結論ですが
性感染症は「問診」「検査」「治療」という流れで診療が行われます。
この記事は「性感染症検査を希望する」女性に向けて書いています。
産婦人科受診への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「性感染症の診療の流れ」についてわかります。
性感染症の検査をしたいですがどうすればいいですか?
このような疑問にお答えします。
性交渉をしてから…
何かしら症状が出現した
じつはパートナーが性感染だと判明した
明らかな症状はないけど体調がいつもと違う
こんな状況の場合は、性感染症の可能性があります。
では、婦人科を受診したいけれど、なかなか勇気が出ないです…
そのような人が婦人科受診のハードルが少しでも下がるように、実際にどのような診療が行われるのか説明します。
では、「性感染症の検査」ではどのように行われるのか?
当クリニックで行う「性感染症の診療の流れ」を紹介したいと思います。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
この記事のまとめ
1.問診
症状
性行為をしてから「陰部にできもの出来た」「陰部がかゆい」「おりものがいつもと違う」「熱が出た」「のどが痛む」「おしっこするときに痛む」などの症状があれば性感染症が疑われますので伝えましょう。
また、無症状でも性感染している可能性があるため、性感染が疑われるような状況(パートナーが性感染だとわかった、いつもと体調が違うなど)があれば伝えるようにしましょう。
既往歴
今までにかかった病気「既往歴」があれば伝えましょう。
とくに、過去に性感染症にかかったことのある場合には繰り返す可能性があります。また、免疫状態が低くなる病気の場合、性感染だけでなく様々な感染症にかかりやすくなるため、必ず伝えるようにしましょう。
職業
仕事柄、性的サービスを行なっている場合には、必ず伝えるようにしましょう。
性的内容の仕事を行なっている方を専門用語で「CSW」(コマーシャルセックスワーカー)とよんでいます。不特定多数の人と性交渉なさると、無症状でも性感染にかかっている確率が高くなるので、検査をしっかりと行う必要があります。
また、「性感染」への対策に加えて、「避妊」も忘れずに行うようにしましょう。
2.検査
視診
陰部に病変がないか見て確認します。
例えば、「尖形コンジローマ」では白色の隆起性の病変、「性器ヘルペス」ではびらんや潰瘍、「梅毒」では全身に梅毒疹と呼ばれる発疹や陰部にイボが形成されます。
血液検査
血液検査をして感染していないか確認します。
とくに、「梅毒」「B型肝炎」「C型肝炎」「HIV」などの感染がないか検査します。
これらは、潜伏期間が長かったり、無症候性感染の場合があり、症状がなくても感染している場合があるため注意が必要です。
腟分泌物
腟内の分泌物の検査を行います。
とくに「カンジダ」「トリコモナス」では、おりものを採取して顕微鏡で観察することで、その場で感染しているかわかります。
また、「クラミジア」「淋菌」では、頚管粘液を採取して検査をします。DNA増幅させる必要があるため結果が出るのに3日間程度かかります。
子宮頚がん検診
子宮頚がん検診では、子宮の入り口を擦って細胞を採取して検査をします。
子宮頸がんのほとんどは「HPV」による感染が原因であり、ほとんどが性交渉によって感染します。
「定期的ながん検診」で子宮頸がんを予防することが出来るので、20歳以上の全ての女性は是非とも受けるようにしましょう。
3.治療
治療
性感染症の治療では、くすり(内服薬、塗り薬、点滴)や外科的治療などが行われます。
たとえば、「クラミジア」や「淋菌」では抗生物質の飲み薬や点滴で治療します。また、「カンジダ」では腟錠や軟膏、「ヘルペス」では塗り薬で治療します。「尖形コンジローマ」では、液体窒素やレーザーなどで焼灼したり、外科的に切除する治療が行われます。
パートナーの受診
性感染症の治療では、パートナーの治療も行う必要があります。
お互いがしっかりと性感染を治療をしないと「ピンポン感染」となることがあります。これは、せっかく治療を受けても、パートナーが感染している場合、性行為によって再度感染してしまうことになります。そして、卓球のラリーのようにうつしあってしまうことで、いつまでも治療が終わらなくなってしまいます。
必ずパートナーに性感染がないか受診を促し、しっかりと検査や治療を受けることが重要です。
性交渉控える
性感染症の治療中は性交渉を控えるようにしましょう。
治療が不十分なうちに性交渉をすると、パートナーに感染させてしまう可能性があります。
それがまわりまわって、自分の治療が終わった後に、パートナーから再度うつされてしまう可能性があります。
性感染症の治療中は性行為を控えるとともに、二人ともしっかりと検査や治療を受けることが重要です。
まとめ
今回は「性感染症の診療の流れ」について説明しました。
性感染症の種類によっては、放っておくと不妊症につながる場合もあります。
心配であれば、早めに受診するようにしましょう。
今まで婦人科を受診したことのない人は、受診したいけれど、不安でいっぱいかと思います。
性感染の可能性がある場合、怒られてしまうのでないかと考えてしまう人もいます。
勇気をもって婦人科を受診して相談するようにしましょう。
産婦人科は困った人の味方です。
この記事によって「性感染症の診療の流れ」についての理解が深まり、受診に対する不安が解消し、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。
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