結論ですが
切迫早産の入院はいろいろと大変です。
この記事は「妊娠中の女性」に向けて書いています。
この記事を読むことで「切迫早産の入院生活を快適に過ごすコツ」についてわかります。
妊娠中にお腹のハリがひどくなったりして、切迫早産で入院することがあります。「ハリ止め」や「安静」による治療が必要になります。
また、病院というなれない環境で長い間過ごすことになるのでストレスがとてもかかります。
今回、「切迫早産の入院生活の大変さ」「快適に入院生活を送るコツ」について説明していきたいと思います。
この記事のまとめ
- 切迫早産と診断された場合は、「安静」と「ハリ止めの薬」で治療します。
- 長期入院となると「点滴の管理」「薬の副作用」「長期安静のストレス」「長期入院のストレス」などで大変です。
- 入院が快適になるように「PICCを挿入すること」「薬の副作用をおさえる薬をつかうこと」「普段使い慣れているものを持ってくること」「ヒマつぶしグッズを準備すること」が大切です。
切迫早産の治療
切迫早産と診断された場合は、主に「安静」と「ハリ止めの薬」で管理していきます。
切迫早産の治療は、
軽度であれば「自宅安静」と「ハリ止めの飲み薬」で外来で様子をみます。
重度であれば入院して治療します。主に「安静」と「ハリ止めの点滴」で管理していきます。
入院中は、エコー検査で「子宮の入り口の長さ」をはかったり、モニターで「子宮の収縮」を評価して、「ハリ止めの点滴の量」を調整していきます。
また、切迫早産が重度で、赤ちゃんの臓器が未熟な週数(妊娠34週未満)の場合は、「ステロイド」の注射薬を使って少しでも赤ちゃんの臓器が成熟するようにします。
切迫早産の入院生活はかなり大変
長期入院となった場合は、「点滴の管理」「薬の副作用」「長期安静のストレス」「長期入院のストレス」などで、肉体的にも精神的にも大変になります。
点滴の管理
切迫早産で長い間入院となった場合、「ハリ止めの点滴」も長い間必要になります。感染や詰まりを予防するために定期的に点滴の「刺し替え」が必要です。
何度も点滴を刺しかえていくうちに、
- 刺せる血管をみつけるのが大変になってしまったり
- 血管が腫れて炎症してしまったり
- 刺す難易度も上がっていったり
- 点滴のルートを入れるのに何回も刺さなければならなかったり
かなり痛い思いや大変な感じになっていきます。
薬の副作用
切迫早産の治療には「ハリ止め」のくすりを使います。
「ハリ止め」には子宮の収縮をおさえてハリをやわらげる効果の他に、心拍数をあげる副作用もあります。
心拍数があがり、心臓がバクバク感じるようになる「動悸」や「吐き気」などの症状が出てきます。
長期安静のストレス
切迫早産の入院中は「安静」にしていなければなりません。
からだを動かすと、おなかが張ってしまい子宮の収縮につながる可能性があり、「安静」にしていることも治療になります。
基本的にはベッドの上で安静にしています。移動してどこか行きたいときは、まず遠くまで歩くことは許可されないことが多いです。せめて同じ病棟内で移動できる程度です。
病状にもよりますが、院内の売店まで行きたい場合は「車イスでの移動」になることもあります。重度な場合は、顔洗ったり・歯磨いたり・トイレなども自由にいけないこともあります。
場合によっては、トイレに全くいけないので、おしっこの管を入れることもあります。
「行動が制限される」ということはかなりのストレスになります。
長期入院のストレス
長い間入院するとかなりストレスがかかります。
- 慣れていない病院の環境にいるということ
- 院での生活リズムに合わせなければいけないこと
- 病院のルールを守らなければないないこと
大部屋の場合は…
- となりの人と気が合わない
- となりの人のイビキがうるさい
- となりの人の生活音が気になる
などなど、かなりストレスがかかります。
切迫早産の入院生活が快適になる3つのコツ
切迫早産の入院生活が快適になるためには「点滴の管理」「薬の副作用」「長期入院のストレス」に対応していくことが重要です。
①点滴管理への対応
通常の点滴では「末梢静脈」という比較的細い血管を利用しております。
何度も点滴を刺しかえることがないように「中心静脈」という太い血管まで通じるルートを利用することがあります。
「末梢挿入中心静脈カテーテル」を挿入する「PICC」と呼ばれる方法をとることがあります。また、医療機関によっては首やあしの付け根から「中心静脈カテーテル」を挿入する方法など行われることがあります。
一度挿入してしまえば、感染や自然抜去などのトラブルが起きないかぎり、しばらくの間つかうことができます。とくに「PICC」であれば腕から刺すので点滴と同じような感覚で使用できるのでオススメです。
②薬の副作用への対応
ハリ止めで使用する「塩酸リトドリン」という成分は、子宮の収縮を抑える作用以外にも、心臓に作用して心拍数を上げる作用もあり、「動悸」「吐き気」などの副作用をきたします。
「当帰芍薬散」という漢方薬や「心拍数をおさえる薬」などつかうと症状が和らぎます。
③入院環境への対応
病院は慣れていない環境のため、いろいろとストレスだと思います。
少しでもいつもの環境に近づけるために、自分が使い慣れている「マクラ」などの寝具、お気に入りの「ぬいぐるみ」「クッション」などあれば持ってくるのが良いでしょう。
また、切迫早産では安静になるので「ヒマつぶし」することも仕事のひとつになります。
本やマンガを読んだり、動画をひたすら見たりして「ヒマつぶし」している人が多いです。
また、これを機に普段いそがしくて読めなかった本や資格の勉強などにチャレンジしてみてはいかがでしょう。
まとめ
切迫早産と診断された場合は、「安静」と「ハリ止めの薬」で治療します。
長期入院となると「点滴の管理」「薬の副作用」「長期安静のストレス」「長期入院のストレス」などで大変です。
入院が快適になるように「PICCを挿入すること」「薬の副作用をおさえる薬をつかうこと」「普段使い慣れているものを持ってくること」「ヒマつぶしグッズを準備すること」が大切です。
切迫早産の入院は、基本的に安静にしていてヒマそうにみえるため、まわりの人からはそのつらさを理解されることが少ないです。
じつは「行動の制限」や「生活環境の変化」というのはかなりのストレスになります。
パートナー含めまわりの人は、そのつらさを理解してあげることがとても大切になります。
切迫早産入院が快適に過ごすことができる人が一人でも増えることを願っています。
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