結論ですが
滅菌とは、微生物を完全に除去することです。
この記事は「滅菌」について疑問に思うヒトに向けて書いています。
医療行為に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「滅菌」についてわかります。
医療機器を使用した後に、機器を「洗浄・消毒・滅菌」します。
医療機器を介した感染を予防するために、しっかりとした「洗浄・消毒・滅菌」が大切なのです。
では、その中の「滅菌」は実際にどのように行われるのか?
今回、「滅菌」について説明したいと思います。
この記事のまとめ
1.滅菌とは
滅菌とは
滅菌とは、有害・無害に関わらず、対象物に存在しているすべての微生物およびウイルスを完全に死滅あるいは除去することです。
確率論的には菌数をゼロにすることは出来ないので、実際には無菌保証レベル(SAL)というものが採用されます。SAL≦10の-6乗という基準が国際的に採用されています。
2.滅菌の方法
滅菌の方法には「高圧蒸気滅菌法」「EOG滅菌法」「過酸化水素ガスプラズマ滅菌法」などの方法があります。
高圧蒸気滅菌法
高圧蒸気滅菌法は、高温湿に耐えられる物品を滅菌する方法です。
時間・コストが比較的少なくて済み、適用範囲が広いです。
EOG滅菌法
EOG滅菌法は、エチレンオキサイドガス(Ethylene Oxide Gas)を使用した滅菌法であり、「低温滅菌」とも呼ばれます。耐熱性の少ないゴム製品・プラスチック製品などの滅菌に用いられます。
ただし、滅菌時間・コストが比較的大きく、滅菌後の残留ガス(毒性がある)の除去に注意が必要です。
過酸化水素ガスプラズマ滅菌法
過酸化水素ガスプラズマ滅菌法は、過酸化水素と高周波エネルギーを組み合わせてプラズマ状態をつくり、その活性分子の作用によって微生物を死滅させる方法です。
熱性のあるゴム製品・プラスチック製品などの滅菌に用いられます。
残留毒性がないが、専用の包装材料のコストがかかり、内視鏡で劣化するものがあります。
3.滅菌効果の確認
滅菌がしっかりと行われているか効果を確認する方法として「物理的手段」「化学的手段」「生物的手段」などがあります。
物理的手段
物理的手段では、「記録計」「圧力計」「温度計」などを利用して、滅菌サイクルが適切に行われているか確認します。
化学的手段
化学的手段では、滅菌処理における条件作用によって色が変わるインジケーター(ケミカルインジケーター)を使って、滅菌サイクルが適切に行われているか確認します。
生物的手段
生物的手段では、滅菌の指標となる芽胞を使って滅菌を検知する(バイオロジカルインジケーター)を使って、滅菌サイクルが適切に行われているか確認します。
まとめ
今回は「滅菌」について説明しました。
婦人科においては、普段の診療の中で「腟鏡」(クスコ)や「セッシ」「マルチン」といった医療器械を使います。
他の患者さんへの感染を広げないために、器械を使用した後には、適切に「洗浄・消毒・滅菌」を行う必要があるのです。
医療のプロとして、しっかりと「洗浄・消毒・滅菌」をおこない、安全・安心な医療を提供できれば幸いです。
この記事によって「滅菌」についての理解が深まり、日々の診療行為を安全・安心に受けられているのだと実感して頂ければ幸いです。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
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