ピルの処方【診療の流れ】

結論ですが

ピルを希望する場合には「問診」「診察」「処方」という流れで診療が行われます。

この記事は「ピルを希望する」女性に向けて書いています。
自身の健康への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「ピルの診療の流れ」についてわかります。

ピルが欲しいですがどうすればいいですか?

このような疑問にお答えします。

月経痛がひどい…
月経の量が多い
月経の前の症状がツライ…

このような症状を改善する場合に「ピル」が有効です。

ピルなどのホルモン剤を使う場合には副作用がコワいです!

確かに「ピル」には副作用もあるため、安全に使うためにいくつか注意すべき点があります。

実際にどのような流れでピルが処方されるのか。
今回、当クリニックで行う「ピルの診療の流れ」を参考に紹介したいと思います。

「宮の沢スマイルレディースクリニックHP」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

まとめ

1.問診

症状を確認する

ピルによって改善させたい症状を確認します。

たとえば、「月経の痛み」「月経量が多い」「月経が不規則」「月経の前の症状がツライ」などがあります。これらの症状はピルによって改善します。
また、ピルには「避妊効果」もあるので、今現在に妊娠を希望していないことが前提となります。反対にいうと、妊娠したくない場合に「避妊目的」にもピルが使われます。

ピルの適応か判断する

ピルが治療方法として適切か判断します。

月経による症状を改善する方法は、「ピル」以外にも「鎮痛薬」「漢方薬」「手術」などがあります。ピルによる治療が適切なのか判断します。
なお、治療用のピルである「低用量ピル」(LEP)は、「(子宮内膜症にともなう)月経困難症」が保険適応であり、担当医と診断がつくか相談するようにしましょう。
また、避妊目的のピルである「経口避妊薬」(OC)は自費となるので確認しましょう。

禁忌・慎重投与を確認する

ピルを使ってはいけない場合「禁忌」(きんき)、ピルを慎重に使わなければならない場合「慎重投与」がないか確認します。

「クスリはリスク」という言葉があるように、くすりには「メリット」もあれば副作用などの「デメリット」もあります。
くすりを安全に使える状態なのか確認する必要があります。
ピルの「禁忌」や「慎重投与」をモレなく確認するために問診表を記載しましょう。

2.診察

婦人科診察

「内診」「エコー」「おりもの検査」「子宮頸がん検診」など婦人科診察をおこないます。

「月経困難症」など困っている症状の原因がないか診察を行って確認します。とくに、「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「子宮内膜症」などの病変がないか診察して確認します。
また、腹痛が感染症による場合があるため、必要に応じて「おりもの検査」も行います。
さらに、ピルの内服によって「子宮頸がん」のリスクがごくわずかですが上がります。定期的な「子宮頸がん検診」を行っていない人には、「子宮頸がん検診」も行います。

身長・体重

ピルの服用前に「身長」と「体重」を測定し「BMI」を計算します。

「BMIが30以上」の場合には、血栓症などふくめ心血管疾患のリスクがあがるため、ピルの慎重投与となります。
また、「ピル」と「体重増加」とは直接的な影響はないといわれています。しかし、ピルを使っている時に体重が増えすぎた場合には、ピルの慎重投与が必要になるため、定期的に体重を測定するようにしましょう。

血圧

ピルの服用前に「血圧」を測定します。

上の血圧(収縮期血圧)が「140-159mmHg」、下の血圧(拡張期血圧)が「90-99mmHg」の場合、軽度の高血圧にあたるため、ピルの「慎重投与」となります。
上の血圧(収縮期血圧)が「160mmHg以上」、下の血圧(拡張期血圧)が「100以上」の場合、重度の高血圧にあたるため、ピルを使うことができません。

3.処方

ピルの種類

ピルにはさまざまな種類があるため、どのピルを使うのか相談します。

ピルは大きく分けて、治療目的の「低用量ピル」(LEP)と、避妊目的の「経口避妊薬」(OC)があります。
さらに「21日タイプと28日タイプ」があったり、「フレックス飲み」ができるタイプ、安価な「ジェネリック」のものなどあります。
ご自身に合った「ピルの種類」を相談して選びましょう。

処方日数

ピルの処方は、初めての場合には基本的には「1か月分」(1シート)処方します。

ピルによる副作用などによって薬が合わない場合があるので、ピルを初めて飲み始める人には「1か月分」(1シート)処方します。
副作用がなく、症状が安定している場合には、「3か月分」(3シート)など長期処方していきます。

飲み方

ピルの飲み方にはいくつか注意点があります。

まず、ピルの飲み始めは、月経が来た日(月経1日目)から飲み始めます。そして、21日タイプのものであれば、「21日間の内服」と「7日間の休薬」を繰り返します。
また、ピルを飲み忘れてしまった場合には、飲み忘れのタイミングによって対応が異なりますので、対処法を確認するようにしましょう。

まとめ

今回は「ピルの診療の流れ」について説明しました。

月経にともなう症状はピルによって改善する場合が多いです。
悩んでいる人は、勇気をもって婦人科を受診して相談するようにしましょう。
婦人科は困った人の味方です。

この記事によって「ピルの診療の流れ」についての理解が深まり、受診に対する不安が解消し、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。

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