結論ですが
プレコンセプションケアとは、将来の妊娠のためのヘルスケアをおこなうことです。
この記事は「妊活中」のヒトに向けて書いています。
妊活に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています
この記事を読むことで「プレコンセプションケア」についてわかります。
みなさんは「プレコンセプションケア」という言葉をご存知でしょうか?
これは、妊活をする前から、将来の妊娠を考えながら、ご自身の体と心の状態を知り、日々の生活や健康と向き合うことです。
妊娠を意識している人はもちろんのこと、まだ具体的に妊娠を考えていないような「10代」から「20代」の女性や男性も今すぐにでも始めて欲しい内容です。
また、パートナーと一緒に将来の妊娠を見据えて、出来ることを行っていくことが大切です。
「国立成育医療センター」には「プレコンセプションケアセンター」があり、とても力を入れています。その中で、男性用の「プレコンセプションケア・チェック項目」があり「9項目」掲げられています。
今回は「プレコンセプションケア 9のチェック項目(男性 前編)」について説明していきます。
この記事のまとめ
プレコンセプションケアとは
プレコンセプションケアとは、適切な時期に、適切な知識・情報を女性やカップルに提供し、将来の妊娠のためのヘルスケアをおこなうことです。
プレコンセプションケアは、妊娠を意識している人はもちろんのこと、まだ具体的に妊娠を考えていないような「10代」から「20代」の女性や男性も今すぐにでも始めて欲しい内容です。
プレコンセプションケアの重要性は、2006年にアメリカ疾病管理予防センター「CDC」、2012年に世界保健機構「WHO」、2015年には世界産婦人科連合「FIGO」で本格的に推奨されており、日本では2015年に「国立成育医療研究センター」でプレコンセプションケアセンターが開設されました。
そこでは、「プレコンセプションケアにおける9のチェック項目」が掲げられており、女性編に続いて男性編について解説していきたいと思います。
1.バランスのよい食事をこころがけ、適正体重をキープしよう
バランスのよい食事を
栄養バランスの良い規則正しい食事をこころがけるようにしましょう。
いうまでもなく、栄養バランスの良い規則正しい食事習慣は「健康」に良いです。
また、男性であれば、栄養バランスの良い規則正しい食事によって、「質の良い精液」につながります。
将来の妊娠を見据えて、栄養バランスの良い規則正しい食事をこころがけるようにしましょう。
適正体重を
適正体重(BMI:18.5~25)をキープするようにしましょう。
「やせすぎ」(BMI<18.5)の場合は、栄養不足によって体力の低下・体調不良になりやすく、日々のパフォーマンス低下につながります。
「肥満」(BMI>25)の場合は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病のリスクが上がり、心筋梗塞・動脈硬化・脳卒中などの心臓・血管の病気になりやすくなります。男性であれば、ご自身の「健康状態」が「質の良い精液」につながります。
「ご自身の健康」や「質の良い精液」のために、適正体重をキープするようにしましょう。
2.たばこや危険ドラッグ、過度の飲酒をやめよう
たばこ
喫煙をしている人は禁煙するようにしましょう。
喫煙によってご自身の健康が害するとともに、パートナーへの受動喫煙によって妊娠したときにお腹の中の赤ちゃんなどに影響を与えます。
喫煙者では「脳卒中」「虚血性心疾患」「肺がん」「慢性閉塞性肺疾患」(COPD)などのさまざまな病気のリスクが上がります。
また、パートナーが妊娠した場合には、「流産」や「早産」のリスクが上がるとともに、「胎児発育不全」「常位胎盤早期剥離」につながることがあります。また、産まれた後の赤ちゃんの「乳幼児突然死症候群」「喘息」「耳の病気」などのリスクが上がります。
喫煙は、「ご自身」の健康だけでなく、副流煙による受動喫煙によって「まわりの人」、そして将来の「赤ちゃん」にも影響を与えます。
ご自身やまわりの人の健康のために必ず禁煙するようにしましょう。
危険ドラッグ
ご自身の健康やまわりの人のために「危険ドラッグ」を使わないようにしましょう。
法律で取り締まられるような「麻薬」「大麻」「覚せい剤」などはもちろんのこと、依存性の高い「脱法ドラッグ」「危険ドラッグ」などと言われているものを使わないようにしましょう。
依存性の高さから、ドラッグを求めてしまい、心身ともにボロボロの状態となってしまい、日常生活が破綻してしまうケースがあります。
また、ドラッグはご自身だけでなく、パートナーなどの身近な人も一緒に使ってしまうケースが多いです。パートナーが妊娠した場合に、ドラッグが胎盤を通じて赤ちゃんに悪影響を与える可能性があります。
ご自身の健康だけでなくパートナーや将来妊娠する赤ちゃんのために危険ドラッグを使わないようにしましょう。
過度の飲酒
ご自身の健康や将来の妊娠に備えて、アルコールを控えるようにしましょう。
以前は、少量のアルコール摂取は健康に良い可能性が言われていましたが、最近の研究では少量のアルコール摂取でも、健康に悪影響を与えることが知られています。
また、男性であれば「過度の飲酒」によって、精液の質が下がることが知られています。
ご自身の健康や将来の妊娠することを見据えて、過度の飲酒は控えるようにしましょう。
3.ストレスをためこまない
「ストレス」を減らす、対処することで、ストレスをため込まないようにしましょう。
「ストレス」は万病の元であり、ご自身のからだやこころの健康に悪影響を及ぼします。また、男性であれば精子の状態が悪化することが知られています。ストレスによって、精液の量が低下し、精子の運動が低下すると言われています。
ご自身の健康や将来の妊娠のために、ストレスをため込まないようにしましょう。
4.生活習慣病やがんのチェックしよう!
生活習慣病
高血圧・糖尿病・脂質代謝異常症などの生活習慣病をチェックするようにしましょう。
生活習慣病とは、運動習慣・食生活・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣によって引き起こされる病気のことをいいます。生活習慣病には、「糖尿病」「高血圧」「脂質代謝異常症」などがあり、「心筋梗塞」「動脈硬化」「脳卒中」などの心臓・血管の病気につながります。
血圧を測定することで「高血圧」、血液検査や尿検査などで「糖尿病」、血液検査で「脂質代謝異常症」の診断をすることができます。
ご自身の健康管理のために、生活習慣病をチェックするようにしましょう。
がん検診
がんの早期発見・早期治療のため、がん検診を受けるようにしましょう。
日本において集団でおこなわれることが推奨されているがん検診は、「胃がん」「肺がん」「大腸がん」「子宮頸がん」「乳がん」検診の5つあります。
- 「胃がん検診」は、50歳以上・2年ごと ※胃部X線検査は、40歳以上・毎年 実施可
- 「肺がん検診」は、40歳以上・毎年
- 「大腸がん検診」は、40歳以上・毎年
- 「子宮頸がん検診」は、20歳以上・2年ごと
- 「乳がん検診」は、40歳以上・2年ごと
男性であれば、推奨年齢になったら、「胃がん」「肺がん」「大腸がん」検診を受けるようにしましょう。
まとめ
プレコンセプションケアはとても重要な概念です。
ご自身の健康だけでなく、将来の妊娠・出産、これから育まれていく新たな命へのトータルな視点でのヘルスケアを考えていくことにつながります。
是非とも、プレコンセプションケアのチェック項目を活用するようにしましょう。
1つでもいいので、出来ることを少しずつおこなっていくようにしましょう。
次世代にわたって健康で笑顔があふれるような社会になることを願っています。
この記事によって「プレコンセプションケア」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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