子宮留膿腫について【婦人科の病気】

結論ですが、

子宮留膿腫とは、子宮の中に感染を起こし、膿がたまる病気をいいます。

この記事は「婦人科の病気に関して疑問がある人」に向けて書いています。
病気に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「子宮留膿腫」についてわかります。

子宮留膿腫ってなんですか?

このような疑問にお答えします。

おりものが多い
発熱している
お腹が痛い

このような悩みで産婦人科を受診したときに「子宮留膿腫」と判明することがあります。

では、子宮留膿腫ってなんですか??

ということで、今回は「子宮留膿腫」について説明します。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

この記事のまとめ

子宮留膿腫とは

子宮留膿腫とは、子宮の中に感染を起こし、膿がたまる病気をいいます。
外陰部から子宮の中にかけて細菌が流入して起こると考えられます。

なお、子宮留膿腫は閉経後の女性に多い病気です。
閉経することで子宮内から定期的に内容物が排出されなくなったり、加齢による免疫力低下が原因となります。
とくに、介護が必要な高齢の女性の場合、介護用のオムツやパンツが清潔に保たれず、外陰部から腟内、子宮内へと感染が広がり子宮留膿腫が起こるとされています。
他にも、子宮のがん(悪性腫瘍)や、まれですが結核の子宮内膜炎が原因で子宮留膿腫を発症する場合もあります。

子宮留膿腫の症状

子宮留膿腫の症状として、帯下異常、不正出血、発熱、腹痛などがあります。

子宮留膿腫で最も多い症状は帯下(おりもの)の異常です。
正常な帯下は透明または半透明の液体ですが、子宮留膿腫になると膿が混ざり黄色または黄緑色を帯びてきます。
次に多い症状は不正出血です。
子宮留膿腫は閉経後の女性に多く見られますが、閉経後の不正出血は子宮に何らかの異常がある場合が多く、子宮留膿腫が原因となることもあります。
子宮留膿腫が重度になると、発熱・悪寒・腹痛などの症状が起こります。はじめは微熱だったが高熱になり全身状態が悪化する場合には早急に治療が必要となる場合があります。

子宮留膿腫の治療

ドレナージ

子宮留膿腫の治療として、子宮内ドレナージがあります。

子宮内ドレナージは、子宮内にたまった膿を排出する処置です。
子宮の中に細長いチューブであるカテーテルを挿入し、たまった膿を吸引しさらに子宮内部も生理食塩水で洗浄します。先に腟の中を洗浄・消毒する場合もあります。
毎日または隔日など定期的に行い、子宮の中にたまった膿を排出させます。

抗生物質

子宮留膿腫の治療として、抗生物質があります。

子宮留膿腫では、細菌感染によるものが根本的な原因です。
抗生物質の投与によって細菌感染を治療します。
子宮内だけに感染がとどまっている場合には腟内に抗生物質を投与します。
全身に感染が広がっている場合には、抗生物質を内服や注射などで投与するようにします。

手術

子宮留膿腫の治療として、手術があります。

子宮留膿腫は重篤な状態になるまで、ほぼ無症状なケースが多い病気です。
そのため、ある日急激な腹痛と発熱を来たし緊急手術が必要となる場合があります。
お腹の中に感染が広がり、膿がたまっている場合もあります。
高齢女性で妊娠しない年代であれば、感染源となる子宮を摘出する手術が行われます。子宮が摘出できない方であれば、お腹の中を十分に洗浄し、ドレーンというチューブを入れてお腹にたまる膿を体外に排出するようにした上で、抗生物質によって治療します。

まとめ

今回は「子宮留膿腫」について説明しました。

子宮留膿腫になると膿性のおりもの、不正出血、腹痛・発熱・倦怠感などといった症状が出ます。とくに「おりもの」は黄色や黄緑色を帯びて悪臭がするため気づきやすいです。
このような症状が出た場合は早めに婦人科を受診するようにしましょう。

また介護が必要な高齢の女性の場合、介護用のオムツやパンツの汚れから子宮留膿腫となるケースが多いです。汚れた状態が続かないよう周囲の人が気を配る必要があります。

婦人科の受診に抵抗を感じる人も多いでしょうが、勇気をもって受診するようにしましょう。婦人科が困った人の味方です。 

この記事によって「子宮留膿腫」について理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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