結論ですが、
「月経症状」の悩みがある場合、婦人科を受診して相談するようにしましょう。
この記事は「婦人科の受診で悩んでいる」女性に向けて書いています。
婦人科受診に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「月経症状」についてわかります。
月経の痛みがひどいです…
月経の量が多いかもしれないです!?
月経をずらしたいです!!
これらの悩みにお答えします。
現代人は、晩婚化や子どもを産む回数が減っていることから、月経回数がとても増えています。
それともなって、月経に関する症状に悩まされる人も多いです。
今や「月経症状」を解決することは社会命題ともいえます。
では、月経症状に悩まされているときに、どのような流れで診察をするのか?
今回は、当院における「月経症状の診療」について紹介していきたいと思います。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
この記事のまとめ
月経症状について
月経症状として、「月経痛」「過多月経」「無月経」「月経前症候群」「月経移動」などがあります。
月経にともなう症状で悩まされている人は多いかと思います。
たとえば、月経の時に痛みがひどい「月経痛」、月経の量が多い「過多月経」、月経が来ない「無月経」、月経前の症状で悩まされる「月経前症候群」、予定などがあった月経の時期をずらしたい「月経移動」などがあります。
では、月経症状について、順にみていきましょう。
1.月経の痛み
月経困難症とは
月経困難症とは、「月経にともなう症状」によって日常生活に支障をきたし、治療対象になるものをいいます。
とくに、「月経痛」で悩まされる人が多いです。他にも、「お腹のハル感じ」「腹痛」「腰痛」「頭痛」、「抑うつ」「イライラ」「疲労感」などの症状が起こります。
月経困難症の検査
月経困難症では、エコーなどの「画像検査」、必要に応じて「おりもの検査」「血液検査」などが行われます。
「画像検査」では、月経困難症の原因となる病変がないか確認します。
「おりもの検査」では、「クラミジア」「淋菌」などおなかの痛みを来すような感染症がないか確認します。「血液検査」では、炎症反応を確認して感染症の可能性などを確認します。
月経困難症の治療
月経困難症の治療は、月経痛の症状の改善、原因となる病気に対する治療などが行われます。
月経の痛みに対して、「NSAIDs」などの「痛み止め」が使われることが多いです。
他にも「低用量ピル」や「漢方薬」「鎮痙薬」などの薬を使用したり、「子宮内避妊具」を子宮内に挿入することもあります。
また、「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「子宮内膜症」などの月経痛を来たす病気がある場合には、対症療法と並行して、これらの病気への治療を検討します。
2.月経の量が多い
過多月経とは
過多月経は、月経の量が多く「140ml以上」のときをいいます。
月経の量の正常範囲は「20ml-140ml」です。ちなみに、月経の量が「20ml以下」だと「過少月経」といいます。
過多月経の検査
過多月経では、エコーなどの「画像検査」、「血液検査」、「子宮がん検診」、「妊娠検査」などが行われます。
「画像検査」では、過多月経の原因となる病変がないか確認します。
「血液検査」では、貧血の程度、血液のかたまりやすさなどを確認します。
「子宮がん検診」では、過多月経の原因として「子宮頸がん」や「子宮体がん」などが隠れていないか確認します。
「妊娠検査」は、妊娠の可能性があるときにおこなわれ、妊娠の異常にともなう出血の可能性がないか確認します。
過多月経の治療
過多月経の治療は、月経の量をおさえる薬、子宮内避妊具、手術などが行われます。
月経の量をおさえるために、「止血剤」や「低用量ピル」や「漢方薬」などの薬を使用したり、「子宮内避妊具」を使います。
早く出血を止めたい場合は「子宮内膜掻爬(そうは)術」が行われたり、希望があれば「子宮全摘出術」などの手術が行われます。
3.月経が来ない
続発性無月経とは
続発性無月経とは、今まであった月経が「3ヶ月以上」来ない場合をいいます。
