結論ですが
産後に母乳の出が悪いときには、産婦人科受診をすすめます。
この記事は、「お産を終えた女性」向けに書いています。
産後のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。
この記事を読むことで「母乳の出を改善する方法」についてわかります。
お産を終えてしばらくすると、おっぱいが張ってくるようになります。
これは、産後赤ちゃんにあたえる母乳がつくられるようになるためです。
とくに初めてのお産だと、おっぱいのハリに痛みをともなうことも多いです。
おっぱいが張ってきても、なかなか母乳が出てこないこともあります。
愛する我が子に授乳したいけど、母乳が出ないという状態は、母親としてかなりシンドイかと思います。
今回は「母乳の出を改善する方法」について説明していきたいと思います。
この記事のまとめ
- 母乳は血液を材料にして作られて、ホルモンによって母乳の分泌が調整されています。
- 「貧血」「ストレス」「ホルモン異常」「授乳の仕方」「乳腺炎」などによって母乳の出は悪くなってしまいます。
- 母乳の出がよくなるように、それぞれ対策することが大切です。
母乳はどのようにして出来ますか?
結論をいうと母乳は血液を材料にして作られて、ホルモンによって母乳の分泌が調整されています。
まず、乳腺の組織で血液を材料にして母乳が作られます。
そして、「プロラクチン」というホルモンによって乳汁が分泌されます。赤ちゃんが乳頭を刺激すると、「プロラクチン」と「オキシトシン」の分泌が促されるため、さらに母乳が作られて分泌されることになります。
つまり、母乳を出すためには「授乳をする」ということが重要になります。
母乳の出が悪くなる原因と対策
貧血
貧血になって、母乳の材料である血液が足りなくなると、母乳の出が悪くなります。
お産のときの出血量が多く「貧血」になってしまう場合があります。すると母乳の材料である血液が足りなくなり、母乳の出が悪くなります。
また、栄養不足(とくに鉄分不足)から鉄欠乏性貧血になったりすると同様に母乳の出が悪くなります。さらに、「水分不足」「血行不良」「冷え」などによって、血液の流れが悪くなると、母乳をつくる乳腺の組織への血流が悪くなり母乳の出が悪くなります。
対策として、貧血を改善することが大切です。鉄分を多く含む食事を摂取したり、必要があれば鉄分の薬をもらうようにしましょう。また、適切に水分摂取を行うようにして、血行を良くし、体を冷やさないようにしましょう。
ストレス
ストレスによってホルモンバランスが乱れるため母乳の出が悪くなります。
脳から分泌される「プロラクチン」「オキシトシン」といったホルモンによって母乳の分泌が調整されています。産後は、「慣れない育児」の悩みや不安、夜間の授乳による「睡眠不足」、「環境の変化」などからストレスがとてもかかります。
ストレスが脳で感知して、ホルモンバランスが乱れるため母乳の出が悪くなります。
対策として、うまくストレスを発散する方法を探しましょう。たとえば、気の合うママ友を見つけておしゃべりをする、運動をして気持ちの良い汗をかくなどオススメです。
また、睡眠不足になりがちなので、可能であればパートナーや両親に赤ちゃんの面倒をみてもらうなどして睡眠時間を確保するようにしましょう。
ホルモン異常
脳から分泌される「ホルモン異常」があると母乳の出が悪くなります。
とくに脳から分泌される「プロラクチン」というホルモンによって母乳の分泌が調整されています。過去に「糖尿病」「多嚢胞性卵巣症候群」「甲状腺機能異常」「その他ホルモン異常」などの病気が指摘されていた場合、「プロラクチン」の分泌異常をおこし、母乳の出が悪くなっている場合があります。
対策として、過去にホルモン異常を指摘されたことがある場合には、そのかかりつけの医師に相談してみるようにしましょう。また、何をしても母乳の出が悪い場合には、「プロラクチン」含めホルモンの検査などを担当医と相談するようにしましょう。
授乳の仕方
適切な授乳がされないと母乳の出が悪くなります。
繰り返しですが、授乳をすること自体が母乳の出を良くするのにつながります。
母乳の出を良くするのに適切な授乳(とくに授乳姿勢・授乳間隔・授乳回数など)が重要です。
とくに授乳姿勢が悪いと、赤ちゃんのくわえが悪くなり、うまく母乳が出てくれません。また、授乳間隔が空きすぎてしまったり、回数が少ないと母乳の出が悪くなってしまいます。
対策としては、正しい授乳姿勢と吸着を心がけるようにしましょう。授乳のときは、赤ちゃんをママにぴったりとくっつくように抱っこをして、おっぱいを深くしっかりとくわえさせるようにしましょう。
また、授乳時間や回数を制限しないで、基本的には赤ちゃんのペースに合わせて欲しがるだけあげることを心がけるようにしましょう。そして、ミルクの補足は必要に応じておこなうようにしましょう。
乳腺炎
とくに片方からのおっぱいの出が悪い場合や、赤く腫れたりした場合は乳腺炎が考えられます。乳腺炎はおもに「うっ滞性乳腺炎」と「化膿性乳腺炎」の2つあります。
「うっ滞性乳腺炎」は、母乳の通り道である「乳管」が狭かったり詰まったりして乳腺の炎症をおこします。そこに細菌感染すると「化膿性乳腺炎」となります。いずれも母乳の流れが悪くなったり、痛みからうまく授乳することが出来ず、母乳の出が悪くなります。
対策としては、「うっ滞性乳腺炎」に対して「母乳の流れ」をしっかりとつくってやることです。積極的に「授乳」「搾乳」や「乳房マッサージ」をすることで、母乳の流れがよくなります。また、痛みで乳房を触るのが大変なときには「痛み止め」を使うこともあります。
また、「葛根湯」という漢方薬は母乳の出がよくなる効果があるので、使用することもあります。
「化膿性乳腺炎」に対しては、細菌をやっつける「抗生物質」を使って治療します。化膿性乳腺炎が重度になると、母乳の通り道に膿がたまってしまうことがあります。その場合は切開をして、たまった膿を出してやる処置「切開排膿」が必要になります。
まとめ
- 母乳は血液を材料にして作られて、ホルモンによって母乳の分泌が調整されています。
- 「貧血」「ストレス」「ホルモン異常」「授乳の仕方」「乳腺炎」などによって母乳の出は悪くなってしまいます。
- 母乳の出がよくなるように、それぞれ対策することが大切です。
愛する我が子に授乳したいけど、母乳がなかなか出ない場合、母親としてかなりシンドイかと思います。
体調不良だったり、環境の変化などで、産後は大変な時期です。
一人で抱え込まないで、まわりに助けを求めるようにしましょう。
そして、どうしても母乳が出ないときには、産婦人科を受診したり、お産のプロである助産師さんに相談するようにしましょう。
この記事によって「母乳の出を改善する方法」についての理解が深まり、産後も快適に過ごせるひとが一人でも多くなることを願っています。
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