C型肝炎とは【性感染症】

結論ですが、
C型肝炎は、C型肝炎ウイルスの感染によって引き起こされる肝炎のことです。

この記事は「C型肝炎」について心配している人に向けて書いています。
「C型肝炎」に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「C型肝炎」についてわかります。

ブライダルチェックでC型肝炎の検査を受けるべきですか?
母親がC型肝炎であり、自分は大丈夫か心配です!
いれずみ・ピアスでC型肝炎に感染すると聞きました…

このような悩みで、「C型肝炎」を心配される人がいるかと思います。
「C型肝炎」は性感染症に分類されていますが、血液や体液を介して感染します。

そして、症状がなくても感染している場合があるのです。

今回は、性感染症である「C型肝炎」について、説明したいと思います。

この記事のまとめ

  • C型肝炎は、「C型肝炎ウイルス」の感染によって引き起こされる肝炎のことです。
  • C型肝炎は持続感染すると、「慢性肝炎」から「肝硬変」「肝がん」につながる可能性があります。
  • C型肝炎は、「インターフェロン」や「抗ウイルス薬」、「肝庇護薬」などで治療します。
  • C型肝炎は、「ワクチン」がないため、予防のために「水平感染予防」を行いましょう。

C型肝炎とは

C型肝炎とは

「C型肝炎」は、「C型肝炎ウイルス」の感染によって引き起こされる肝炎のことです。
現在日本では約100万人程度の「C型肝炎ウイルス感染者」がいるとされています。
「慢性肝炎」「肝硬変」「肝がん」の約60%が「C型肝炎ウイルス感染者」であり、注意が必要な疾患です。

感染経路

「C型肝炎ウイルス」は、血液を介して感染します。
「性行為」や「輸血」「出産時の母子感染」「いれずみ」「注射器の使いまわし」などが主な感染経路になります。また、「皮膚のキズ」などから血液が入ることによって感染することもあります。

潜伏期

「C型肝炎ウイルス」の潜伏期は「2週間から6ヶ月」です。

C型肝炎の症状

急性期

「C型肝炎ウイルス」に感染しても、感染者の約80%は症状が全く現れません。
感染者の急性期症状では、「全身倦怠感」「食欲低下」「吐き気・おう吐」「黄疸」「褐色尿」「灰白色便」などの症状が現れます。C型肝炎では、激しい肝炎を起こして「劇症肝炎」になることはほとんどないです。

慢性期

「C型肝炎ウイルス」が持続感染すると、「慢性肝炎」から「肝硬変」「肝がん」につながる可能性があります。
繰り返しですが、「C型肝炎ウイルス」に感染しても、感染者のほとんどは症状が全く現れません。しかし、「C型肝炎ウイルス感染者」の60-80%の人では、ウイルスが自然に排除されることなく、慢性的に肝炎が起こります。そして、「慢性肝炎」から「肝硬変」「肝がん」につながる可能性があるのです。

C型肝炎の検査

「C型肝炎ウイルス」は「血液検査」で調べます。
C型肝炎ウイルスの抗原や抗体を検査することで、C型肝炎ウイルスの持続感染などを評価します。

HCV抗体

「HCV抗体」は、C型肝炎ウイルスの抗体を調べる検査です。
「HCV抗体」が陽性の場合は、C型肝炎ウイルスに一度は感染したことを示します。
つまり、C型肝炎ウイルスに感染して現在も持続感染している人と、C型肝炎ウイルスに感染したけど治癒をしてウイルスのいない状態の人が含まれます。

HCV-RNA定量検査

「HCV-RNA定量検査」は、血液中にC型肝炎ウイルス遺伝子があるか調べる検査です。
「HCV-RNA定量検査」が陽性の場合は、血液中にC型肝炎ウイルスが存在しており、現在C型肝炎ウイルスに感染していることを示します。

C型肝炎ウイルス型

C型肝炎ウイルスが存在していることがわかったら、治療法を選択するために「C型肝炎ウイルス型」を調べる検査が行われます。
C型肝炎ウイルスは、おもに1型から7型の7つのジェノタイプに分けられ、それぞれサブタイプがあります。日本におけるC型肝炎感染者の約70%がジェノタイプ1型、つぎにジェノタイプ2型、3-7型はわずかです。

C型肝炎の治療

インターフェロン

「インターフェロン」は、C型肝炎ウイルスを排除する免疫反応を高めて、治療する注射の薬です。
以前は「インターフェロン」の注射による治療が主流でしたが、効果が不十分で、副作用も多いです。その後、「インターフェロン」「リバビリン」「抗ウイルス薬」の併用療法、「インターフェロンフリー」療法と治療方法が変遷しています。

抗ウイルス薬

「リバビリン」は、C型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス薬です。
以前の主流だった「インターフェロン」での治療では、日本人に多いC型肝炎ウイルスの「ジェノタイプ1b型」というタイプへの有効率が低いことが問題でした。
「リバビリン」は、C型肝炎ウイルスの「ジェノタイプ1b型」に効果があり、「インターフェロン」と併用した治療が行われました。しかし、現在はさまざまな「抗ウイルス薬」が登場しており、「インターフェロン」を使わない治療が主流になっています。
リバビリン以外にも「ソホスブビル」「レジパスビル」「エルバスビル」「グラゾプレビル」「グレカプレビル」「ピブレンタスビル」「ベルパタスビル」などさまざまな抗ウイルス薬があり、C型肝炎ウイルスの型に応じて治療が行われます。

肝庇護療法

肝臓の炎症に対して、「ウルソデオキシコール酸」や「グリチルリチン」などの肝庇護薬が使われます。
抗ウイルス薬で「C型肝炎ウイルス」が排除されない一部の人には、少しでも肝炎をおさえる目的で、「ウルソデオキシコール酸」や「グリチルリチン」などの肝庇護薬が使われます。

C型肝炎の予防

ワクチンはない

現在、C型肝炎に対する「ワクチン」はありません。
したがって、C型肝炎ウイルスの感染の予防は、「水平感染予防」を行っていくことになります。

水平感染予防

「C型肝炎ウイルス」は、血液を介して感染する可能性があるため、その予防をしましょう。
具体的にいうと、以下のような点に気を付けましょう。

(B型肝炎の感染予防のために)
歯ブラシ・かみそりなどを共用しない
注射器の使いまわしをしない
いれずみやピアスをするときには適切に消毒された器具を使う
性行為による感染予防のためにコンドームを使う
他人の血液を触るときにはゴム手袋を使う

まとめ

  • C型肝炎は、「C型肝炎ウイルス」の感染によって引き起こされる肝炎のことです。
  • C型肝炎は持続感染すると、「慢性肝炎」から「肝硬変」「肝がん」につながる可能性があります。
  • C型肝炎は、「インターフェロン」や「抗ウイルス薬」、「肝庇護薬」などで治療します。
  • C型肝炎は、「ワクチン」がないため、予防のために「水平感染予防」を行いましょう。

今回は「C型肝炎」について説明しました。

もし、症状がなくても…

パートナーが「C型肝炎」だとわかった
性行為を仕事で行っている人
ピアス・いれずみを入れている

など「C型肝炎」の感染が心配な場合には、内科や婦人科を受診して相談するようにしましょう。

「C型肝炎」は症状がなくても感染している場合があります。
心配であれば、勇気を出して受診して相談するようにしましょう。

この記事によって、「C型肝炎」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。