お産は痛みのオンパレード

結論ですが

「お産」は、人生における痛いことが凝縮していると言われてます。

この記事は「妊娠している」女性に向けて書いています。
妊娠・出産に関する疑問が解決できればと思っています
この記事を読むことで「お産にともなう痛み」についてわかります。

お産は「人生における痛いこと」が凝縮していると言われます。

妊娠をしている女性であれば、
「赤ちゃんに早く会いたい」という希望とともに
「お産のときの痛み」という不安もあるでしょう。

自分の母親や先輩ママから、お産のときの痛い体験を聞くと、とてもおそろしくなることでしょう。
じつは、出産のときの「陣痛の痛み」をメインに聞くことが多いかと思いますが、それ以外にも痛い経験をします。
具体的にいうと、「陣痛」以外に「産道裂傷」「会陰切開」「裂傷の縫合」「後陣痛」などさまざまな痛みがあります。

今回は「お産にともなう痛み」について説明します。

この記事のまとめ

  • 「陣痛」は、赤ちゃんを産み出すときに、子宮が規則的に収縮する痛みをいいます。
  • 赤ちゃんが産道を通るときに痛みます。
  • 「産道裂傷」は、赤ちゃんが出てくる通り道が裂けてしまい痛みます。
  • 「会陰切開」は、「産道裂傷」を予防するためにおこないます。
  • 「産道裂傷」や「会陰切開」のキズを「縫合」する必要がありますが、そのときに痛みを感じます。
  • お産が終わった後、子宮が元の大きさに戻ろうとする時に「後陣痛」という痛みがあります。

「陣痛」の痛み

赤ちゃんを妊娠して出産するときに「陣痛」があります。
これは、赤ちゃんを産み出すために、子宮が規則的に収縮するため、「陣痛」の痛みを感じるのです。
おそらく、みなさんこの痛みが心配かと思います。
陣痛の痛みはいろんな表現をされています。
たとえば、

  • 鼻からスイカが出てくるような痛み
  • 腰の骨が真っ二つに折れてしまうような痛み
  • 長年の便秘を出したいのに出ない痛み
  • 腰の上をダンプカーで引かれたような痛み
  • 生理痛のマックスレベル

などなど
男には経験することができない痛みですが、とても痛そうです。

「産道裂傷」の痛み

お産の時に、赤ちゃんが出てくる通り道のことを「産道」とよばれます。
とくに赤ちゃんが「産道」の最後の部分を通るときに「会陰」や「腟壁」がひき伸ばされて裂けてしまい「会陰裂傷」や「腟壁裂傷」などの「産道裂傷」がおこります。
「会陰」や「腟壁」だけでなく、ときには「肛門括約筋」や「直腸」まで裂けてしまうことや上のほうの「尿道口」や「陰核」の方まで裂けてしまうことがあります。
お産の進行が早い場合には、「頸管裂傷」という子宮の入り口の部分が裂けてしまうこともあります。
陣痛の痛みやお産がおわった安堵感で、あまり自覚しない人もいますが、産道の裂傷はとても痛そうです。

赤ちゃんが産道を通るときの痛み

繰り返しですが、お産の時に、赤ちゃんが出てくる通り道のことを「産道」とよばれます。
赤ちゃんは狭い産道をからだを回転させながら通過します。
そして、赤ちゃんの頭は細長く変形して、母親の骨盤は広がって、赤ちゃんが少しでも通過しやすいようになります。

赤ちゃんが産道を通過するときに、

  • 骨盤が広がるような痛み
  • 肛門が押されて持っていかれるような痛み
  • 赤ちゃんが挟まったような痛み

などさまざまな痛みを感じます。

「会陰切開」の痛み

お産の時に赤ちゃんが出てきやすくするために「会陰切開」をすることがありますが、そのときに痛むことがあります。実際には、陣痛の痛みにまぎれて「会陰切開」することが多く、その場ではあまり痛みを感じないことが多いです。もちろん、「痛み止めの注射」をしてから「会陰切開」をおこないます。
なお、「会陰切開」は、先ほど説明した「産道裂傷」を予防するためにおこないます。
「産道裂傷」のキズの部分は挫滅(ざめつ)している場合や複雑な場合が多く、縫合が難しくなる場合があります。「会陰切開」のキズは比較的縫合しやすいため、必要があれば「会陰切開」をする流れとなります。

「縫合」の痛み

産道が裂けてしまった場合、それを縫合する必要があります。
縫合をするときに、針が通るため痛みを感じます。
もちろん、縫合をするときには「痛み止めの注射」をしてからおこないます。
ハリのチクチクした鋭い痛みは落ち着くことが多いですが、針を通して糸をひっぱるときの感覚は残る場合が多いため、その感覚から痛みを感じる場合が多いです。

「後陣痛」の痛み

お産が終わった後、子宮が元の大きさに戻ろうとする時に「後陣痛」という痛みがあります。
分娩では、子宮の中の「赤ちゃん」が始めに出てきて、つぎに「胎盤」「へその緒」(臍帯)などが出てきます。
子宮の中のものが出たら、子宮は元の大きさに戻ろうとしますが、そのときに「後陣痛」という痛みがあります。なお、「こうじんつう」または「あとじんつう」と呼ばれます。
これは、生理のときの痛みを強くした感じで経験されます。
授乳するときに「オキシトシン」というホルモンが分泌されて、子宮の収縮が促されるため、授乳のときに「後陣痛」を感じる場合が多いです。
「後陣痛」は、しっかりと子宮が元の大きさに戻っているサインにもなります。

まとめ

  • 「陣痛」は、赤ちゃんを産み出すときに、子宮が規則的に収縮する痛みをいいます。
  • 赤ちゃんが産道を通るときに痛みます。
  • 「産道裂傷」は、赤ちゃんが出てくる通り道が裂けてしまい痛みます。
  • 「会陰切開」は、「産道裂傷」を予防するためにおこないます。
  • 「産道裂傷」や「会陰切開」のキズを「縫合」する必要がありますが、そのときに痛みを感じます。
  • お産が終わった後、子宮が元の大きさに戻ろうとする時に「後陣痛」という痛みがあります。

これらの痛みを乗り越えて、新たな命を誕生させる母親は本当にスゴイと思います。

ひとはお産のときの痛みを思うと、もうお産はしたくないと思います。
そして、お産のときの痛みを”忘れる”ので、つぎの子供をまた作ると言われています。
ヒトが子孫繁栄させるための仕組みで奥深いですね。

最近では、医療の発展のため安全にお産ができるようになってきました。
以前は、お産は命がけのイベントでした。
お産は、さまざまな痛みもともなうし、命の危険にさらされるのです。

改めてこどもを産んだ母親を尊敬します。
自分のお腹を痛めて産んだこどもへの愛情は、ひとしおだと思います。

この記事によって「お産にともなう痛み」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。