結論ですが
性交渉後の出血は、擦れて出血している場合が多いですが、注意が必要な病気もあります。
この記事は「婦人科を受診するかどうか悩んでいる女性」に向けて書いています。
女性の健康・病気などに関するさまざまな疑問・悩み・不安などが解決できればとおもっています。
この記事を読むことで「性交渉後の性器出血」についてわかります。
性交渉の後に出血しましたが、どうすればいいですか?
このような疑問にお答えします。
性交渉した後に出血した場合、とても驚くかと思います。
そして、恥ずかしくて受診するのをためらってしまう場合もあるかと思います。
性交渉後の性器出血の原因として、じつは「子宮頸がん」が隠れている場合があるのです。
では、性交渉後の出血には、どうすればいいですか?
ということで、今回は「性交渉後の出血」について説明していきたいと思います。
この記事のまとめ
性交渉後の出血
性交渉後に性器出血した場合は、婦人科を受診して相談するようにしましょう。
月経以外の性器出血を、「不正性器出血」とよばれます。性交渉した後の性器出血も「不正性器出血」に含まれます。
今回は、不正性器出血のうち、とくに性交渉した後に性器出血が認められる場合についてみていきましょう。
出血の原因
子宮腟部びらん
性交渉後の出血の原因として、「子宮腟部びらん」が擦れて出血している場合が多いです。
とくに若い女性の場合、子宮の入り口に「子宮腟部びらん」という部分があります。
擦れると出血しやすい部分であり、性交渉などの刺激によって性器出血が起こやすいです。
腟炎
性交渉後の出血の原因として、「腟炎」があります。
感染症などで「腟炎」がある場合、腟の中が出血しやすい状態であり、性交渉などの刺激によって性器出血が起こやすいです。
また、ご年配の女性では「萎縮性腟炎」(女性ホルモンが低下することによる)によって、腟内が出血しやすい状態となっていることが多いです。
子宮頸がん
性交渉後の出血の原因として、「子宮頸がん」が隠れている場合があります。
子宮頸がんは、子宮の入り口に病変をつくります。性交渉などによって、子宮頸がんの病変が刺激されると出血することが多いです。
とくに若い女性の場合、性交渉後の出血が毎回起こる場合が注意が必要です。
その他
性交渉後の出血の原因として、「子宮頸管ポリープ」や「子宮筋腫」、「卵巣出血」「ホルモンバランスの乱れによる出血」「妊娠にともなう出血」、さらに偶然「月経が重なる場合」などがあります。
出血の検査
腟鏡診
腟鏡診では、「腟鏡」(クスコ)とよばれる器械を使用して、子宮の入り口や腟の中を観察して、出血している部分を確認します。
腟の入り口から「腟鏡」(クスコ)という器械を挿入します。そして、器械を広げると子宮の入り口や腟の中を観察することができます。実際に、出血している部分がどこなのか見て確認します。
エコー
エコー(超音波)検査によって、子宮や卵巣の腫れがないか確認します。
とくに、子宮が腫れていないか、卵巣が腫れていないか、お腹の中に出血がたまっていないか、子宮の内膜の厚さなどを確認します。
子宮頸がん検診・子宮体がん検診
性交渉後の出血では、ほぼ必ず子宮頸がん検診を行います。また、必要があれば子宮体がん検診も行われます。
出血の治療
止血剤
性器出血を和らげるため、アドナ・トランサミンなどの止血剤を使います。
腟錠
腟炎のときに腟錠による治療が行われます。
とくに細菌感染によるものであれば、「抗生剤の腟錠」。萎縮性腟症であれば、「女性ホルモンの腟錠」が使用されます。
潤滑剤
毎回性交渉のたびに、擦れて出血する場合には「潤滑剤」を利用する方法があります。
潤滑剤を使用することで、性交渉の摩擦が軽減されて、出血がおさえられる効果が期待できます。
原因への治療
出血の原因が明らかなであれば、その治療が行われます。
たとえば、子宮筋腫や子宮頸管ポリープであれば、手術によって摘出します。また、子宮頸がんの場合は、組織型や進行期にもよりますが、手術や抗がん剤、放射線などによる治療が行われます。
まとめ
今回は「性交渉後の出血」について説明しました。
性交渉した後に出血した場合、とても不安になるかと思います。
そして、恥ずかしさから受診をためらうかもしれません。
しかし、勇気をもって婦人科を受診するようにしましょう。
婦人科は困った人の味方です。
性交渉後の出血の原因として「子宮頸がん」などの病気が隠れている場合があります。
自分自身のからだを守るのは、自分だけなのです。
この記事によって「性交渉後の出血」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立てれば幸いです。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
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