婦人科疾患「陰部のかゆみ」【診療の流れ】

結論ですが

陰部のかゆみは「問診」「検査」「治療」という流れで診療が行われます。

この記事は「陰部のかゆみで受診したい」女性に向けて書いています。
婦人科受診への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「陰部のかゆみの診療の流れ」についてわかります。

陰部がかゆいですが、どうすればいいですか?

このような疑問にお答えします。

かゆみによって夜眠れない
掻きむしってしまい皮膚がやばい
かゆみによってイライラしてしまう

このような「陰部のかゆみに関する悩み」があるときに、婦人科を受診しようか悩むことがあるかと思います。

婦人科を受診したいけれど、なかなか勇気が出ないです…

そんな人が、婦人科受診のハードルが少しでも下がるように、実際にどのような診療が行われるのか説明します。

では、今回は当クリニックで行う「陰部のかゆみの診療の流れ」を紹介したいと思います。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

この記事のまとめ

1.問診

症状

陰部のかゆみがいつから起こったのが、いつからなのか、そのきっかけなどを確認します。
とくに、性交渉をきっかけにかゆみが出ることがあります。また、最近新たに薬を使い始めた、生理用品を変えた、環境の変化によるストレスなどがきっかけとして多いです。

既往歴

今までにかかったことのある病気について確認します。
中でも「入院が必要な病気」や「手術を行った病気」があれば記載しましょう。
また、「免疫力が低下する病気」「糖尿病」「肝障害」「腎障害」「自己免疫疾患」などの病気によって陰部のかゆみを来すことがあります。指摘されたことのある場合には伝えるようにしましょう。

服薬歴

普段使用している薬があれば、お薬手帳などで確認します。

とくに、「免疫抑制剤」という種類の薬を使った場合、免疫力が低下し感染症によって陰部のかゆみを来すことがあります。また、「抗生物質」や「糖尿病」のくすりなどでもカンジダ腟症になりやすくなり、陰部のかゆみにつながります。

2.検査

視診・腟鏡診

まずは、陰部のかゆい部分を見て確認します。

具体的にいうと、陰部が炎症で赤く腫れていないか、おりものはどうか、明らかな外傷はないかなど確認します。

おりもの検査

「おりもの検査」では、おりものを採取して顕微鏡で観察することで「カンジダ」や「トリコモナス」など陰部のかゆみを来す病気かどうか検査できます。

また、「クラミジア」「淋菌」「一般細菌」など感染がないか必要に応じて検査がおこなわれます。ただし、結果が出るのに3-4日間程度かかるため、後日結果が判明することになります。

エコー

「エコー検査」では、子宮や卵巣が腫れていないか検査します。

とくに子宮の中に液体がたまっていないか確認します。子宮内に感染を起こして、膿がたまっており、おりものが増えて、陰部がかぶれてしまい、陰部のかゆみにつながることもあります。

3.治療

原因の除去

陰部のかゆみを来たす明らかな原因があれば、それを除去します。

たとえば、接触性皮膚炎では、「下着」「生理用品」「コンドーム」などの「アレルゲン」となる物質が除去します。また、抗生物質など薬が原因の場合は薬を調整したり、ストレスが原因であればリラックスできる時間を増やしたりします。
その他、「免疫力が低下する病気」「糖尿病」「肝障害」「腎障害」「自己免疫疾患」などの原因となる病気があれば治療を行います。

かゆみ止め

陰部のかゆみを抑えるために「かゆみ止め」を使います。
「ステロイド」の塗り薬や「抗アレルギー薬」「抗ヒスタミン薬」の塗り薬や飲み薬などを使います。

女性ホルモン

「萎縮性腟症」による陰部かゆみに「女性ホルモン」の薬が使用されます。

エストロゲンという「女性ホルモン」が低下した状態が続くと、腟や外陰の萎縮します。すると、皮膚の「乾燥」や「かゆみ」などを来たし、「萎縮性腟症」とよばれます。
治療には「女性ホルモン」の内服薬や腟錠のくすりを使います

まとめ

今回は「陰部のかゆみの診療の流れ」について説明しました。

陰部のかゆみがあるけどどうしよう…
受診したいけれど、婦人科を受診するのに一歩踏み出せない!
なんだかんだで放置してしまっている…

そんな人は、結構多いです。

婦人科を受診すれば、症状が改善する可能性があります。
気軽に婦人科を受診して相談するようにしましょう。
婦人科は困った人の味方です。

この記事によって「陰部のかゆみの診療の流れ」についての理解が深まり、受診に対する不安が解消し、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。