ホルモン補充療法の有害事象は?【7つの有害事象】

結論ですが

「ホルモン補充療法」にはいくつか有害事象があります。

この記事は「更年期障害に悩んでいる」女性に向けて書いています。
更年期障害に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「ホルモン補充療法の有害事象」についてわかります。

最近イライラしやすくなった…
ほてりがひどいです!!
これって更年期障害なの!?

このような悩みや疑問にお答えします。

女性ホルモンである「エストロゲン」が低下していくことで「閉経」になっていきます。
「エストロゲンの低下」によって、40代から50代にかけての「更年期」にさまざまな症状や体への影響をきたすことになります。
その症状が日常生活に影響を及ぼすようになると「更年期障害」といわれます。

更年期障害は、不足した「エストロゲン」を補うホルモン補充療法がおこなわれます。

ホルモンによる治療は副作用など心配…

このように考える人は多いです。

実際に、ホルモン補充療法には、いくつか有害事象があります。
有害事象をおさえておくことが、くすりをより安全に使うことにつながります。

今回は「ホルモン補充療法の有害事象」について7つに絞って説明したいと思います。

この記事のまとめ

ホルモン補充療法とは?

「ホルモン補充療法」(HRT)とは、不足した「エストロゲン」(女性ホルモン)を補うことで、更年期障害を改善する治療法です。

更年期障害では、「エストロゲン」の低下によって、「自律神経症状」「精神神経症状」「運動器症状」「消化器症状」など様々な症状を呈します。さらに、エストロゲンの低下によって、「骨粗しょう症」になりやすく、「脂質代謝異常症」や「血管の弾力性低下」により「動脈硬化」や「心血管疾患」につながります。
ホルモン補充療法は、「ほてり」「のぼせ」「発汗」などの症状にとくに効果があります。さらに、将来の「骨」や「血管」などの健康管理にも効果を発揮してくれます。

ホルモン補充療法には「効果」もありますが、「有害事象」が起こることもあります。
実際にホルモン補充療法には、気を付けなければいけない「有害事象」がいくつかあります。
今回は、「ホルモン補充療法の有害事象」について順に説明していきます。

ホルモン補充療法の有害事象1:不正性器出血

ホルモン補充療法によって、「不正性器出血」がよく見られます。

ホルモン補充療法の「エストロゲン」(女性ホルモン)が、子宮内膜に作用して、不正性器出血が起こります。
とくに「閉経前」や「閉経して1年未満」の場合には、「不正性器出血」が起こる頻度が高いです。また、「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「子宮ポリープ」などの疾患が「不正性器出血」の原因になることがあります。
まれに、「子宮体がん」や「子宮頸がん」などの悪性腫瘍が隠れていることがあるため、不正性器出血が持続する場合は検査を受けるようにしましょう。
また、ホルモン補充療法を開始する前に、「子宮体がん」や「子宮頸がん」など検診を受けておくようにしましょう。

ホルモン補充療法の有害事象2:乳房痛

ホルモン補充療法によって、「乳房痛」がときおり認められます。

ホルモン補充療法の「エストロゲン」(女性ホルモン)が、乳腺に作用して、乳房のハリや痛みが起こります。
「エストロゲン」の量を減らすこと、ゆっくりと増量すること、「黄体ホルモン」の量を増やすことで、乳房痛は抑えられます。ただし、乳房痛が改善しない場合には、「ホルモン補充療法」を中止することを相談するようにしましょう。

ホルモン補充療法の有害事象3:片頭痛

ホルモン補充療法によって、「片頭痛」が悪化する可能性があります。

性成熟期の女性において「片頭痛」の誘因として「月経」が挙げられます。
「エストロゲン」(女性ホルモン)と「片頭痛」には深い関係があり、「ホルモン補充療法」によって片頭痛が悪化する可能性があります。
片頭痛をもっている人がホルモン補充療法を希望する場合には、片頭痛が悪化する可能性に注意しながら、慎重に投与することが必要です。

