結論ですが
風疹ワクチンの接種は「説明」「問診」「診察」「注射」「経過観察」という流れで診療が行われます。
この記事は「風疹ワクチン」を受けたいヒトに向けて書いています。
自身の健康への疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「風疹ワクチンの診療の流れ」についてわかります。
風疹を予防するためにワクチン接種をしたいです!
このような希望にお答えします。
風疹の予防のためには、ワクチン接種が有効です。
とくに妊娠中に風疹にかかってしまうと、お腹の中の赤ちゃんに影響を与え「先天性風疹症候群」(赤ちゃんが難聴・白内障・先天性心疾患など罹患する症候群)という疾患にかかってしまう可能性があります。
それらを予防するためにも、当クリニックでは、これから妊娠を考えている人は「風疹抗体価」の検査をすすめます。
風疹の抗体価が低い場合には、風疹に対する免疫力が不十分であるため、「風疹ワクチン」の接種をすすめます。
なお、妊娠中には「風疹ワクチン」を受けることができませんので、「妊娠する前」に対応するようにしましょう。
では実際に、どのように「風疹ワクチン」の接種をおこなうのか?
今回、当クリニックで行う「風疹ワクチンの診療の流れ」を紹介したいと思います。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
この記事のまとめ
1.説明
概要
「風疹ワクチン」によって、「風疹」の感染を予防することができます。
風疹にかかると、「発熱」「発疹」「関節痛」「リンパ節の腫れ」などの症状が起こります。
こどもでは風疹感染による症状は比較的軽いのですが、大人がかかると、発熱や発疹の期間が子どもに比べて長く、関節痛もひどいことが多いです。
また、妊婦さんが風疹にかかってしまうと、お腹の中の赤ちゃんに影響を与えます。
赤ちゃんが難聴・白内障・先天性心疾患などを特徴とする「先天性風疹症候群」にかかってしまう可能性があります。
効果
風疹ワクチンを接種することによって、95%以上の人が風疹ウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。
また、定期の予防接種で2回接種を受けることで、1回の接種では免疫が付かなかった方の多くの人に免疫をつけることができます。
さらに接種した後の時間の経過とともに、免疫が低下してきた人に対しては、追加のワクチン接種を受けることで免疫を強化させる効果があります。
費用
風疹ワクチンの接種に関する料金は別表をご確認ください。
なお、札幌市では、風しん予防のため、風しん抗体の低い世代の(昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれ)男性を対象に、無料で風しん抗体検査・予防接種を行っており、クーポン券が発行されています。
2.問診表
体温
風疹ワクチンを接種する前に、体温を測定します。
体温を測定したら、問診表に記載しましょう。
現在の状態
風疹ワクチンを接種する前に体調が大丈夫か確認します。
「何か症状がないか」「1ヶ月以内に病気にかかったか」「1ヶ月以内に予防接種を受けたか」「今までに大きな病気にかかったか」など問診表に沿って記載しましょう。
なお、妊娠中の女性は風疹ワクチンを受けることができません。
副反応リスク
風疹ワクチンを接種にともなう副反応のリスクがあるか確認します。
「くすり・食べ物などのアレルギー情報」「免疫状態の情報」「近親者の情報」など問診表に沿って記載しましょう。
3.診察
情報の確認
問診表に沿って情報を確認します。
とくに、「今の体調が大丈夫か」「最近病気にかかっていないか」「副反応のリスクがどの程度か」などを評価して、「風疹ワクチン」の接種が安全にできるか判断します。
体調の確認
今の体調が大丈夫か確認します。
とくに「体温」「自覚症状」「その他気になる症状」などを確認して、「風疹ワクチン」の接種が安全にできるか判断します。また、「風疹ワクチン」による副反応が出た場合に、接種前は大丈夫であったことを把握しておきます。
診察
気になる症状があれば適宜診察をします。
4.注射
注射法
風疹ワクチンは「皮下注射」が行われます。
「腕」(上腕の外側)の皮下に注射します。
注意点
注射した後は、強くもまずに軽く押さえる程度にしておきましょう。
注射した部分の絆創膏は、帰宅した後に剥がしてください。
5.経過観察
院内経過観察
ワクチン接種後は、副反応が出てこないか経過観察が必要です。
接種後には「30分間」の経過観察が必要ですが、院内には「10分間」いて頂ければ結構です。アナフィラキシーショックなど大きな副反応のほとんどは、すぐに起こります。体調が悪くなったら、すぐに近くのスタッフにお声かけください。
また、残り「20分間」は院外で経過観察して、何か体調が悪くなったら、すぐにクリニックに戻ってきてください。
ただし、「副反応が心配な人」は院内に30分間いて頂いても結構ですし、「副反応のリスクが高い人」は院内で30分間経過観察させて頂きます。
副反応
ワクチン接種にともなう副反応が起こる場合があります。
注射部位の「痛み」「赤み」「腫れ」、「発熱」「不快感」などの副反応の頻度は多いです。多くは、1週間程度で自然に改善するので経過観察します。
ただし、1週間経ってもこれらの症状が改善しない場合(とくに痛みが持続する場合)や、知覚障害・マヒ・出血傾向などの症状がある場合には、医師に申し出てください。
まとめ
今回は「風疹ワクチンの診療の流れ」について説明しました。
こどものときに風疹ワクチンを接種していて、時間が立って免疫力が低下している人は少なくないです。
とくに、これから妊娠を考えている人は、赤ちゃんの「先天性風疹症候群」を予防するために、風疹抗体価の検査を受けてみてはいかがでしょうか?
妊娠の初期検査でも風疹抗体価の検査はあります。しかし、風疹の抗体価が低いとわかっても、妊娠中は風疹ワクチンの接種を受けることが出来ませんので注意が必要です。
これから妊娠を考えている「妊活中の人」にとっては、「風疹の抗体価検査」は是非とも受けたい検査であります。
この記事によって「風疹ワクチンの診療の流れ」についての理解が深まり、受診に対する不安が解消し、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。
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