妊活で大切な「のびおり」とは?【おりものの変化】

結論ですが

「排卵のタイミング」をつかむために「おりもの」の変化を意識するようにしましょう。

この記事は「妊活中の女性」に向けて書いています。
妊活に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています
この記事を読むことで「のびおり」についてわかります。

妊娠が成立するためには、「精子」と「卵子」が受精する必要があります。
妊娠をしたい場合、「排卵のタイミング」にあわせて性交渉をおこなうことがとても重要になります。精子の寿命と、排卵後の卵の寿命をかんがえて性交渉をおこなう必要があります。

排卵の5日前から排卵日までを「fertile window」と呼ばれ、その期間に性交渉をすると妊娠することが可能です。その中でも、とくに「排卵の2日前から排卵前日まで」にタイミングをあわせると妊娠する可能性が高くなります。

「排卵のタイミング」をつかむことが、妊娠を成立させるために非常に重要となります。

「排卵のタイミング」をつかむために「おりもの」の変化が大切なのですが、今回はそこにフォーカスしていきたいと思います。そして、ちまたで言われている「のびおり」とは何なのかも説明したいと思います。

この記事のまとめ

  • 「のびおり」とは「おりもの」が伸びやすい状態になったことをいいます。
  • おりものの量が増えて、牽糸性が増して、サラサラになり、結晶がみえるような状態になったら「排卵」が近いと判断します。
  • 「おりもの」以外にも、「基礎体温」「LHサージ」「子宮内膜」「卵胞の大きさ」を確認することで「排卵のタイミング」をつかむことが出来ます。

のびおりとは?

のびおりとは

「のびおり」とは、「おりもの」が伸びやすい状態になったことをいいます。
妊娠するためには「排卵のタイミング」をつかむことが重要です。そして、「排卵のタイミング」をつかむために「おりもの」の変化を意識することが大切です。
ちなみに、「のびおり」になったら排卵が近いと判断することが出来ます。

おりものとは

「おりもの」とは、子宮の入り口にあたる「子宮頸管」(しきゅうけいかん)や「腟」から出る分泌物が混ざったものです。
「おりもの」はさまざまな役割がありますが、排卵が近くなると精子をスムーズに運ぶために、おりものの量や性状は変化します。
具体的に、どのように変化するのか見ていきましょう。

おりものの変化

おりものの量が多くなる

排卵が近くなると、おりものの量が多くなります。
精子は「子宮の入り口」から「子宮の中」を通って「卵管」を通って排卵された卵子と受精します。精子が子宮の入り口をスムーズに通りやすくするために、おりものの量は増えるのです。

おりものの牽糸性が増す

排卵が近くなると、おりものは牽糸性が増します(糸がひきやすくなります)。
すると、おりものは伸びやすくなり、いわゆる「のびおり」とよばれる状態になります。
おりものの牽糸性が増すと、精子が子宮の入り口をスムーズに通りやすくなるのです。

おりものがサラサラになる

排卵が近くなると、おりものの性状は「ネバネバ」から「サラサラ」になります。
おりものがサラサラの状態になると、精子が子宮の入り口をスムーズに通りやすくなるのです。

おりものの結晶ができる

繰り返しになりますが、排卵が近くなると、おりものの量は増えて、牽糸性が増し、サラサラの性状になります。
おりものを乾燥させて顕微鏡でみると「結晶」が観察されます。排卵が近くなったおりものは、「シダ状結晶」をつくり、その見た目によって排卵が近い状態なのか判断することができます。

排卵のタイミングをつかむために

通常は、「1回」の月経周期あたり、「1回」卵子が排卵されます。
「卵子」の寿命は約24時間といわれており、妊娠するためには「排卵のタイミング」に合わせて性交渉することが大切です。

その「排卵のタイミング」をつかむ方法は「おりもの」以外にもいくつかあるので紹介します。

基礎体温

「基礎体温」を測定すると「排卵のタイミング」がわかります。

基礎体温を毎日つけていくと、はじめに「低温相」があり、次に「高温相」がある2相性の変化になります。低温期から高温相になる体温が上がってくる直前あたりが「排卵のタイミング」であると分かります。
これは、「卵胞」から卵子が排卵されると、「卵胞」は「黄体」に変化し、体温を上げる作用のある「黄体ホルモン」が分泌されるからです。

つまり、「低温相」から「高温相」になる体温が上がってくる直前あたりが「排卵のタイミング」であるとわかるのです。

LHサージ(排卵チェッカー)

「LHサージ」がわかると「排卵のタイミング」がわかります。

月経の周期に応じて、さまざまなホルモンが周期的に変化します。とくに、脳から「LH」というホルモンが分泌されていますが、「LH」が急に分泌される「LHサージ」という現象が起こると、その後だいたい24時間後くらいに「排卵」が起こります。
つまり、検査で「LHサージ」がわかると「排卵のタイミング」がわかるのです。

ちなみに、医療機関では「LH」を血液検査で測ることが多いですが、尿検査でも判断することができます。これが「排卵日予測検査薬」であり、ドラッグストアなどで売られており、ご自身で確認することが出来ます。

子宮内膜

エコー検査で「子宮内膜」を観察することによって「排卵のタイミング」がわかります。

月経の周期によって子宮内膜の厚さや性状は変わってきます。
排卵が近くなると、エコー検査で子宮内膜を観察すると「3本線」「木の葉状」にみえます。
エコーで子宮内膜を観察して「3本線」「木の葉状」にみえたら、排卵が近いと判断します。

つまり、エコーで子宮内膜を観察することによって「排卵のタイミング」がわかるのです。

卵胞の大きさ

エコー検査で「卵胞の大きさ」を観察することによって「排卵のタイミング」がわかります。

「卵巣」の中に「卵胞」という構造があります。1回の月経の周期に対して1つの「卵胞」のみ(主席卵胞と呼ばれます)大きくなっていきます。「卵胞」が十分に大きくなると(おおよそ20mm程度)、卵胞の中にある卵子が「排卵」されます。

つまり、エコー検査で「卵胞の大きさ」を観察して「20mm程度」あれば排卵のタイミングが近いと判断することが出来るのです。

まとめ

  • 「のびおり」とは「おりもの」が伸びやすい状態になったことをいいます。
  • おりものの量が増えて、牽糸性が増して、サラサラになり、結晶がみえるような状態になったら「排卵」が近いと判断します。
  • 「おりもの」以外にも、「基礎体温」「LHサージ」「子宮内膜」「卵胞の大きさ」を確認することで「排卵のタイミング」をつかむことが出来ます。

妊活を行う上で、「排卵のタイミング」をつかむことはとても重要になります。

「おりもの」は自分で確認することが出来ますので、おりものの変化を観察してみるようにしましょう。
また、「基礎体温」の測定は「自分で出来る」「からだへの負担がない」検査です。
基礎体温を測定できる体温計を買って、基礎体温を毎日測定するようにしましょう。
「基礎体温計」は妊活では必須のアイテムです。

妊活では、なかなか妊娠しないと不安になってしまうかと思います。
しかも年齢を重ねるごとに妊娠率は低下してしまうため焦ってしまうかと思います。
不安や焦りは、とても理解できますが、やれることを一つずつ確実に行っていくことが妊活では大切になるのです。
まずは「排卵のタイミング」をつかむことからはじめてみましょう。

この記事によって「のびおり」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。また、こどもを授かり喜ぶひとが少しでも増えることを願っています。