ちなみに、18歳になっても1回も月経がない状態であれば「原発性無月経」といわれます。
続発性無月経の検査
続発性無月経では、エコーなどの「画像検査」、「妊娠検査」「血液検査」などが行われます。
「画像検査」では、無月経の原因となる病変がないか確認します。
「妊娠検査」では、妊娠による無月経なのか確認します。
「血液検査」では、無月経の原因となるホルモン異常や閉経状態などを確認します。
続発性無月経の治療
続発性無月経の治療は、診断的治療が行われたり、明らかな原因があればその治療が行われます。
無月経の治療では、「プロゲステロン」単剤や、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つのホルモン剤を使って月経を起こす診断的治療が行われます。
また、「甲状腺機能異常」「高プロラクチン血症」「多嚢胞性卵巣症候群」などの明らかな原因があればその治療が行われます。
4.月経前の症状がつらい
月経前症候群とは
「月経前症候群」(PMS)とは、「月経の3日から10日前」の間に様々な症状を認め、月経が来ると症状が改善して消失し、日常生活に支障を来たすものをいいます。
「腹痛」「頭痛」「乳房痛」「むくみ」など身体的症状、「情緒不安定」「イライラし」「抑うつ」など精神症状などさまざまな症状を来します。
月経前症候群の診断
月経前症候群の診断は、とにかく症状を確認することが重要です。
「月経前症候群」では、月経の前に毎回症状が現れて、月経がはじまると症状が和らぐことが特徴です。症状が似ている「うつ病」などの病気が隠れている場合があるため注意が必要です。
月経前症候群の治療
月経前症候群の治療は、「対症療法」、「排卵抑制剤」、「生活指導」などが行われます。
痛みに対して「痛み止め」、むくみに対して「利尿薬」、精神症状に対して「抗うつ薬」「抗不安薬」「精神安定薬」などの「対症療法」が行われます。
また、月経前症候群は「排卵」を抑えることで症状が改善することが知られており、「低用量ピル」や「GnRH製剤」などくすりが使われます。
さらに、「症状日記」「カウンセリング」「規則正しい生活習慣」など生活指導が行われます。
5.月経をずらしたい
月経移動とは
月経移動とは、くすりをつかうことで月経が来る日を移動して調整することをいいます。
たとえば、「月経の日と旅行が重なってしまう」「大事な日に月経が来てほしくない」などの悩みがある場合に「月経移動」が行われます。
月経移動の方法
月経移動は、「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンが含まれている「ピル」を使用します。
月経を遅らせたい場合には、「次の月経予定日の5-7日前」から「遅らせたい日」まで中用量ピルを飲みます。
月経を早めたい場合には、「月経3-7日目」から10-14日間以上、低用量ピルもしくは中用量ピルを飲みます。ピルを飲み終わると、およそ2-5日後に月経がおこります。
余裕をもって早めに受診しましょう
月経移動では、「月経を遅らせる方法」、「生理を早める方法」いずれを選ぶにしても、ピルを飲むべき時期が決まっています。
あまりにギリギリに受診した場合は、ピルを飲み始める時期を過ぎてしまうことがあり、月経移動に失敗する可能性が出てきます。
月経移動を希望する場合には、余裕をもって早めに受診するようにしましょう。
まとめ
今回は「月経症状」について説明しました。
月経症状で悩まされているときに、婦人科を受診するかどうか迷ってしまう場合があるかと思います。
勇気を出して婦人科を受診して相談するようにしましょう。
きっとあなたの悩みが解決できます。
月経症状の原因で重大な病気が隠れている場合もあります。
また、月経とうまく付き合えることができると、日常生活をよりよく過ごすことができます。
是非とも勇気を出して早めに受診するようにしましょう。
この記事によって、「月経症状」についての理解が深まり、婦人科受診の悩みが解決し、笑顔で過ごせる人が一人でも多くなることを願っています。
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