ホルモン補充療法の有害事象4:心血管疾患

ホルモン補充療法によって、「動脈硬化」「冠動脈疾患」などの心血管疾患のリスクが上がる可能性があります。

「経口エストロゲン」によって、「中性脂肪」が増加し、血管の炎症が促されます。さらに「黄体ホルモン」によって「HDLコレステロール」(善玉コレステロール)は低下します。
そのため、「動脈硬化」や「心筋梗塞」のリスクが上がります。
ただし、「経皮エストロゲン」では狭心症発作をおさえる可能性があり、むしろ有効性が期待されます。

ホルモン補充療法の有害事象5:脳卒中

ホルモン補充療法によって、「虚血性脳卒中」のリスクが上がります。

「エストロゲン」の投与によって「虚血性脳卒中」のリスクが上がり、「エストロゲン」の量が多くなると、さらにリスクは上がります。ただし、「出血性脳卒中」のリスクは上がりません。
「虚血性脳卒中」にかかったことのある人は、ホルモン補充療法を使うことが出来ません。

ホルモン補充療法の有害事象6:静脈血栓症

ホルモン補充療法によって、「静脈血栓症」のリスクが上がります。

「経口エストロゲン」投与によって、「深部静脈血栓症」や「肺血栓症」などの静脈血栓塞栓症のリスクが増加します。とくに「年齢」「体脂肪率」が高くなるにつれて血栓症リスクが上がります。
血栓リスクのある患者さんにおいて「ホルモン補充療法」を慎重に投与することが必要です。なお、「経皮エストロゲン」では血栓症リスクは増加しない可能性があります。

ホルモン補充療法の有害事象7:悪性腫瘍

乳がん

ホルモン補充療法によって、「乳がん」のリスクが上がります。

一定の見解はないですが、ホルモン補充療法で併用される「黄体ホルモン」が「乳がんリスク」と関係していると言われています。ただし、「エストロゲン」単独であれば、「乳がんリスク」は上がらないとされていますが、「子宮体がんリスク」は増加してきます。
いずれにせよ、5年未満のホルモン補充療法では「乳がん」のリスクは上昇しないため、5年間を目安としてホルモン補充療法が行われることが多いです。

子宮体がん

ホルモン補充療法によって、「子宮体がん」のリスクが上がります。

ただし、「エストロゲン単独」では「子宮体がんリスク」は上がりますが、「黄体ホルモン併用」では「子宮体がんリスク」は上がりません。
そのため、ホルモン補充療法では、「子宮体がん」予防のために「黄体ホルモン」を併用します。
なお、「子宮体がん」にかかったことのある患者さんにおいて「ホルモン補充療法」を慎重におこなう必要があります。

卵巣がん

ホルモン補充療法によって、「卵巣がん」のリスクが上がる可能性があります。

「エストロゲン単独」では「黄体ホルモン併用」と比べて「卵巣がん」のリスクが上がる可能性があります。
また、ホルモン補充療法の期間が長いほど、「卵巣がん」のリスクは上がります。
卵巣がんの治療後の患者さんにおいては、「エストロゲン」の投与によって卵巣がんの再発リスクは増えないとされていますが、慎重に投与することが必要です。

まとめ

今回は「ホルモン補充療法の有害事象」について説明してきました。

ホルモン補充療法を使う時に、くすりの特徴を把握しておくことが重要です。
くすりには「効果」などのメリットもあれば、「副作用」「有害事象」などのデメリットもあります。
効果や有害事象などくすりの特徴を把握することによって、より安全にくすりを使うことが出来るのです。

「クスリはリスク」と昔から言われます。
リスクをマネジメントすることで、クスリを安全に使用することができます。

この記事によって、自分自身のからだと向き合っていける手助けとなれば幸いです。

そして「ホルモン補充療法」について理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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