結論ですが、
感染症(肝炎ウイルス・ピロリ菌・HPV・HTLV-1・インフルエンザ・肺炎球菌・帯状疱疹など)をうまく管理しましょう。
この記事は「健康について関心のある」ヒトに向けて書いています。
自身の健康への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「健康寿命を伸ばすための具体的な行動」がわかります。
突然ですが「健康」とはなんでしょうか?
普段当たり前に使っている「健康」という言葉ですが、
改めて「健康ってなにか」と考えると、その意味は意外と難しいです。
健康は良いこと
年を重ねてもいつまでも健康でいたい
病気にならないで健康でいたい
毎日が健康でいきいきとしていたい
あの人は健康的でいいね
など「健康」にはポジティブな印象があるかとおもいます。
これからは人生100年時代です。
長い人生をよりよく過ごすために「健康」について知ることが大切です。
そして「健康寿命」を伸ばすことがポイントになってきます。
2021年2月19日に、国立高度専門医療研究センター6機関の連携による「健康寿命延伸のための提言」が公開されました。
そこには、エビデンスに基づく「健康に過ごすための具体的な予防行動」が10項目に分けて提言されています。
みなさんが健康に過ごすために役立つ内容であり、順に説明していきたいと思います。
今回は「感染症」について説明していきます。
この記事のまとめ
(健康のための具体的行動)
1.肝炎ウイルスやピロリ菌の感染検査を受ける。
2.HPVやHTLV-1を知っておく。
3.高齢者では、インフルエンザ・肺炎球菌・帯状疱疹の予防接種を受ける。
健康寿命延伸の提言とは
健康寿命延伸の提言とは
2021年2月19日に、国立高度専門医療研究センター6機関(※)の連携によって「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」が公開されました。
これは、日本人の健康寿命を伸ばすために必要な「予防行動」について提言されています。
健康寿命を伸ばすためには、「小児」「妊婦」「成人」「高齢者」など年齢や状態に応じて、さまざまな疾患を横断的に予防することが必要です。
しかし、予防について疾患横断的にまとめられたガイドラインや指針は今までなかったため、このような提言がされるに至りました。
健康寿命とは
「健康寿命」とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。
出産して産まれてきてから、死亡するまでの期間を「寿命」と言います。
それに対して、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを「健康寿命」と言います。
単に「寿命」を伸ばすだけでなく、「健康寿命」を伸ばすことが、人生をよりよく過ごすために重要になります。
健康寿命延伸のための10項目
健康寿命を伸ばすための具体的な予防行動などが10項目について提言されています。
いずれも国内外の様々な疫学研究やエビデンスに基づいたものになっております。
疾患横断的に健康を左右する「生活習慣」「生理学的要因」「社会的・物理的環境」について以下の10項目について提言されています。
いずれも、みなさんが日常生活の中で取り組める内容であり、健康に過ごすために是非とも実践して欲しいです。
今回は「感染症」について説明していきたいと思います。
健康のための行動1.肝炎ウイルスやピロリ菌の感染検査を受ける
肝炎ウイルス
「B型肝炎」「C型肝炎」など肝炎のウイルスの検査を受けるようにしましょう。
肝炎ウイルスは日本人の肝がんの最大のリスクです。「B型肝炎」「C型肝炎」など肝炎のウイルスに感染すると、「慢性肝炎」から「肝硬変」「肝がん」につながる可能性があります。
B型肝炎やC型肝炎のウイルスは主に血液を介して感染します。とくに「輸血」や「性交渉」「いれずみ」「分娩時」など血液を介するときに感染する可能性が高いです。
「B型肝炎」や「C型肝炎」などの肝炎ウイルスにかかっているか検査するとともに、血液を介する行為を出来るだけ避けることで感染予防するようにしましょう。
ピロリ菌
「ピロリ菌」の検査を受けるようにしましょう。
ピロリ菌は日本人の胃がんの最大のリスクです。「ピロリ菌」に感染すると、「慢性胃炎」から「胃・十二指腸潰瘍」「胃がん」につながる可能性があります。
「胃がん」の原因は、塩分多めなどの「食生活」、「喫煙」や「遺伝」などが影響があると言われていますが、「ピロリ菌」が発生リスクを高めることが知られています。
「ピロリ菌」の検査を受けて、感染していることが判明したら除菌治療を受けるようにしましょう。
健康のための行動2.HPVやHTLV-1を知っておく
HPV
「HPV」(ヒトパピローマウイルス)は、ほとんどの子宮頸がんの原因であり、HPVワクチンによって、「子宮頸がん」を予防することができます。
