結論ですが、
多嚢胞性卵巣症候群は、多嚢胞性卵巣・月経異常・ホルモン異常がそろった症候群のことです。
この記事は「婦人科の病気に関して疑問がある人」に向けて書いています。
病気に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「多嚢胞性卵巣症候群」についてわかります。
多嚢胞性卵巣症候群ってなんですか?
このような疑問にお答えします。
月経がなかなか来ない
しかし妊娠反応は陰性
普段から月経不順です
なかなか妊娠しないです
などの症状で産婦人科を受診したときに「多嚢胞性卵巣症候群」(PCOS)だと判明することがあります。
では、多嚢胞性卵巣症候群ってなんですか??
ということで、今回は「多嚢胞性卵巣症候群」について説明します。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
この記事のまとめ
1.多嚢胞性卵巣とは
多のう胞性卵巣とは、小のう胞が多くみられる卵巣のことをいいます。
まず、月経1周期につき、1つの卵胞(主席卵胞)が発育して排卵されます。月経周期や個人差はありますが、およそ月経14日目あたりに排卵されます。
「排卵」がうまくいかなかったり卵胞がうまく発育されないと、卵巣に小さい袋(小のう胞)になって残ります。この小のう胞が多くみられる卵巣のことを「多のう胞性卵巣」(たのうほうせいらんそう)と呼ばれます。
2.多嚢胞性卵巣症候群の診断
エコーなどで「多のう胞性卵巣」をみとめ、問診によって月経異常(月経不順・遅発月経など)や不妊などの症状をみとめ、血液検査でLH高値・アンドロゲン高値などのホルモン検査異常をみとめる場合、「多のう胞性卵巣症候群」(PCOS)とよばれます。
3.多嚢胞性卵巣症候群の症状
多嚢胞性卵巣症候群の症状として、「月経異常」「不妊症」などがあります。
多嚢胞性卵巣症候群では、排卵がうまくいかず、ホルモンバランスが乱れていることが多いです。とくに、月経が遅れる、月経の頻度が少ない、月経周期が不規則などの「月経異常」の症状が多いです。
また、多嚢胞性卵巣症候群では、排卵がうまくいかないため「不妊症」となる場合もあります。
4.多嚢胞性卵巣症候群の治療
多嚢胞性卵巣症候群の治療は、「月経異常」や「不妊症」に対する対症療法がおこなわれます。
多のう胞性卵巣症候群では、主に「月経異常」と「不妊」という2つの症状がおこるので、それらに対して治療がおこなわれます。
まずはじめに、現時点で子供を希望するかどうかによって治療は決まってきます。
子供を希望する場合、多のう胞性卵巣症候群では、うまく排卵されないため排卵を促す必要があります。
排卵誘発するため飲み薬・注射などが使われます。また、手術で卵巣の小さな袋に穴をあける「卵巣多孔術」が行われます。
子供を希望しない場合には、「月経異常」に対して治療をおこないます。低用量ピルやホルモン薬(ホルムストルム療法)が使われます。
また、多のう胞性卵巣症候群は生活習慣や肥満と関係があるとされています。
普段から運動不足の人は運動習慣をつけたり、BMIが25以上の場合には減量することも治療につながります。
また、糖尿病(インスリン抵抗性上昇)とも関係があり、糖尿病のくすりも使われることがあります。
まとめ
今回は「多嚢胞性卵巣症候群」について説明しました。
多嚢胞性卵巣症候群は理解するのがなかなか難しい疾患だとおもいます。
「多嚢胞性卵巣症候群」は生活習慣病のひとつとも呼ばれており、すぐに改善できる魔法のような方法は残念ながらないです。
生活習慣を改善するとともに、「多嚢胞性卵巣症候群」の月経異常や不妊症などの症状に対して治療することになります。
この記事によって「多嚢胞性卵巣症候群」の理解が深まり、一人でも多くの人が健康的に過ごすことが出来ることを願っています。
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