結論ですが
避妊避妊薬の処方は「問診」「診察」「処方」という流れで診療が行われます。
この記事は「緊急避妊薬を希望する」女性に向けて書いています。
産婦人科受診への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「緊急避妊薬処方の診療の流れ」についてわかります。
緊急避妊薬が欲しいですがどうすればいいですか?
このような疑問にお答えします。
「望まない妊娠」を防ぐために避妊というものが重要です。
妊娠を希望していない時には、基本的には普段から避妊をするべきです。
しかし、避妊に失敗してしまうことは誰でもあるかと思います。
避妊に失敗してしまったときに「緊急避妊薬」があります。
では「緊急避妊薬の処方」はどのような流れで行われるのか?
それを知ることで、受診に対する不安が少しでも解消されれば幸いです。
では実際にどのように「緊急避妊薬の処方」が行われるのか?
今回、当クリニックで行う「緊急避妊薬処方の診療の流れ」を紹介したいと思います。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
この記事のまとめ
1.問診
月経
月経に関する情報を確認します。
とくに「最終月経」がいつなのか確認します。月経が遅れているようであれば、すでに妊娠の可能性があるため、妊娠しているか検査が必要です。
避妊のない性交渉
緊急避妊が必要の場合には、「避妊のない(もしくは避妊に失敗した)性交渉」がいつなのか確認します。「避妊のない性交渉」から時間が経っている場合には、緊急避妊法の効果が期待できない場合があります。
既往歴
今までにかかったことのある病気について確認します。
とくに「入院が必要な病気」や「手術を行った病気」があれば記載しましょう。
現在通院している持病がある場合には、「治療内容」(内服薬など)も含めて伝えるようにしましょう。
なお、「重度な肝機能障害」「緊急避妊薬の成分に過敏症」の人には緊急避妊薬を使うことが出来ません。
2.診察
問診を行って、必要があれば「診察」や「検査」などをおこないます。
妊娠検査
受診した時にすでに妊娠の可能性がある場合には、「妊娠検査」を行います。
尿を採取して頂き、妊娠しているか確認します。
エコー
妊娠の可能性がある場合や、腹痛などの症状がある場合、子宮や卵巣の病変が心配される場合などには「エコー検査」を行います。
とくに「妊娠反応陽性」の場合には、「正常の妊娠」以外にも「流産」や「異所性妊娠」の可能性もあります。
なお、妊娠中は緊急避妊薬を使うことが出来ません。
血液検査
血液検査では、緊急避妊薬を使う前の健康状態を確認する必要がある場合などに行われます。
「貧血」「肝臓機能」「腎臓機能」「血液の固まりやすさ」「感染症」など必要に応じて検査おこないます。
3.処方
LNG単回投与法
「LNG単回投与法」は、避妊のない性交の後「72時間以内」に「ノボノルゲストレル」(LNG)という薬を1回飲む方法です。
「LNG単回投与法」は、避妊効果が高く、副作用も比較的少ないため、当院でオススメしております。
副作用として、「吐き気」が多いです。他にも「下腹部痛」「頭痛」「めまい」「不正性器出血」などの副作用があります。
産後授乳をされている方は、「LNG」は乳汁に移行するので、内服後24時間は授乳を避けるよう注意が必要です。
ヤッペ法
「ヤッぺ法」は、避妊のない性交の後「72時間以内」に「中用量ピル」を2錠内服し、さらに12時間後に「中用量ピル」を2錠内服する方法です。(つまり、合計で4錠を2回に分けて内服することになります)
副作用が比較的多く、避妊効果も「LNG単回投与法」とくらべると劣ります。また、中用量ピルの2回目の内服を忘れてしまう可能性があります。
銅付加子宮内容避妊具
「銅付加子宮内避妊具」は、避妊のない性交の後「120時間以内」に器具を挿入する方法です。
銅付加子宮内避妊具は、避妊効果は高いです。さらに今回の緊急避妊に加えて長期間(およそ５年間)の避妊効果が期待できます。
4.注意点
緊急避妊に失敗する可能性
緊急避妊薬を使っても100%妊娠を回避することはできず、数%の可能性で妊娠してしまうことがあります。
妊娠の可能性がある場合には、妊娠検査をおこないましょう。
また、確実に避妊できたかどうか判断するために、緊急避妊薬を使って21日目に妊娠の有無を確認することをオススメします。
なお、妊娠した場合には早めに受診して相談するようにしましょう。
緊急避妊薬の効果
「性器出血」(消退出血)の有無によって妊娠を回避できたか判断します。
出血までの期間は、緊急避妊を行ってから、早い人で2-3日、遅い人で3週間程度と幅があります。すぐに出血がなくても慌てずに待ちましょう。
普段の避妊法も
今回「緊急避妊法」を行った人は、今後の「望まない妊娠」を防ぐために「普段から行う避妊法」も相談するようにしましょう。
「経口避妊薬」「子宮内避妊具」「不妊手術」「コンドーム」などの方法があります。
なお、緊急避妊薬は次の月経までの避妊を保証するものではありません。緊急避妊薬を使った後も確実な避妊が必要なので、併せて相談するようにしましょう。
まとめ
今回は「緊急避妊薬処方の診療の流れ」について説明しました。
避妊に失敗して受診したら怒られるか心配…
避妊に関する相談をしたいけれど、なかなか一歩ふみだせない!
とにかくわからないことが多すぎて相談したい!!
安心して下さい。あなただけでなく、このような人は多いです。
とくに初めての産婦人科を受診する場合には、わからないことが多すぎて本当に大変だと思います。
勇気をもって産婦人科を受診して相談するようにしましょう。
産婦人科は困った人の味方です。
一人ひとりの悩みに寄りそって緊急避妊に関する相談をしたいと思います。
この記事によって「緊急避妊薬処方の診療の流れ」についての理解が深まり、受診に対する不安が解消し、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。
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