不妊治療の流れ【具体編】

結論ですが、

不妊治療では、まずはタイミング法から開始し、必要に応じて「排卵誘発」を併用したり、「不妊の検査」を行っていきます。

この記事は「こどもが欲しい」と思っているヒトに向けて書いています。
婦人科受診に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「不妊治療の流れ」についてわかります。

妊娠したいですが、どうすればいいですか?

このような疑問にお答えします。

ここ最近、晩婚化の影響を受け、妊娠・出産する年齢が高くなってきております。

加齢に伴って妊娠率は低下するという事実があるため、

「自分は妊娠する体なのだろうか…」と心配して「不妊症」に関して相談する人は多いです。

子供が減っているこの時代、子供を希望される方はとても貴重です。

当院でも、こどもが欲しいと思っている人のサポートをしたいと思っており、できる限りのことを行いたいと考えております。

今回は、「不妊治療の流れ」について紹介していきたいと思います。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

この記事のまとめ

1.タイミング法

不妊治療では、まずは「タイミング法」を行います。そして、必要に応じて「排卵誘発」を併用したり、「不妊の検査」を行っていきます。

タイミング法は「排卵のタイミング」にあわせて性交渉をおこなう方法です。

「精子の寿命」と「排卵後の卵子の寿命」を考えて性交渉をおこなう必要があります。

排卵の5日前から排卵日までを「fertile window」と呼ばれ、その期間に性交渉をすると妊娠します。中でも、とくに「排卵日の2日前」から「排卵日の前日」にかけてのタイミングが妊娠する可能性が極めて高くなります。

なお、排卵のタイミングは「基礎体温」「LHサージ」(排卵チェッカー)「子宮頸管粘液」「子宮内膜の厚さ」「卵胞の大きさ」などでわかります。

月経周期に応じて、受診すればエコーで排卵のタイミングを把握することができ、より確実なタイミング指導が可能です。

2.排卵誘発

排卵障害がある場合や、妊娠率を上げるために必要な場合には、「排卵誘発」が並行して行われます。

基本的には、「1回」の月経周期に対して、「1回」排卵します。

個人差はありますが、28日周期の月経であれば、だいたい月経14日目あたりに「排卵」します。

不妊症の検査で「排卵障害」がわかった場合には、その原因を探るともに、必要に応じて排卵誘発を行います。

排卵誘発の方法は、「クロミフェン」「セキソビット」など内服薬、「hMG」「hCG」「GnRH」などの注射剤を使う方法があります。
「クロミフェン」や「セキソビット」は月経5日目から5日間内服します。そして、卵胞が十分に発育したら、「hCG」によって発育した卵胞が排卵するのを促します。
また、「hMG」は少ない量から開始して徐々に増量して排卵誘発するのに必要な量を見定めて使用します。「hMG」や「hCG」は自己注射することも出来ます。

それぞれ個人の状態に応じて排卵誘発法は選択されます。

3.不妊の検査

エコー

エコーでは、腟口からエコーを入れて検査します。

子宮や卵巣が腫れていないかなどを評価します。

何回かエコーを行って卵胞がしっかりと発育して排卵するか確認したり、不妊の原因となりうる多嚢胞性卵巣や子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの病変がないか確認します。

おりもの検査

おりもの検査では、不妊の原因となる「クラミジア」「淋菌」などの感染がないか検査します。

「クラミジア」や「淋菌」は感染しても無症状なこともあるため気づかないケースが多いです。無症状でも検査で確認するようにしましょう。

子宮頸がん検診

20歳以上の女性で、子宮頸がん検診を受けていない人は皆さんにすすめています。

子宮頸がん検診では、クスコという器械を使って、「子宮頸部」(子宮の入り口部分)から細胞を採取します。

血液検査

血液検査では、月経周期に応じた「ホルモン値」、「甲状腺機能」「糖代謝」などの検査がおこなわれます。一般的な健康状態をみるために「血球算定」「生化学」「血液型」なども検査が行われます。

また、希望があれば、「抗ミュラー管ホルモン」(AMH)という卵巣予備能を調べる検査や、梅毒・B型肝炎・C型肝炎・HIVなどの「感染症」の検査などがおこなわれます。

なお、「ホルモン値」は月経周期に応じておこなわれるので、かならず検査日程を確認するようにしましょう。

精液検査

精液検査では、精液を顕微鏡でのぞいて、「精子の数」「精子の運動率」「精子の形の異常」などないか確認します。

その他

「子宮卵管造影検査」では、精子・卵・受精卵などの通り道である「子宮内腔」や「卵管」が狭くなっていないか、子宮の形の異常がないかなどを確認します。

なお、当院では「子宮卵管造影検査」を行っておらず、希望があれば他院で検査をお願いしています。

尿検査では「蛋白尿」「尿糖」「細菌尿」などを検査します。

腎臓や尿路感染などの異常がないか確認します。

まとめ

今回は「不妊治療の流れ」について説明しました。

患者さんの中には、不妊治療を受けたら確実に子供ができるだろうと過度に期待し過ぎる方もいます。

また、妊娠するまでにとても長い時間を要する人もいます。

不妊治療では、妊娠率を上げることが出来ますが、何事もそうですが「100%」妊娠が約束されているわけではないのでご留意ください。

焦らずに、じっくりと不妊治療に励むことも大切となります。

今の時代、こどもはとても貴重です。

こどもがいないと、将来の日本が衰退してしまいます。

こどもが欲しいと思っている人をクリニックをあげて全力でサポートしたいと思います。

この記事によって、「不妊治療の流れ」についての理解が深まり、一人でも多くの人が子どもを授かることを切に願っています。

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