ホルモン補充療法を使う前にチェックしたい【9つのポイント】

結論ですが

「ホルモン補充療法」を使うときに安全に使えるか確認する必要があります。

この記事は「更年期障害に悩んでいる」女性に向けて書いています。
更年期障害に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「ホルモン補充療法の投与前の確認事項」についてわかります。

最近イライラしやすくなった…
ほてりがひどいです!!
これって更年期障害なの!?

このような悩みや疑問にお答えします。

女性ホルモンである「エストロゲン」が低下していくことで「閉経」になっていきます。
「エストロゲンの低下」によって、40代から50代にかけての「更年期」にさまざまな症状や体への影響をきたすことになります。
その症状が日常生活に影響を及ぼすようになると「更年期障害」といわれます。

更年期障害は、不足した「エストロゲン」を補うホルモン補充療法がおこなわれます。

ホルモンによる治療は副作用など心配…

このように考える人は多いです。
しかし、ホルモン補充療法は、使用する前にいくつか確認することで、安全に治療を受けることができます。
今回は「ホルモン補充療法の投与前の確認事項」について9つに絞って説明したいと思います。

この記事のまとめ

ホルモン補充療法とは?

「ホルモン補充療法」(HRT)とは、不足した「エストロゲン」(女性ホルモン)を補うことで、更年期障害を改善する治療法です。

更年期障害では、「エストロゲン」の低下によって、「自律神経症状」「精神神経症状」「運動器症状」「消化器症状」など様々な症状を呈します。さらに、エストロゲンの低下によって、「骨粗しょう症」になりやすく、「脂質代謝異常症」や「血管の弾力性低下」により「動脈硬化」や「心血管疾患」につながります。
ホルモン補充療法は、「ほてり」「のぼせ」「発汗」などの症状にとくに効果があります。さらに、将来の「骨」や「血管」などの健康管理にも効果を発揮してくれます。

実際にホルモン補充療法を行う場合、安全に使うために確認したい項目があります。
今回は、「ホルモン補充療法の投与前の確認事項」について順に説明していきます。

HRT投与前の確認事項1:ホルモン補充療法の目的を確認

まずはじめに、なぜ「ホルモン補充療法」を行うかを明確にします。

その目的を確認して、投与する期間を決めます。
たとえば、ホルモン補充療法の目的が更年期障害による症状を緩和する「治療目的」の場合では、症状が改善するまでを治療期間とします。
また、骨粗しょう症や心血管疾患などを予防する「予防目的」の場合では、閉経後早めに治療を開始して、5年間を投与の目安とします。
そして、ホルモン補充療法のメリット・デメリットを考慮して、いつまで投与するか検討します。

HRT投与前の確認事項2:禁忌・慎重投与の確認

ホルモン補充療法の「禁忌」や「慎重投与」でないか確認します。

ホルモン補充療法を使ってはいけない「禁忌」(きんき)や、投与する時に注意が必要な「慎重投与」の場合があります。
上表を参考に、自分は当てはまっていないか確認するようにしましょう。

HRT投与前の確認事項3:身長・体重の測定

身長と体重を測定して、「BMI」を計算し体格を評価します。

身長と体重からBMIを計算します。
とくに「BMIが25以上」の肥満者では血栓症のリスクが高くなります。ホルモン補充療法の「慎重投与」が必要になります。

HRT投与前の確認事項4:血圧測定

血圧を測定して、「高血圧」でないか確認しましょう。

「高血圧」の場合は、動脈硬化による「脳卒中」「心血管疾患」「血栓症」のリスクが高くなります。ホルモン補充療法を行う前に、高血圧の治療を行うようにしましょう。
なお、高血圧の基準は、「収縮期血圧(上の血圧)140mmHg以上」または「拡張期血圧(下の血圧)90mmHg以上」の場合を言います。(高血圧ガイドライン2019)

HRT投与前の確認事項5:内診・エコー

内診やエコー検査を受けて、子宮や卵巣などに病変がないか確認しましょう。

とくに「子宮筋腫」「子宮内膜症」「卵巣腫瘍」などの病変がないか確認します。
そして、ホルモン補充療法中のエストロゲンによって、それらの病変が悪化してこないか定期的にフォローアップします。

HRT投与前の確認事項6:がん検診

定期的に「がん検診」を受けるようにしましょう。

とくに「子宮頸がん」「子宮体がん」や「乳がん」の検診を受けましょう。
「子宮体がん」や「乳がん」の場合には、ホルモン補充療法を使用することが出来ません。また、長期間のホルモン補充療法によって「乳がん」リスクがあがる可能性があります。

ホルモン補充療法の投与前だけでなく、ご自身の健康管理のため、定期的ながん検診を受けるようにしましょう。

HRT投与前の確認事項7:骨量検査

「骨量検査」を行うようにしましょう。

更年期以降は、「エストロゲン」(女性ホルモン)の低下によって、「骨粗しょう症」になりやすいです。また、ホルモン補充療法によって骨量を改善する効果があります。
現在の骨の状態を把握し、ホルモン補充療法の骨への効果判定のため、骨量検査を受けるようにしましょう。
ホルモン補充療法を行うタイミングで、定期的な骨の健康チェックを行うようにしましょう。

HRT投与前の確認事項8:血液検査

血液検査で、一般(血算・生化学)・凝固系・脂質・甲状腺機能などを評価します。

くすり全般的にいえることですが、くすりの代謝のため「肝臓」や「腎臓」に負担がかかるため、血液検査で「肝機能」や「腎機能」を評価します。
また、「血栓症」の可能性を評価するため「凝固系」の検査も行います。

更年期以降は、「エストロゲン」(女性ホルモン)の低下によって、「脂質代謝異常症」になりやすいため、その評価をします。
さらに、更年期障害の症状が「甲状腺機能異常症」によって起こっている可能性があり、その評価も行います。

HRT投与前の確認事項9:心電図

心電図検査で、不整脈などの評価をします。

更年期障害の症状が「不整脈」によって起こっている可能性があり、その評価を行います。
また、「肥満者」や「脂質代謝異常症」の場合はとくに心疾患をわずらっている可能性があるため、その評価を行います。

まとめ

今回は「ホルモン補充療法の投与前の確認事項」について説明してきました。

ホルモン補充療法をはじめる場合、自分が安全につかえるかどうか確認する必要があります。「問診票」を細かく書いたり、いろいろと質問を受けたりするのは面倒だとおもいますが、安全に薬を使うため、しっかりと答えるようお願いします。

「クスリはリスク」と昔から言われます。
リスクをマネジメントすることで、クスリを安全に使用することができます。

この記事によって、自分自身のからだと向き合っていける手助けとなれば幸いです。

そして「ホルモン補充療法」について理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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