医療情報について【カルテの内容】

結論ですが、

カルテに記載されている医療情報として「妊娠分娩歴」「既往歴・併存症」「内服薬」「アレルギー」「喫煙歴」ことなどがあります。

この記事は「医療」に関して興味のある人に向けて書いています。
健康・医療に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「医療情報」についてわかります。

カルテにはどのような情報が記載されていますか?

このような疑問にお答えします。

自分は産婦人科医師として、札幌市内で開業医として働いています。
外来メインの業務ですが、毎日多くの患者様に受診して頂いております。

毎日、様々な患者さんを診察しているのですが、患者さんの医学的情報をまとめる「カルテ」は、とても重要だと感じます。
必要十分な情報をカルテに記載することで、病状を正確に把握することができますし、スムーズな診察にもつながります。

では、カルテにはどのような情報が記載されていますか?

ということで、今回はカルテ記載されている「医療情報」について説明します。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/

この記事のまとめ

1.妊娠・分娩歴

妊娠分娩歴は、今までに妊娠や分娩をした回数のことをいいます。

妊娠経験が全くない方では、内診への抵抗がある場合が多く、診察への配慮が必要になります。
また、性交経験がない方は、エコー検査を腟からでなく、肛門から行ったり、お腹の上から行うなどの配慮が重要です。

また、不妊治療を希望される場合においても重要になります。
妊娠しても流産を繰り返してしまう方、1人目を出産したが二人目がなかなか妊娠しないことなどあります。

さらに、中絶を繰り返している回数が多ければ避妊方法を相談したり、過去の分娩方法が帝王切開の場合には今回も帝王切開での分娩の方針になる場合が多かったります。

妊娠分娩歴を確認して、患者さんの個々に応じて、診察方法などを配慮しています。

妊娠分娩歴は、今までに妊娠や分娩をした回数のことをいうのです。

2.既往歴・併存症

既往歴は、今までにかかったことのある病気のことを、併存症は、現在通院している病気のことをいいます。

今までにかかったことのある病気のことを「既往歴」といいます。
とくに入院が必要なくらいの大きな病気や手術をしたことがある場合には必ず確認しましょう。
手術が必要になった場合、過去に手術したことがある場合にはお腹の中の癒着などが想定されます。
手術の内容によっては術式を検討したり、腸処置などの準備が必要になったりします。

現在通院している病気のことを「併存症」といいます。
たとえば、「糖尿病」の場合、カンジダ腟症などの感染症になりやすいです。
また、血栓症リスクがある場合には、婦人科でよく用いられるピルが使用できない場合があります。

既往歴は、今までにかかったことのある病気のことを、併存症は、現在通院している病気のことをいうのです。

3.内服薬

内服薬は、現在内服している薬のことをいいます。

併存症の治療で薬を使用しているケースが多く、内服薬を確認します。

薬の種類によっては飲み合わせが悪いものなどがあったり、同じような作用の薬を重腹して処方しないようにします。

また、手術や処置をする場合には「血液をサラサラにする薬」や「血栓リスクのある薬」には注意が必要です。
手術や処置に伴う出血が止められない可能性や、血栓症のリスクに留意します。

内服薬は、現在内服している薬のことをいうのです。

4.アレルギー

アレルギーでは、おもに薬や食べ物などのアレルギー情報を確認します。

アレルギーのある薬は使わないようにします。また、似た成分や種類の薬も基本的には使わないようにします。

食べ物でアレルギーがある場合は注意が必要です。
たとえば、フルーツアレルギーの患者で種類によってはラテックスアレルギーを起こす場合があります。その場合は、医療者はラテックスが使用されていないラテックスフリーの手袋を用いたりします。
また、病院で提供する食事はアレルギーのある食材をつかわないようにします。

アレルギーでは、おもに薬や食べ物などのアレルギー情報を確認するのです。

5.喫煙歴

喫煙歴では、1日何本、そして何年間喫煙しているか確認します。

喫煙は、健康に明らかに悪く、費用もかかるため基本的に全ての人に禁煙指導します。
全身倦怠感・息切れ・動悸などの症状が喫煙から来るケースもあります。

また、喫煙している場合には血栓リスクが上がるため、ピルが使えないケースがあります。
とくに、35歳以上で1日15本以上喫煙している場合には、ピルを処方することは原則できません。

さらに、手術が必要になる場合には、気道分泌物が増え痰づまりなどのリスクが増えるため、術前に禁煙が必要になります。また入院中は院内は禁煙となります。

喫煙歴では、1日何本、そして何年間喫煙しているか確認するのです。

まとめ

今回は「医療情報」について説明しました。

産婦人科医師として、日々診療にあたっていますが、勉強の毎日です。

限られた時間で、いかに正確な診療を提供し、同時に患者さんの満足度を高められるか?

この課題と向き合っています。

「カルテ」にしっかりとした診療情報を記載し、医療情報を踏まえた上で診療を行うことで、医療の質は上がります。

カルテ記載をおろそかにしないで、誠実に一人一人の患者さんと向き合い、診療を楽しんで行っていきたいと思います。

この記事によって「診療情報」について理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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