結論ですが
ミニピルとは、エストロゲンが含まれていないため、ピルを使いにくい人でも使用可能です。
この記事は「健康に関心のある」女性向けに書いています。
女性特有の悩みに関して理解を深めるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「ミニピル」についてわかります。
- 避妊するためにピルを処方してもらいたい!
- 問診表を書くと、項目がひっかかって「ピル」を処方してもらえなかった!!
- たばこをやめるように言われたが無理だった!!
そんなときに「ミニピル」という選択肢があります。
通常のピルでは血栓症のリスクがあり、処方を受けられない人も多いです。
薬というものは安全に使用するべきです。
「血栓症」は命を落とす可能性のある重大な副作用です。
そんなときに安全に使用できる選択肢として「ミニピル」というものがあります。
今回「そもそもピルとはどんなくすりなのか」「ミニピルとは何なのか」について説明していきます。
この記事のまとめ
- ピルとは、おもに「エストロゲン」(女性ホルモン)と「プロゲステロン」(黄体ホルモン)を含む薬のことをいい、「避妊」や「生理の症状を改善する」目的のために使います。
- ミニピルは、「エストロゲン」(女性ホルモン)を含まないため、「血栓症」などの副作用リスクがないです。
- 血栓リスクなどによって「ピル」が使いにくい人に対して「ミニピル」が使われます。
そもそもピルとは?
ピルは、おもに「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンの成分を含むくすりのことをいいます。
もともとピルは、妊娠をしないためにのむくすり「経口避妊薬」(OC)として使われていました。実はピルをのんでいるひとは「生理痛が軽くなる」「生理の量が少なくなる」などの効果もあることがわかってきました。
もともと「避妊目的」で使われてきたピルを、生理の症状をやわらげることを目的として「低用量エストロゲン・プロゲステロン製剤」(LEP製剤)がつくられました。
「OC」と「LEP製剤」は基本的な成分はほぼ同じです。使用目的によって名称が異なっています。
つまり、ピルは「避妊目的」や「生理症状の改善目的」などのために使われる薬ということになります。
ミニピルはどんなくすりですか?
ミニピルとは、「プロゲステロン」(黄体ホルモン)のみで、「エストロゲン」(女性ホルモン)を含まないピルのことです。成分が「プロゲストゲン」のみであるため、「POP」(Progestogen Only Pill)とも呼ばれています。
ミニピルのメリット
ミニピルの最大のメリットは、「エストロゲン」(女性ホルモン)を含まないことです。
「エストロゲン」による「血栓症」などの副作用リスクがないです。
そのため、ピルでは慎重投与もしくは禁忌にあたる「肥満」「40歳以上」「喫煙者」「授乳婦」の人にも安全に使用することが可能です。
とくに産後の授乳婦にも「ミニピル」は内服可能であるため、産後の避妊が可能となります。
ミニピルのデメリット
ミニピルは、ピルに比べて、にきびの改善効果などの肌効果は低いです。
また、内服中の不正出血の頻度が多いです。
ピルでは休薬期間がありますが、ミニピルは休薬期間がなく、連日同じ時間にしっかりと服用する必要があります。
ミニピルの注意点
日本において、「ミニピル」はあまり普及しておらず、処方可能な病院やクリニックは少ないのが現状です。
また、現在の日本では、避妊を目的とした承認された「黄体ホルモン製剤」はありません。
このため、治療用の「黄体ホルモン製剤」をミニピルとして代用することになります。また、避妊目的で使用する場合には「保険適応」はなく「自費」となります。
どのようなミニピルがありますか?
ノアルテンやディナゲストは黄体ホルモンの量が多く、避妊目的ではないため、正確には「ミニピル」ではありません
ノアルテン
生理周期の調整や無月経の治療に使用されています。
黄体ホルモン量は非常に多く、避妊目的のため毎日飲むには多すぎます。
ディナゲスト
子宮内膜症の治療に使用されます。
1日2回連日服用することで、子宮内膜の増殖をおさえることができます。
また飲み忘れがなければ排卵抑制効果もあり避妊効果もあります。ただし、避妊薬として承認されていないため注意が必要です。
まとめ
- ピルとは、おもに「エストロゲン」(女性ホルモン)と「プロゲステロン」(黄体ホルモン)を含む薬のことをいい、「避妊」や「生理の症状を改善する」目的のために使います。
- ミニピルは、「エストロゲン」(女性ホルモン)を含まないため、「血栓症」などの副作用リスクがないです。
- 血栓リスクなどによって「ピル」が使いにくい人に対して「ミニピル」が使われます。
「ピル」をうまくつかうことで、生理による症状をコントロールすることができて、より快適に生活をおくることができます。
また、ピルを避妊目的で使用することで、「いつこどもをつくるか」「今はこどもはつくらない」などの家族計画をサポートしてくれます。
血栓症リスクなどでピルを安全に使えない人は「ミニピル」という選択肢があります。
「避妊法」や「生理の症状」などで悩んでいる場合は、一度産婦人科を受診して相談してみることが大切です。
この記事によって「ミニピル」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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