男性であれば泌尿器科で相談するようにしましょう。
ただし、婦人科でも排尿障害を診察することが出来ない場合もあるので、事前に調べておくと良いでしょう。
婦人科の受診は、ためらわれる人が多いかと思います。
女性のデリケートな部位の診察になるので、受診のハードルは高いかと思います。
おしっこの症状で悩んでいる場合には勇気をもって受診するようにしましょう。婦人科は困った人の味方です。
この記事によって「尿失禁」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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