女性のからだはエストロゲンの歴史

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結論ですが

女性のライフステージに応じて、「エストロゲン」(女性ホルモン)の分泌は変動しています。

この記事は「健康に関心のある」女性に向けて書いています。
この記事を読むことで「女性のからだとエストロゲン」についてわかります。

この記事のまとめ

  • 「小児期」「思春期」「性成熟期」「更年期」「老年期」という女性のライフステージに応じて、エストロゲンの分泌は変動します。
  • 思春期において、エストロゲンの分泌は急に高まり「乳房の発育」「恥毛の発現」「身長の伸び」「皮下脂肪の蓄積」「初めての月経」が順におこります。
  • 性成熟期において、エストロゲンは「月経」や「妊娠」の調整に重要な役割をしています。
  • 更年期において、エストロゲンの低下によって「自律神経失調症状」「精神神経症状」「運動器症状」「消化器症状」など多彩な症状がおこります。
  • 老年期において、エストロゲンの欠乏によって「骨」や「血管」などさまざまな健康への影響がおこります。

エストロゲンとは何ですか?

エストロゲンは、女性らしい体型を作り出すホルモンとして知られており「女性ホルモン」ともよばれます。
エストロゲンは、「女性の二次性徴の発現」や「子宮・乳腺を増大させる役割」など女性生殖器の発育や機能に深く関係しています。また、妊娠の成立・妊娠の維持にも重要な役割をしており「生殖機能」に必要不可欠なホルモンとして知られております。 

また、女性における「生殖機能」に対してだけでなく、「骨」「筋肉」「血管」「消化器」「皮膚」などにも作用することが知られています。さらにエストロゲンは「肝臓におけるコレステロール調整」「膵臓におけるインスリン分泌調整」「脳における認知機能・情動」など全身において様々な効果を発揮していることもわかってきています。

女性のからだはエストロゲンの歴史

エストロゲンは、女性の生涯にわたって変動しています。つまり、小児期・思春期・性成熟期・更年期・老年期と各ライフステージによってエストロゲンの分泌は変動しています。逆にエストロゲンの変化でライフステージが作られているという見方も出来るかもしれません。
では、具体的にライフステージに応じたエストロゲンの役割についてみていきましょう。

思春期とエストロゲン 

思春期は「8歳-18歳」の期間であり、エストロゲンの分泌は思春期の頃から急に高まります。
「乳房の発育」「恥毛の発現」「身長の伸び」「皮下脂肪の蓄積」「初めての月経」が順におこります。この思春期の体の変化は、「成長ホルモン」など様々な必要なホルモンが関係しますが、「エストロゲン」が重要な働きをしています。

性成熟期とエストロゲン

月経とエストロゲン

月経はエストロゲンによって起こります。正常な女性では、月経はおおよそ28日周期で起こり、月経14日目あたりで「排卵」がおこります。
エストロゲンは月経開始から排卵日にかけて分泌されるようになり「1つ目の山」ができます。排卵時にエストロゲン量は減りますが、その後再び分泌されるようになり「2つ目の山」ができます。
このようなエストロゲンの周期的な変化によって、月経が規則的に来るようになっています。

妊娠とエストロゲン

妊娠が成立するには、「性行為」による「精子」と「排卵」された「卵」が「受精」することが必要です。
エストロゲンの作用によって女性的魅力が高まり「性行為」できる確率が上がります。また、先ほど見てきたように「排卵」にはエストロゲンの作用が必要です。
そして妊娠するためには「受精卵」が子宮内に移動してくることが大切であり、いずれもエストロゲンが重要な役割をしています。
また、妊娠が成立したあとには「胎盤(絨毛細胞)」においてエストロゲンが産生されるようになって妊娠を維持する役割も担っています。

更年期とエストロゲン

日本人の平均閉経年齢が約50歳であり、その前後5年間程度を「更年期」とよばれます。
更年期においては、閉経前後のエストロゲンの低下によってさまざまな症状が起こることになります。
具体的にいうと、「hot flush」(のぼせ、ほてり、発汗など)「手足の冷え」「動悸」などの自律神経失調症状。「怒りやすい」「抑うつ感」「焦燥感」「不眠」などの精神神経症状。「腰痛」「関節痛」などの運動器症状。「吐き気」「食欲不振」などの消化器症状。その他、「疲労しやすい」「頭痛」「めまい」「排尿障害」「外陰部違和感」「性交痛」などがあります。こうした多彩な症状は「更年期症状」としてあつかわれます。

老年期とエストロゲン

老年期になると卵巣からのエストロゲン分泌はほとんどない状態になります。するとエストロゲンの欠乏によってさまざまな体への影響がおこります。

エストロゲンには「骨」の健康にも影響しています。
エストロゲンの低下によって「骨量」が低下し「骨粗しょう症」となりやすくなります。骨折しやすくなり、場合によっては体を動かせなくなり「寝たきり」の状態となってしまうこともあります。

また、エストロゲンは「血管」の健康にも影響しています。
エストロゲンの低下によって、血管の弾力性は低下したり、脂質異常症になりやすくなります。すると、血管の動脈硬化が進みやすくなり、血管が狭くなったり、破れてしまうことにつながります。「脳出血」「脳梗塞」「心筋梗塞」などの病気のリスクが上がります。

まとめ

「小児期」「思春期」「性成熟期」「更年期」「老年期」という女性のライフステージに応じて、エストロゲンの分泌は変動します。

思春期において、エストロゲンの分泌は急に高まり「乳房の発育」「恥毛の発現」「身長の伸び」「皮下脂肪の蓄積」「初めての月経」が順におこります。

性成熟期において、エストロゲンは「月経」や「妊娠」の調整に重要な役割をしています。

更年期において、エストロゲンの低下によって「自律神経失調症状」「精神神経症状」「運動器症状」「消化器症状」など多彩な症状がおこります。

老年期において、エストロゲンの欠乏によって「骨」や「血管」などさまざまな健康への影響がおこります。

今回はエストロゲンの変化とライフステージや、エストロゲンのさまざまな役割について説明してきました。
エストロゲンは女性によって不可欠なものであり、生涯にわたって付き合うことになります。
とくに更年期になると、さまざまな症状が起こることが多く、そのときに産婦人科を受診して、エストロゲンの大切さを自覚するひとも多いです。

エストロゲンの変化を理解したうえで、エストロゲンとうまく付き合うことで、症状をうまくコントロールしたり、より健康な体づくりにもつながり、生活がよりよくなると思います。

自分自身のからだと向き合いより健康的に過ごせるような人が一人でも増えるよう願っています。