結論ですが
不正出血は、月経以外に起こる性器出血のことをいいます。
この記事は「不正出血で困っている」女性に向けて書いています。
婦人科受診への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「不正出血」についてわかります。
不正出血ってなんですか?
このような疑問にお答えします。
月経以外に出血があります!
少量なのですが、出血が続きます…
いつもは問題なかったのですが…
このような場合、とても不安になるかと思います。
月経以外の出血のことを「不正出血」といいます。
今回は、「不正出血」について説明したいと思います。
この記事のまとめ
不正出血とは
不正出血とは、月経以外に起こる性器出血のことをいいます。
女性の場合、約1ヶ月に1回、月経が起こります。月経以外に起こる性器出血のことを「不正出血」または「不正性器出血」とよばれます。
不正出血は、ホルモンの異常やさまざまな病気によって起こります。
排卵期の出血など心配いらないものもありますが、中には重大な病気も隠されていることもあるので注意が必要です。
ということで、順に見ていきましょう。
不正出血の原因
子宮・卵巣・腟などの病変
子宮・卵巣・腟などの女性性器に明らかな病変が原因で、不正出血が起こります。
たとえば、子宮頸がん・子宮体がん・腟がんなどの悪性腫瘍、子宮筋腫・子宮頸管ポリープ・腟炎などの良性疾患によって不正出血を起こします。
なお、明らかな病変があって起こる出血のことを「器質性出血」とよばれます。
女性ホルモンの異常
女性ホルモンの異常によって、不正出血が起こります。
ストレス・環境の変化などによって女性ホルモンのバランスが乱れることによって出血が起こります。とくに、思春期や更年期などホルモンバランスが崩れやすい時期に起こりやすいです。
なお、女性ホルモンのバランスの異常によって起こる出血のことを「機能性出血」とよばれます。
排卵期の出血
月経と月経の間で、排卵期に出血する場合があります。
これは、自然に起こりうる性器出血であり、病気による出血ではありません。
月経と月経の間であることから「中間期出血」や「排卵期出血」とも呼ばれています。
その他
他にも、妊娠した時の出血、性交渉の擦れによる出血、女性器の外傷、甲状腺ホルモン異常、くすりなどによって不正出血が起こります。
不正出血の検査
視診・腟鏡診
「腟鏡」(クスコ)という器械を使って、出血している部分を見て確認します。
出血している部分が、腟の入り口なのか、子宮の入り口からなのか確認します。
なお、腟口から出血を認める場合は「性器出血」ですが、おしっこに出血をみとめる場合は「血尿」、便に出血をみとめる場合は「血便」となります。
内診
内診では、両手を使って、「お腹」からの腹診と「腟口」からの内診指の両方から挟み込むようにして「子宮」や「卵巣」などを診察します。
とくに、「子宮」や「卵巣」が腫れていないか確認します。
エコー
「エコー検査」では、子宮や卵巣が腫れていないか検査します。
基本的には、腟口からエコーを挿入する「経腟エコー」で検査がおこなわれます。
とくに、「子宮の内膜の厚さ」「卵巣は腫れていないか」「排卵している状態なのか」など確認します。
子宮がん検診
「子宮頸がん検診」や「子宮体がん検診」によって「がん」が隠れていないか検査します。
不正出血が「子宮頸がん」や「子宮体がん」からの出血の可能性があるため、それぞれの検査を行います。
血液検査
不正出血の原因となっている「ホルモン異常」や「出血傾向」がないか血液検査を行います。
具体的にいうと、脳や卵巣から分泌されるホルモン、甲状腺ホルモン、血液のかたまりやすさなどを調べます。
不正出血の治療
原因の除去
不正出血を来たすような明らかな原因があれば、それを除去します。
たとえば、ストレスを減らすような生活をしたり、原因となるくすりがあれば変更・中止したりします。また、明らかな病気(子宮頸管ポリープ・外傷・がんなど)がみつかった場合はその治療を優先しておこないます。
ホルモン剤
不正出血を止めるためにホルモン剤を使う場合があります。
ホルモン剤を使うことで、消退出血を起こして不正出血を止めます。
「エストロゲン」「プロゲステロン」という2種類のホルモン剤を周期的に投与したり、「プロゲステロン」という黄体ホルモン剤のみを周期的に投与したりします。
手術
子宮内膜が厚く不正出血が起こっている場合には、「子宮内膜掻把術」が行われます。
厚くなった子宮内膜を除去するとともに、内膜の組織を検査することができます。
「子宮体がん」や「子宮内膜増殖症」が隠れている場合があります。
まとめ
今回は「不正出血」について説明しました。
月経以外に出血あるけどどうしよう…
受診したいけれど、婦人科を受診するのに一歩踏み出せない!
なんだかんだで放置してしまっている…
そんな人は、結構多いです。
婦人科を受診すれば、症状が改善する可能性があります。
気軽に婦人科を受診して相談するようにしましょう。
婦人科は困った人の味方です。
この記事によって「不正出血」についての理解が深まり、婦人科の受診に対する不安が解消し、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
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婦人科疾患「不正出血」【診療の流れ】
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