避妊相談【診療の流れ】

結論ですが

避妊相談は「問診」「診察」「避妊方法の相談」(普段からおこなう避妊法、緊急期避妊法)という流れで診療が行われます。

この記事は「避妊相談」を受けたいヒトに向けて書いています。
産婦人科受診への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「避妊相談の診療の流れ」についてわかります。

今は妊娠したくないです!
どのような避妊方法がありますか?
避妊に失敗してしまいました…

このような悩みや不安にお答えします。

子どもが欲しいときに支えになるのが「不妊治療」ですが、
子どもをつくりたくないときに支えになるのが、今回紹介する「避妊法」です。

当クリニックでは、その人の「健康状態」や「ライフプラン」「家族計画」に応じた避妊法の相談に応じます。

「避妊相談」はどのような流れで行われるのか?
それを知ることで、受診に対する不安が少しでも解消されれば幸いです。

では実際にどのように「避妊相談」が行われるのか?
今回、当クリニックで行う「避妊相談の診療の流れ」を紹介したいと思います。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

この記事のまとめ

1.問診

月経

月経に関する情報を確認します。
とくに「最終月経」がいつなのか確認します。月経が遅れているようであれば、すでに妊娠の可能性があるため、妊娠しているか検査が必要です。

避妊のない性交渉

緊急避妊が必要の場合には、「避妊のない(もしくは避妊に失敗した)性交渉」がいつなのか確認します。「避妊のない性交渉」から時間が立ちすぎていた場合には、緊急避妊法の効果が期待できない場合があります。

妊娠分娩歴

今までに妊娠や分娩したことがあるか確認します。
妊娠したことがある場合は、「妊娠した回数」、また「流産」や「中絶」をしたことがある場合はその回数も含めて書きましょう。
分娩は「経腟分娩」(自然分娩)なのか「帝王切開」なのか書きましょう。

既往歴

今までにかかったことのある病気について確認します。
とくに「入院が必要な病気」や「手術を行った病気」があれば記載しましょう。
また、現在通院している持病がある場合には、「治療内容」(内服薬など)も含めて伝えるようにしましょう。

喫煙

喫煙しているか確認します。
喫煙している場合には、「経口避妊薬」(OC)を使用しにくいです。また「35歳以上」で「1日15本以上」喫煙している場合には、「経口避妊薬」(OC)を使うことが出来ません。

2.診察

問診を行って、必要があれば「診察」や「検査」などをおこないます。

妊娠検査

受診した時にすでに妊娠の可能性がある場合には、「妊娠検査」を行います。
尿を採取して頂き、妊娠しているか確認します。

エコー

妊娠の可能性がある場合や、腹痛などの症状がある場合、子宮や卵巣の病変が心配される場合などには「エコー検査」を行います。
とくに「妊娠反応陽性」の場合には、「正常の妊娠」以外にも「流産」や「異所性妊娠」の可能性もあります。また、子宮筋腫など病変によっては「子宮内避妊具」が使用できない場合があります。

血液検査

血液検査では、避妊法を行う前の健康状態を確認する必要がある場合などに行われます。
「貧血」「肝臓機能」「腎臓機能」「血液の固まりやすさ」「感染症」など必要に応じて検査おこないます。

3.避妊方法の相談

避妊方法には「普段から行う避妊法」と「緊急避妊法」があります。
ご自身の希望する避妊法を相談しましょう。また、今回「緊急避妊法」を行った人は、今後の「望まない妊娠」を防ぐために「普段から行う避妊法」も相談するようにしましょう。

普段から行う避妊法

経口避妊薬

「経口避妊薬」(ピル)は、エストロゲン・プロゲステロンというホルモンを含んだくすりを使う避妊法です。
定期的に内服することでほぼ確実な避妊効果を得ることができ、女性が主体となった避妊が可能です。

子宮内避妊具

「子宮内避妊具」は、子宮内に避妊具を留置する避妊法です。
ほぼ確実な避妊効果を得ることができ、一度子宮内避妊具を留置すれば長期間(およそ5年間)にわたっての効果が期待できます。

不妊手術

「不妊手術」は、手術によって避妊する方法です。
男性であれば「精管結紮切断術」(いわゆるパイプカット)、女性であれば「卵管結紮切断術」が行われます。
一度、不妊手術をおこなったら、半永久的に避妊効果が得られます。なお、当院では不妊手術は行っていません。

男性コンドーム

日本で一番普及しているのが「男性用コンドーム」です。
「性感染症の予防」「男性が避妊に参加出来る」といった利点がありますが、失敗するリスクがあり避妊効果が劣ります。
産婦人科医としては、より確実な避妊法である「経口避妊薬」や「子宮内避妊具」と、性感染症予防ができる「コンドーム」を併用する方法をオススメします。

緊急避妊法

LNG単回投与

「LNG単回投与法」は、避妊のない性交の後「72時間以内」に「ノボノルゲストレル」(LNG)という薬を1回飲む方法です。
「LNG単回投与法」は、避妊効果が高く、副作用も比較的少ないため、当院でオススメしております。
副作用として、「吐き気」が多いです。他にも「下腹部痛」「頭痛」「胃腸障害」「眠くなる」などの副作用があります。
産後授乳をされている方は、LNGは乳汁に移行するので、内服後24時間は授乳を避けるよう注意が必要です。

ヤッペ法

「ヤッぺ法」は、避妊のない性交の後「72時間以内」に「中用量ピル」を2錠内服し、さらに12時間後に「中用量ピル」を2錠内服する方法です。(つまり、合計で4錠を2回に分けて内服することになります)
副作用が比較的多く、避妊効果も「LNG単回投与法」とくらべると劣ります。また、中用量ピルの2回目の内服を忘れてしまう可能性があります。

銅付加子宮内容避妊具

 「銅付加子宮内避妊具」は、避妊のない性交の後「120時間以内」に器具を挿入する方法です。
銅付加子宮内避妊具は、避妊効果は高いです。さらに今回の緊急避妊に加えて長期間(およそ5年間)の避妊効果が期待できます。

まとめ

今回は「避妊相談の診療の流れ」について説明しました。

避妊に失敗して受診したら怒られるか心配…
避妊に関する相談をしたいけれど、なかなか一歩ふみだせない!
とにかくわからないことが多すぎて相談したい!!

安心して下さい。あなただけでなく、このような人は多いです。

とくに初めての産婦人科を受診する場合には、わからないことが多すぎて本当に大変だと思います。

勇気をもって産婦人科を受診して相談するようにしましょう。

産婦人科は困った人の味方です。
一人ひとりの悩みに寄りそって避妊方法の相談をしたいと思います。

この記事によって「避妊相談の診療の流れ」についての理解が深まり、受診に対する不安が解消し、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。

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