【解説】健康寿命延伸のための提言「体格」4/10

結論ですが、
やせすぎない、太りすぎない、ライフステージに応じた適正体重を維持しましょう。

この記事は「健康について関心のある」ヒトに向けて書いています。
自身の健康への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「健康寿命を伸ばすための具体的な行動」がわかります。

突然ですが「健康」とはなんでしょうか?

普段当たり前に使っている「健康」という言葉ですが、
改めて「健康ってなにか」と考えると、その意味は意外と難しいです。

健康は良いこと
年を重ねてもいつまでも健康でいたい
病気にならないで健康でいたい
毎日が健康でいきいきとしていたい
あの人は健康的でいいね

など「健康」にはポジティブな印象があるかとおもいます。

これからは人生100年時代です。
長い人生をよりよく過ごすために「健康」について知ることが大切です。
そして「健康寿命」を伸ばすことがポイントになってきます。

2021年2月19日に、国立高度専門医療研究センター6機関の連携による「健康寿命延伸のための提言」が公開されました。
そこには、エビデンスに基づく「健康に過ごすための具体的な予防行動」が10項目に分けて提言されています。
みなさんが健康に過ごすために役立つ内容であり、順に説明していきたいと思います。
今回は「体格」について説明していきます。

この記事のまとめ

(健康のための具体的行動)
1.やせすぎない
2.太りすぎない
3.ライフステージに応じた適正体重を

健康寿命延伸の提言とは

健康寿命延伸の提言とは

2021年2月19日に、国立高度専門医療研究センター6機関(※)の連携によって「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」が公開されました。
これは、日本人の健康寿命を伸ばすために必要な「予防行動」について提言されています。
健康寿命を伸ばすためには、「小児」「妊婦」「成人」「高齢者」など年齢や状態に応じて、さまざまな疾患を横断的に予防することが必要です。
しかし、予防について疾患横断的にまとめられたガイドラインや指針は今までなかったため、このような提言がされるに至りました。

健康寿命とは

「健康寿命」とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。

出産して産まれてきてから、死亡するまでの期間を「寿命」と言います。
それに対して、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを「健康寿命」と言います。
単に「寿命」を伸ばすだけでなく、「健康寿命」を伸ばすことが、人生をよりよく過ごすために重要になります。

健康寿命延伸のための10項目

健康寿命を伸ばすための具体的な予防行動などが10項目について提言されています。

いずれも国内外の様々な疫学研究やエビデンスに基づいたものになっております。
疾患横断的に健康を左右する「生活習慣」「生理学的要因」「社会的・物理的環境」について以下の10項目について提言されています。
いずれも、みなさんが日常生活の中で取り組める内容であり、健康に過ごすために是非とも実践して欲しいです。
今回は「体格」について説明していきたいと思います。

健康のための具体的行動1.やせすぎない

やせの影響

「やせ」によって「総死亡」や「がん」のリスクが増加する可能性があります。また、栄養不足をともなう「やせ」によって「感染症」や「脳出血」のリスクが増加します。

また、若い女性の場合は「やせ」によって、「月経異常」や「骨粗しょう症」などのリスクが上昇します。
「やせ」の状態だと、エネルギー不足に陥ってしまい、月経に費やすエネルギーが不足してしまいます。すると、「月経不順」「無月経」などの月経異常がおこります。
なお、「やせ」(体重減少)によって無月経になった状態を「体重減少性無月経」とよばれます。
さらに、「やせ」によって「女性ホルモン」の分泌が減少します。女性ホルモンには骨量を増やす作用がありますが、分泌が低下すると「骨粗しょう症」につながります。「骨粗しょう症」になると、軽微なダメージでも骨折しやすい状態になってしまいます。

やせとは

BMI18.5未満となる場合を「やせ」(低体重)と分類されます。


BMI=「体重(kg)」÷「身長(cm)」÷「身長(cm)」で計算されます。
日本肥満学会の定めた基準では…

BMI 18.5未満が、「低体重」(やせ)
BMI 18.5-25が、「普通体重」
BMI 25以上が、「肥満」

と分類されています。
とくに、BMI=22になるときの体重が「標準体重」であり、最も病気になりにくい状態であるとされています。

健康のための具体的行動2.太りすぎない

肥満の影響

「肥満」によって「総死亡」や「がんのリスク」が増加する可能性があり、「うつ病」のリスクが増加します。

「肥満」によって、「糖尿病」「高血圧」「脂質代謝異常症」などの疾患にかかりやすくなります。それらの疾患によって「動脈硬化」「循環器疾患」「脳卒中」などの重大な病気につながり、総死亡数が高くなる可能性があります。
また、肥満によって「がん」のリスクが増加する可能性があり、「うつ病」のリスクが増加することが知られています。

