結論ですが
「HPVワクチン」によって子宮頸がんを予防することができます。
この記事は「自分の体・健康のこと」を考えているすべての女性向けに書いています。
女性の健康に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「HPVワクチン」(子宮頸がんの予防接種)についてわかります。
じつは、「子宮頸がん」は予防できるがんです。
子宮頸がんのほとんどは「HPV」というウイルス感染が原因であり、「HPVワクチン」によって予防することが可能です。「HPVワクチン」は、「子宮頸がんの予防接種」のことなのです。
「HPVワクチン」に「子宮頸がん検診」を組み合わせることで、「HPVワクチン」でカバーできない「子宮頸がん」を補うことができ、予防効果が強まります。
すべての女性が正しい知識をもって行動すれば、「子宮頸がん」のない世界は実現することができるのです。
今回の記事では「HPVワクチン」について説明していきたいとおもいます。
この記事のまとめ
- 子宮頸がんのほとんどはHPVというウイルスが原因であり、「HPVワクチン」で子宮頸がんを予防することができます。
- HPVワクチンによって「尖圭コンジローマ」や子宮頸がん以外の「がん」を予防することが出来ます。
- HPVワクチン接種をするか「良い面」と「悪い面」を考慮したうえで判断しましょう。
HPVワクチンによって予防可能
HPVワクチンで「子宮頸がん」や「前がん病変」を予防
「子宮頸がんの予防接種」(HPVワクチン)によって、「子宮頸がん」を予防することができます。
HPVワクチンはHPVの感染自体を予防することで、「子宮頸がん」や前がん病変である「子宮頸部異形成」の発生を防ぐことができます。
HPVワクチンの種類
日本で接種できるHPVワクチンは「2価ワクチン」(HPV16型・18型の感染予防)と「4価ワクチン」(HPV 6・11・16・18型の感染予防)があります。最近では「9価ワクチン」(HPV6・11・16・18・31・33・45・52・58型の感染予防)も登場しています。
HPVワクチンの効果
「HPV16型・18型」は子宮頸がんになるリスクが非常に高く、日本における子宮頸がん症例の「約60%」で検出されています。
単純計算ですが、日本においてHPVワクチンを接種すると子宮頸がんは「約60%」減ることになります。
HPV感染によって子宮頸がんが発生する
「子宮頸がん」の多くは、性交渉などによって「HPV」(ヒト・パピローマウイルス)というウイルスが子宮の入り口近い部分(子宮頸部)に感染することをきっかけに発生します。
HPVが持続感染すると、「異形成」という前がん病変を経て、「微小浸潤がん」以上の病変(いわゆる子宮頸がん)に進行します。
子宮頸がんは若い女性で増加
子宮頸がんは、子宮の入り口近くに悪性腫瘍ができる病気です。
日本において、子宮頸がんは若い女性で増えています。とくに20代・30代での増加が著しいです。「子宮頸がん検診」が開始されて、一時減少していましたが、近年は残念ながら増加に転じています。
国立がん研究センターのデータでは、1年間に「約11000人」が子宮頸がんと診断され、「約2900人」が子宮頸がんで死亡しています。30代までに治療で子宮を失ってしまう人も毎年「約1200人」にのぼります。
HPVワクチンは日本の接種率は低い
日本において「子宮頸がんワクチン」(HPVワクチン)の接種率は低いです。
WHOの推計によると、2019年に15歳女性のうちHPVワクチン接種を完了した割合は「英国」「オーストラリア」で「約80%」、米国で「約55%」でした。しかし、日本は突出して低く「約0.3%」となっています。
先進国において子宮頸がんの患者数が低くなっている中、増加しているのは日本くらいであり、問題となっています。
HPVワクチンの他の効果
尖圭コンジローマの予防
HPVワクチンは、実は「子宮頸がん」以外にも予防効果があります。
性感染症である「尖圭コンジローマ」の予防効果もあります。
「尖圭コンジローマ」はHPV(6型・11型)の感染によって引き起こされます。HPV(6型・11型)をカバーしている4価以上のHPVワクチンによって、「尖圭コンジローマ」を予防することが出来るのです。
がんの予防
HPVワクチンは、実は「子宮頸がん」以外にも「がんの予防効果」があります。
たとえば、「咽頭がん」「肛門がん」「直腸がん」などの予防効果もあります。
また、女性であれば「外陰がん」「腟がん」、男性であれば「陰茎がん」の予防効果もあります。
HPVワクチンの普及を妨げる副反応
「HPVワクチン」を接種して、慢性的に痛みが出てしまうなどの「副反応」がうたがわれる事例が報告されました。
因果関係は証明されていないですが(むしろ因果関係はないとする研究チームが多い)、大々的に報道されたことから、「HPVワクチン」の副反応は危険だという意識が植えつけられました。このような副反応に関しての過剰な報道などによって、日本においてワクチン接種が普及できていない状態です。
ワクチンのリスク
「HPVワクチン」の接種は医療行為であり、100%安全というわけではなく、よくないことが起こる可能性(リスク)はあります。
まれに重い副反応が起こることも
副反応については、接種との因果関係を問わず報告を集め、専門家が分析・評価しています。
因果関係は不明ながら、報告のあった副反応を紹介します。
「良い面」と「悪い面」を理解して受けましょう
医療行為全般的にいえますが、「良い面」と「悪い面」があります。
「良い面」と「悪い面」を理解したうえで、「HPVワクチン」を接種するか判断しましょう。
具体的にいうと、「HPVワクチン」には子宮頸がんの予防効果があるなどの「良い面」があります。その一方、ワクチン接種にともなう痛みや因果関係は不明だが副反応の報告があるなどの「悪い面」もあります。
それらを理解した上で理解したうえで、「HPVワクチン」を接種するか判断するようにしましょう。
まとめ
- 子宮頸がんのほとんどはHPVというウイルスが原因であり、「HPVワクチン」で子宮頸がんを予防することができます。
- HPVワクチンによって「尖圭コンジローマ」や子宮頸がん以外の「がん」を予防することが出来ます。
- HPVワクチン接種をするか「良い面」と「悪い面」を考慮したうえで判断しましょう。
HPVワクチンを実際に打つかどうかは、副反応などのリスクを考えると、難しい判断となります。
しかもHPVワクチン接種は、「10歳から14歳まで」の女性(性交渉を経験する前が望ましい)が最も推奨されます。
未成年者の接種となるので、実際にはその保護者が頭を悩まされることになります。
その苦悩は測り知れないです。
しかし、子宮頸がんによって若い女性が亡くなってしまったり、治療のため子宮を摘出しなければならなかったりします。
「子宮頸がん」で苦しむ人が一人でも少なくなるために、日本において「HPVワクチン」がもっと普及して欲しいです。
「HPVワクチン」を受けないこともリスクなのです。
「HPVワクチン」と「定期的な子宮頸がん検診」によって子宮頸がんのほとんどをなくすことが可能であり、「子宮頸がんのない世界」を実現することが出来ます。
この記事によって「HPVワクチン」の理解が深まり、一人でも多くの人の役に立つことを願っています。
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