結論ですが
月経困難症は、月経にともなう症状によって日常生活に支障をきたすものをいいます。
この記事は「月経困難症」について知りたい女性に向けて書いています。
女性特有の疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています
この記事を読むことで「月経困難症」についてわかります。
毎回、月経がくるたびに痛みがひどくてイヤになることありませんか?
月経痛がひどすぎる…
痛みで何もしたくない!
イライラして人に当たってしまう!!
など月経による症状で大変な思いをすることも。
痛みがひどすぎて、仕事が大変だったり、洗濯やそうじなどの家事をするのも大変だったり…
月経の痛みがひどすぎて、何も出来ずに1日が終わってしまうなんてことも…
このように、月経によって日常生活に支障が出てくる場合もあります。
今回、月経による症状で悩まされる「月経困難症」について説明してます。
この記事のまとめ
- 月経困難症は、月経にともなう症状によって日常生活に支障をきたすものをいいます。
- 月経困難症の症状として、「月経痛」「頭痛」「吐き気」「抑うつ」「イライラ」などあります。
- 月経困難症の診断は「問診」「画像検査」「血液検査」「感染症検査」などによってされます。
- 月経困難症の治療として、「鎮痛剤」「低用量ピル」「漢方」「子宮内避妊具」「鎮痙薬」などがあります。
月経困難症とは何ですか?
月経困難症とは
月経困難症とは、月経(生理)にともなう症状によって日常生活に支障をきたし、治療対象になるものをいいます。
何らかの原因となる病気があることで起こる「器質性月経困難症」と、
原因となる病気がない「機能性月経困難症」があります。
器質性月経困難症
器質性月経困難症は、原因となる病気があることで「月経困難症」となります。
たとえば「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「子宮内膜症」などの病気が原因となります。
機能的月経困難症
機能性月経困難症は、明らかな原因となる病気がないが「月経困難症」となります。
「子宮が未熟であること」「月経中の子宮の炎症」「子宮の過度な収縮」などが原因と考えられています。
月経困難症の症状
月経にともない様々な症状が起こります。
とくに、ひどい「月経痛」で悩まされる人が多いです。また、「お腹がハル感じ」や「腹痛」「腰痛」「頭痛」などあらゆる部位で痛みが生じます。
さらに、月経中は気分が落ち込んで「抑うつ」になったり、「イライラ」しやすくなったり、「疲労感」を感じやすくなったりします。
月経困難症の診断
問診
月経にともなう症状を問診で確認します。
月経痛、腹痛、腰痛、お腹のハリ、頭痛、吐き気、食欲不振、下痢、抑うつ、疲労感、イライラなどの症状を確認するとともに、その症状の出現時期などを確認します。
画像検査
月経困難症の原因となる病変があるか画像検査で確認します。
まずはじめに、簡便にできる「エコー検査」を行うことが多いです。さらに精密に評価したい場合に「CT」「MRI」などの追加の画像検査が行われます。
血液検査
月経困難症の原因として、感染による炎症反応などがないか血液検査で評価します。
とくに「白血球」(WBC)や「CRP」などの炎症反応をみて評価します。
感染症検査
月経困難症の原因として、「クラミジア」「淋菌」などの感染症がないか評価します。子宮の入り口から粘液を採取して、そこに病変がないか確認します。ただし、結果が出るまでに時間がかかるので後日結果が判明する場合が多いです。
月経困難症の原因
子宮などの病変
月経痛の原因として「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「子宮内膜症」などの病変があります。
「子宮筋腫」は子宮にコブができる病気です。
「子宮腺筋症」は子宮が腫れて大きくなる病気です。
「子宮内膜症」は子宮内膜の成分が子宮の内側以外の場所にみとめる病気です。月経が来るたびの病変が炎症を起こしたり、癒着によって月経痛や腹痛・腰痛などの原因となります。
感染症
月経困難症の原因として、子宮やおなかの中に感染症が隠れている場合があります。とくに「クラミジア」「淋菌」などの感染症が腹痛の原因になります。