体重過多の影響

「体重過多」や「成人期における体重増加」によって「循環器疾患」や「糖尿病」のリスクが増加します。

「肥満」と似ていますが、「体重過多」や「成人期における体重増加」によって「循環器疾患」や「糖尿病」のリスクが増加するのです。

肥満と体重過多の違い

「肥満」と「体重過多」は似たような意味にみえますが、実は違います。

「肥満」とは、体重が多いだけでなく体脂肪が過剰に蓄積した状態のことをいいます。
一方、「体重過多」とは、身長に対する体重の割合が多いことをいいます。
たとえば、「お相撲さん」や「スポーツマン」では筋肉が発達し脂肪が少ない場合には「体重過多」であっても「肥満」でないのです。
しかし、「肥満」と「体重過多」は関係が深く、「肥満」の人が「体重過多」になっている場合が多いです。

健康のための具体的行動3.ライフステージに応じた適正体重を

子ども

「やせ」や「肥満」の子どもは、一般的な小児急性疾患が重症化しやすくなります。また、「幼少期の体重過多」は成人期の肥満リスクを増加させます。

「やせ」や「肥満」では、免疫力が低下し、とくに子どもで多い感染症などの急性疾患が重症化しやすくなります。
「幼少期の体重過多」は、将来的に成人になったときに「肥満」となるリスクを増加させます。将来的に「糖尿病」「高血圧」「脂質代謝異常症」などの生活習慣病となるリスクが増加します。

妊婦

妊娠前と妊娠中の体重増加の双方が妊娠の予後に影響を与えます。妊娠前の体格に応じた適切な体重増加が望まれます。

「やせ」の妊婦は、「切迫早産」「早産」「胎児発育不全」「低出生体重児」などのリスクが増加します。また、妊娠中の体重増加が不良の場合、産まれてきた子どもは将来「糖尿病」「高血圧」「脂質代謝異常症」などの生活習慣病のリスクが増加します。
また、「肥満」の妊婦は、「妊娠糖尿病」「巨大児」「肩甲難産」、「妊娠高血圧症候群」「死産」「胎児機能不全」「児の神経管閉鎖障害」などのリスクが高く、「帝王切開術」になる可能性も高くなります。

妊娠前から適切な体重管理をおこなうとともに、妊娠前の体格に応じた適切な体重管理が望まれるのです。

高齢者

高齢者では「やせ」(低体重)による健康リスクに注意する必要があります。

高齢者では、「やせ」によって、基礎疾患が悪化するリスクが上がります。また、免疫力が低下し感染に対する抵抗力が低下します。また、筋力などの身体機能が低下し、「日常生活度」(ADL)や「生活の質」(QOL)が低下し、ひとりで自立して生活することが出来なくなってしまいます。
さらに、「やせ」そのものによって、「全身倦怠感」「めまい」「不眠」「体温低下」「浮腫」などの症状がおこります。

高齢者では、「やせ」(低体重)によるこれらの健康リスクに注意する必要があるのです。

まとめ

(健康のための具体的行動)
1.やせすぎない
2.太りすぎない
3.ライフステージに応じた適正体重を

みなさんにとって「健康」というものがとても大切です。

しかし、普段の忙しい日常の中で、「自分のからだ」や「健康」について意識する機会はそう多くはないかと思います。

病気をしたときに、はじめて今まで「健康」で過ごせたことがありがたいを感じるようになる人が多いです。そして、病気をしたときには手遅れになっていることもあります。

「健康」である今、健康について考えておくことが必要なのです。

「健康」であることが、「仕事」「家事」「育児」「介護」「遊び」などすべての活動をおこなう上で前提となります。
「健康」であることが、何よりも大切なのです。

人生100年時代です!

長い人生をよりよく生きるために、「健康」について改めて考えてみてはいかがでしょう。

この記事によって、「体格による健康への影響」についての理解が深まり、一人でも多くの人が健康的に日々の生活を送ることを願っています。

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