おしっこが出なくなりました!?【尿閉】

結論ですが

尿閉とは、膀胱からおしっこを排出できなくなった状態のことです。

この記事は「症状で困っている」女性に向けて書いています。
女性特有の症状の悩みが解決できればと思っています
この記事を読むことで「尿閉」についてわかります。

  • おしっこが全然出ないです!
  • 下腹部が腫れています!!
  • おしっこしたい感じはあるのですが…


このような症状で悩んでいるときには「尿閉」である可能性があります。

おしっこの悩みは、なかなか人に相談できないかと思います。
ひとりで抱え込んでしまっている場合も多いです。

「尿閉」と診断された場合は、どうすればいいの?
この疑問にお答えします。

今回は「尿閉」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • おしっこは、「腎臓」で作られて、「尿管」を通って「膀胱」の中に貯められ、「尿道」を通って排出されます。
  • 尿閉とは、「膀胱」からおしっこを排出できなくなった状態のことです。
  • 尿閉は、「下部尿路閉塞」「くすり」「膀胱の機能異常」などが原因です。
  • 尿閉には、「エコー検査」「血液検査」「尿検査」などの検査が行われます。
  • 尿閉は、「根本原因の治療」「導尿」「尿バルーン」「膀胱穿刺」「膀胱瘻」などの治療があります。

そもそも尿はどのように出来ますか?

おしっこは、「腎臓」で作られて、「尿管」を通って「膀胱」の中に貯められ、「尿道」を通って排出されます。
おしっこは、「腎臓」で血液から不純物をこしだす形で作られます。ちなみに通常腎臓は左右あり合計で2個あります。作られたおしっこは「尿管」を通って「膀胱」の中に貯められます。膀胱の中に十分おしっこが貯まると、おしっこしたい感じ「尿意」が出てきて、「尿道」を通って排出されて「排尿」されます。

尿閉とは何ですか?

尿閉とは、「膀胱」からおしっこを排出できなくなった状態のことです。
おしっこは、「腎臓」で作られて、「尿管」を通って「膀胱」の中に貯められ、「尿道」を通って排出されます。「膀胱」に貯められたおしっこが、何かしらの原因で排出できなった状態のことを「尿閉」といいます。

尿閉の原因は何ですか?

下部尿路閉塞

膀胱の出口から尿道にかけてのおしっこの通り道のことを「下部尿路」とよばれます。「下部尿路」が狭くなった状態の場合、膀胱の中のおしっこをうまく排出することができず「尿閉」となります。
下部尿路閉塞の原因として、「血尿による血液のかたまり」「便秘による便のかたまり」、女性であれば「子宮筋腫」「子宮頸がん」、男性であれば「前立腺肥大症」などが挙げられます。

くすり

くすりの作用によって、膀胱の出口がうまく開くことが出来なくなって「尿閉」となります。
とくに、「抗ヒスタミン薬」「抗うつ薬」など抗コリン作用があるくすりが原因となります。

膀胱の機能異常

「膀胱」の中におしっこが十分貯められると、おしっこしたい「尿意」を感じます。そして、おしっこしようとすると「膀胱の収縮」と「膀胱の出口の弛緩」がおこり、おしっこは排出されます。しかし、その膀胱の機能を司っている「神経」などに異常があると「尿閉」となります。「糖尿病」「多発性硬化症」「パーキンソン病」「手術による膀胱の神経損傷」などが原因として挙げられます。

尿閉と無尿

おしっこが出なくなった場合、「尿閉」と「無尿」の可能性を考えます。
「尿閉」とは膀胱からおしっこを排出できなくなった状態のことです。
それに対して、「無尿」とは腎臓でおしっこが作られなくなった状態のことです。
おしっこが出なくなる症状がみられた場合には、「尿閉」なのか「無尿」なのか診断することが重要になります。

尿閉の検査

エコー

エコー検査で膀胱の中におしっこが貯まっているか確認します。
膀胱の中におしっこが貯まっていれば「尿閉」、貯まっていなければ「無尿」の可能性が高くなります。また、膀胱の出口をさまたげる病変がないか同時に検査します。

血液検査

血液検査によって、「腎臓の機能」を確認したり、「炎症反応」などの上昇がないか確認します。また、男性であれば「PSA」を測定して前立腺の病気の可能性を検査します。

尿検査

尿検査によって、「尿路感染」(おしっこの感染していないか)、「血尿」(おしっこに血液が混ざっていないか)、「蛋白尿」(腎臓の病気でおしっこに蛋白が出てきていないか)など確認します。

尿閉の治療

根本原因を治療

尿閉となっている原因を治療します。
たとえば、「便秘」が原因の場合にはその治療を行います。また、「子宮筋腫」や「子宮頸がん」が原因の場合はその病変を除去する手術をおこなったり、「前立腺肥大症」が原因の場合は前立腺を小さくする薬を使ったり、その病変を除去する手術をおこなったりします。
また、くすりが原因であった場合には、そのくすりを変更もしくは中止します。

導尿

おしっこの出口である「尿道口」からカテーテルという細い管をいれて、膀胱にたまっているおしっこを排出します。

尿バルーン

尿閉が継続している場合、おしっこの出口である「尿道口」から「カテーテル」という細い管をいれて「尿バルーン」を留置します。膀胱にたまるおしっこは、「カテーテル」を通じて「尿バルーン」に貯まるようになります。

膀胱穿刺

尿道が完全に閉塞してしまっている場合は、「導尿」や「尿バルーン」を挿入することが難しいです。その場合は、お腹の上から、おしっこが貯まっている膀胱を穿刺して、「カテーテル」を挿入して、膀胱に貯まっているおしっこを排出させます。

膀胱瘻(ぼうこうろう)

尿道が完全に閉塞してしまっている場合は、「導尿」や「尿バルーン」を挿入することが難しいです。その状態がずっと続く場合には、「膀胱瘻」(ぼうこうろう)という、膀胱から直接おしっこを排出させる通り道をつくる手術が必要になります。

まとめ

  • おしっこは、「腎臓」で作られて、「尿管」を通って「膀胱」の中に貯められ、「尿道」を通って排出されます。
  • 尿閉とは、「膀胱」からおしっこを排出できなくなった状態のことです。
  • 尿閉は、「下部尿路閉塞」「くすり」「膀胱の機能異常」などが原因です。
  • 尿閉には、「エコー検査」「血液検査」「尿検査」などの検査が行われます。
  • 尿閉は、「根本原因の治療」「導尿」「尿バルーン」「膀胱穿刺」「膀胱瘻」などの治療があります。

おしっこの症状で悩んでいる場合、どうすればいいのかわからないかと思います。
とくに日常生活に支障が出てくる場合や、症状がひどくて困っている場合には、専門医を受診するようにしましょう。

女性であれば、婦人科や泌尿器で、男性であれば泌尿器科で相談するようにしましょう。

ただし、婦人科でもおしっこの症状を診察することが出来ない場合もあるので、事前に調べておくと良いでしょう。

婦人科の受診は、ためらわれる人が多いかと思います。

女性のデリケートな部位の診察になるので、受診のハードルは高いかと思います。

おしっこの症状で悩んでいる場合には勇気をもって受診するようにしましょう。婦人科は困った人の味方です。
この記事によって「尿閉」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。