「子宮頸がん」の多くは、性交渉などによって「HPV」(ヒト・パピローマウイルス)というウイルスが子宮の入り口近い部分(子宮頸部)に感染することをきっかけに発生します。
HPVが持続感染すると、「異形成」という前がん病変を経て、「微小浸潤がん」以上の病変(いわゆる子宮頸がん)に進行します。
HPVワクチンはHPVの感染自体を予防することで、「子宮頸がん」や前がん病変である「子宮頸部異形成」の発生を防ぐことができます。
また、HPVワクチンは「子宮頸がん」だけでなく、HPV感染による「咽頭がん」「肛門がん」「直腸がん」、女性であれば「外陰がん」「腟がん」、男性であれば「陰茎がん」の予防効果があります。
さらに、性感染症であるHPV(6型・11型)の感染による「尖圭コンジローマ」の予防することも出来るのです。
HTLV-1
「HTLV-1」というウイルスは、「成人T細胞白血病/リンパ腫」(ATL)・「HTLV-1関連脊髄症」(HAM)・「HTLV-1ぶどう膜炎」(HU)などさまざまな疾患を引き起こします。
「HTLV-1」は、「Human T-cell leukemia virus type1」の略です。「成人T細胞白血病/リンパ腫」(ATL)は、「HTLV-1」というウイルスが原因で発症する白血病です。
九州・沖縄地方でとくに多く見られ、先進国の中でHTLV-1がいるのは日本くらいと言われています。
「HTLV-1」が感染しても多くは無症状であることが多いです。感染経路は血液・体液を介しておこなわれ、輸血・母子感染・性感染の3つが主な感染経路です。また、母乳を介して感染するため、断乳や人工乳などによる予防が大切です。
健康のための行動3.高齢者では、インフルエンザ・肺炎球菌・帯状疱疹の予防接種を受ける
インフルエンザ
流行時期の前には、毎年、インフルエンザの予防接種を受けるようにしましょう。
インフルエンザの予防接種を行うことで、インフルエンザにかかりにくくなり、かかったとしても重症化を予防する効果が期待できます。
インフルエンザによって、「高熱」「倦怠感」「関節痛」などの症状が起こります。とくに高齢者は免疫力が低下しているため、インフルエンザにかかった後に「肺炎」が合併して場合によっては命を落とすこともあります。
流行時期の前には、毎年、インフルエンザの予防接種を受けるようにしましょう。
肺炎球菌
65歳以上になったら、5年に一度、肺炎球菌の予防接種を受けるようにしましょう。
肺炎球菌の予防接種を行うことで、肺炎球菌にともなう「細菌性肺炎」にかかりにくくなり、かかったとしても重症化を予防する効果が期待できます。
「肺炎」にかかって亡くなる人の割合は約10%を占め、死因の第3位となっています。
とくに高齢者は免疫力が低下しているため、「肺炎」が重症化しやすくなり命を落とすこともあります。肺炎球菌の予防接種を行うことで、肺炎球菌にともなう「細菌性肺炎」を予防することができるのです。
65歳以上になったら、5年に一度、肺炎球菌の予防接種を受けるようにしましょう。
帯状疱疹
高齢者では、帯状疱疹の予防接種を受けるようにしましょう。
高齢者は、幼少期に「水痘」(みずぼうそう)にかかっていることが多いです。
しかし、年齢とともに免疫力が低下した場合に、「帯状疱疹」を発症し、「帯状疱疹後神経痛」を続発するリスクが高いです。
ちなみに、「水痘」と「帯状疱疹」はいずれも「水痘・帯状疱疹ウイルス」という同じウイルスが原因です。「水痘」は初めてかかった時に出る病気であるのに対して、「帯状疱疹」は「水痘」にかかった後に神経節にウイルスが潜んでいて、免疫力が低下したときに発症するのです。
なお、50歳以上の人が対象の「帯状疱疹」予防接種が最近日本で発売されました。
高齢者は、「帯状疱疹」の発症や、「帯状疱疹後神経痛」を予防するため、帯状疱疹の予防接種を受けるようにしましょう。
まとめ
(健康のための具体的行動)
1.肝炎ウイルスやピロリ菌の感染検査を受ける。
2.HPVやHTLV-1を知っておく。
3.高齢者では、インフルエンザ・肺炎球菌・帯状疱疹の予防接種を受ける。
みなさんにとって「健康」というものがとても大切です。
しかし、普段の忙しい日常の中で、「自分のからだ」や「健康」について意識する機会はそう多くはないかと思います。
病気をしたときに、はじめて今まで「健康」で過ごせたことがありがたいを感じるようになる人が多いです。そして、病気をしたときには手遅れになっていることもあります。
「健康」である今、健康について考えておくことが必要なのです。
「健康」であることが、「仕事」「家事」「育児」「介護」「遊び」などすべての活動をおこなう上で前提となります。
「健康」であることが、何よりも大切なのです。
人生100年時代です!
長い人生をよりよく生きるために、「健康」について改めて考えてみてはいかがでしょう。
この記事によって、「感染症の健康への影響」についての理解が深まり、一人でも多くの人が健康的に日々の生活を送ることを願っています。
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