結論ですが
「有害事象」とは、医薬品を使用した後に起こった健康上好ましくない出来事すべてをいいます。
この記事は「有害事象」について知りたい人に向けて書いています。
健康に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「有害事象」についてわかります。
有害事象って何ですか?
このような疑問にお答えします。
最近ではワクチン接種による「副反応」などが問題になっているかと思います。
また、医薬品を使った場合などに「副作用」も心配される人も多いです。
似たような言葉ですが、「有害事象」は「副反応」や「副作用」とは厳密にいうと別の意味です。
では、「有害事象」とは何だろう?
ということで、今回は「有害事象」について説明していきます。
この記事のまとめ
有害事象とは
「有害事象」とは、医薬品を使用した後に起こった健康上好ましくない出来事すべてをいいます。
医薬品には、ふだん使う「くすり」や、最近注目されている「ワクチン」などがあります。
基本的には、効果を期待してそれら医薬品を使います。しかし、目的とする効果「主作用」以外の作用が起こる場合があり、「副作用」と呼ばれます。ワクチンでは「副反応」と呼ばれたりします。
有害事象は、医薬品を使用した後に起こった健康上好ましくない出来事すべてが該当します。そのため、くすりによる「副作用」、ワクチンによる「副反応」が含まれるのはもちろん、因果関係が不明なもの、明らかに他が原因なものなどすべてが含まれます。
有害事象の具体例
有害事象は以下のどれでしょう?
- 睡眠薬を使った後に、ふらつきが起こった。
- 睡眠薬を使った後に、転んでしまって足を骨折した。
- 睡眠薬を使った後に、蚊に刺されて腕がかゆくなった。
1-3すべて、くすりを使った後に起こった健康上好ましくない出来事です。
なので、すべて有害事象に該当しますので正解は「1-3」です。
1は薬の作用による望ましくない反応なので「副作用」に当たり、「有害事象」となります。
2は薬の作用と「因果関係のある有害事象」となります。薬の副作用のふらつきで転んだことよって足を骨折したものと考えられます。骨折自体は薬の副作用ではないと考えられます。
3は薬の作用と「因果関係のない有害事象」となります。蚊に刺されるのは、睡眠薬とは関係なく、偶然起こったものでしょう。
ただし、睡眠薬を使ったら蚊に刺されやすくなるという副作用が見つかれば因果関係ありとなることもあり得ます…。
有害事象の必要性
今まで知られていない「副作用」「副反応」が発見される可能性や、薬の作用が見直されることや、薬を安全に使用する方法を検討するため、有害事象をとりまとめる必要があります。
有害事象をとりまとめることで、薬の作用が見直されることがあります。
たとえば、眠気の強い「抗ヒスタミン薬」から「睡眠改善薬」がうまれたり、狭心症の薬から「EDの治療薬」がうまれたりしています。
また、薬を安全に使用する方法を検討することができます。
たとえば、インフルエンザの治療薬である「タミフル」を内服した後に、異常行動が起こり自宅から転落死したいう報告がありました。
インフルエンザの症状(インフルエンザ脳症)でも同様の症状が起こりうる場合があるため、タミフルとの因果関係は不明でした。
しかし、とくに若年で異常行動が起こりやすく、インフルエンザの療養中は保護者が見守るように注意喚起することにつながり、未然に防ぐことができるのです。
まとめ
今回は「有害事象」について説明しました。
「有害事象」という言葉を聞くと、薬を使うときにこわくなってしまうかもしれません。
薬をより安全に使うために、「有害事象」をしっかりと集めることが重要です。
ただし、因果関係のないものも含まれるため、どうしても項目が多くなってしまいます。
そして、因果関係が不明な副作用や副反応などをマスコミなどで大々的に取り上げられると、必要な治療であるが受けたくないという人も増えてしまうこともあります。
医療行為すべてに言えることですが、効果などの「メリット」があれば、副作用や副反応などの「デメリット」もあります。
それらを天秤にかけた上で、実際にくすりを使うかどうか判断するようにしましょう。
この記事によって「副反応」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立てれば幸いです。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
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