「クラミジア」「淋菌」は、性行為などで感染し、子宮の入口から卵管、おなかの中にかけて感染がひろがっていきます。じつは「子宮の入り口→子宮の中→卵管→おなかの中」へとつづく通り道があるため、感染が広がっていくのです。感染によって、子宮や卵巣・卵管のまわり、おなかの中に炎症をきたし、「腹痛」だけなく「不妊症」の原因となります。月経痛を助長することもありますが、月経以外の腹痛を来す場合も多いです。
子宮頸管狭窄
月経痛の原因として、子宮の入口が狭い「子宮頚管狭窄」が挙げられます。
月経は、厚くなった子宮の内膜が剥がれおちて起こります。子宮の入口が狭くなる「子宮頚管狭窄」があると、厚くなった子宮内膜である月経血を子宮の外にうまく出せずに、月経の時に痛くなります。
月経への不安
月経への不安やネガティブな感情から月経痛を強く感じてしまうことがあります。
月経痛もそうですが「痛みの感じ方」には個人差があります。同じ痛みの程度でも、すごく痛く感じてしまう人もいれば、まったく平気な人もいます。毎月くる月経への不安やネガティブな感情から、月経の痛みを増強させて感じてしまう人もいます。
月経困難症の治療
鎮痛剤
月経痛に対して「NSAIDs」という種類の「痛み止め」が使われることが多いです。
これは、月経痛の原因である「炎症」をおさえることで痛みをおさえます。
ドラッグストアなどで売られている市販の月経痛の薬の中にも、この「NSAIDs」というタイプのくすりが多いです。
低用量ピル
月経痛に対して、「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンの成分を含む低用量ピルが使われます。
もともと「低用量ピル」は、妊娠をしないためにのむくすり「経口避妊薬」(OC)として使われていました。実は「低用量ピル」を使っていると、月経痛が改善したり、月経の量が少なくなるなどの効果があることもわかってきました。それを利用して、「低用量ピル」は月経痛に対して使われることがあります。
漢方
月経痛に対して、「女性の3大漢方」や「芍薬甘草湯」(しゃくやくかんぞうとう)などが使われます。
女性の3大漢方は「当帰芍薬散」(とうきしゃくやくさん)「加味逍遙散」(かみしょうようさん)「桂枝茯苓丸」(けいしぶくりょうがん)の3つです。「証」をみてこれらを使い分けるとともに、実際に効果があるかどうかによって調整していきます。
また、「芍薬甘草湯」は、子宮のけいれんを抑える効果があり、月経痛を改善する効果があります。
子宮内避妊具
子宮の中に挿入する「子宮内避妊具」があります。「避妊用リング」とよばれることもあります。その中で、ノボノルゲストレルとよばれる黄体ホルモンを放出するタイプのものがあり、月経痛をやわらげる効果や、月経の量を少なくする効果などがあります。
鎮痙薬
「ブチルスコポラミン」という「鎮痙薬」があります。
「ブチルスコポラミン」によって「子宮のけいれん」がおさえられ、月経痛を改善する効果があります。腸がうごきすぎて痛む「腸のぜん動痛」に対しても使われます。
原因への治療
「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「子宮内膜症」などの月経痛を来たす病気がある場合には、対症療法と並行して、それらの治療を考慮します。
まとめ
- 月経困難症は、月経にともなう症状によって日常生活に支障をきたすものをいいます。
- 月経困難症の症状として、「月経痛」「頭痛」「吐き気」「抑うつ」「イライラ」などあります。
- 月経困難症の診断は「問診」「画像検査」「血液検査」「感染症検査」などによってされます。
- 月経困難症の治療として、「鎮痛剤」「低用量ピル」「漢方」「子宮内避妊具」「鎮痙薬」などがあります。
月経による症状に悩んでいる人は多いかと思います。
そして、症状をガマンして生活している人もいるかと思います。
月経による症状で困っている場合、無理せずに産婦人科を受診しましょう。
実は月経による症状をやわらげて、日常生活をより良く過ごせるように出来るかもしれません。また、月経痛の原因として、思わぬ病気が隠されている可能性もあります。
産婦人科は困っている人の味方です。勇気をもって産婦人科を受診して、相談することをすすめます。
この記事によって「月経困難症」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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